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1-4

 《門》をくぐる感覚は、何度経ても慣れるものではない。


 まるでゼリーの中を歩くような感覚。一瞬のことなのに、それが何分のことにも感じられる。


 異質感から解放されて、私は瞼を開けた。


 途端、琥珀の空が瞳に映り込む。


 ――うわ。


 その光景に、今まで何百もの世界を見てきた私でも息を呑んだ。


 なんて綺麗な色。


 しかも、それだけではない。


 その琥珀の空を突き刺す、数え切れない巨大なビル群。私達はその真ん中に立っていた。


 今にも崩れ落ちそうな瓦礫のビルによって支えられる空は、正に幻想と言えた。



「……日本に似てるな」



 隣に立った嶋搗が呟く。



「ええ」



 立ち並ぶビルは何十年も放置された様子で表面に苔が生し、舗装された地面は罅割れから植物が茂り、そのところどころに止まっている自動車らしいものはただの鉄屑になり果てている。だが、それでもこの光景は日本の都心部などに見られるものとよく似ていた。



「ここは機械文明だったのね」

「いや。魔力元素があるんだから、もしかしたら魔術文明としてもそれなりに発達していたのかもしれない」

「あ、そっか」



 もしそうなら、機械と魔術でかなり発展していたんだろうな。どんな世界だったんだろう。



「どちらにしても、しばらくすれば判明するだろう。今は装置の設置が優先だ」

「そうね」



 振り向くと、ぐにゃりと歪んだ空間が一面に広がっていた。


 これが世界と世界を繋ぐ《門》だ。


 《門》から、ゆっくりと一台のトラックが現れた。助手席にはアイが座っている。



「それじゃあ、設置場所に相応しい場所を見つけないとねー」



 設置の行程は大きく三つに分かれる。その一番目が設置場所を決めること。


 装置は現地の生物や気象に破壊されないような場所を見つけ、そこに設置する必要がある。大体は洞窟の中だったり密閉された場所である場合が多い。


 今回は、そういうところではあまり苦労しないだろう。なにせ、これだけ建物が並んでいるのだから。


 他二つの行程は設置そのものと撤収だ。設置には三時間程度の時間を要し、撤収には装置の起動実験も含まれる。


 この三つを行うのが装置設置部隊の役目なのだ。


 《門》はトラックが通過した時点で消滅してしまった。


 あとは、装置を設置するまで魔術師はともかく私達SWは帰還することが出来ない。


 鈍い孤立感が湧いた。



「設置位置の捜索に出る人を決めたいんだけど、志願者はいる?」



 一斉に手が挙がった。私や嶋搗ももちろん同様に。


 装置設置部隊に参加するようなSWが、ここで手を上げないわけがないだろう。金の為でなく、好奇心や面白さを求めて来た連中なのだから。



「えっと、これじゃあジャンケンだね」



 え、ジャンケン?



「いつもこういう風に決めてるの?」

「ガイドにもよるが、だいたいな」



 ふうん。まあ、一番公平ではあるけど。


 ……けど、なんかイメージと違うなあ。もう少し剣呑な雰囲気なのかと思ってた。



「それじゃあいくよ。最初はグー、じゃんけん――ポン」

「っと」



 遅れそうになって、慌てて私はパーを出した。


 ……う。


 パー。チョキ、チョキ、チョキチョキチョキチョキチョキ……。


 私以外の全員が、チョキを出す。



「え、よわ……」



 アイがぼそりと呟く。聞こえてるわよ。



「弱くて悪い!?」



 昔からジャンケンで人に勝ったためしがないのよ!


 周囲からの憐みの視線を振り切って、私はトラックの傍にあった車らしい残骸の上に座り込んだ。



「ほら、さっさと続きをやりなさいよ、ほら!」

「人に当たるのはよくないぜー、アマリン」

「うっさいわよ! ……アマリン?」

「おお。天利だからアマリン。分かりやすいだろ?」

「撃っていい?」

「うわっ」



 私がレールガンの銃身を向けると、皆見は近くにいた嶋搗の陰に隠れた。



「おい、なに隠れてるんだ。俺がジャンケン最弱女に撃たれるだろうが」



 ……もう嶋搗ごと撃っていいかしらね。



「はいはい、それじゃ二回戦いくよー。最初はグー、じゃんけんポン!」



 ――結局、私以外に皆見も嶋搗も居残り組になることとなった。


 ふん。私を馬鹿にするからそういうことになるのよね。



 あれから、どれくらい時間が経ったろうか。


 案外、捜索に時間がかかるな。


 いや、違うか。捜索組の連中が興味の向くままに調子乗って散策とかしてるから帰って来るのが遅いんだろう。まったく、待ってるこっちの身にもなれ。



「暇だな」



 琥珀の空を飽きることなく見上げていた天利に、何気なく話しかける。



「そうね。でも、あれ本当に綺麗……」



 どうやら、とことんこの空の色を気に入ったらしい。


 俺も視線を上げてみる。


 確かに綺麗だ。が――、



「俺は同じくらい綺麗な空をいくつか知ってるぞ」

「そうなの?」

「ああ」



 ロットは覚えていないが、ルビーみたいな空とか、プリズムみたいな空とか。



「嶋搗って、私より一月だけ早くSWになったのに、私よりずっと異次元世界のことを知ってるのね」

「……それほどでもない」



 その辺りは、いろいろと事情込みだったりするのだが。



「いんや。シーマンはアマリンの言う通り詳しすぎるぜー」



 いきなり皆見が口を挟んできた。


 また余計なことを……。



「たまにシーマンと出かけると、全然知られてない生き物の習性とかご存知でやがんの。それっておかしいだろ? 掲示板にだって掲載されてない種類だったんだぜ?」



 掲示板とはSW同士が情報交換を行うBBSのことだ。俺も閲覧だけはよくしてる。



「偶然、前に一度遭遇してたんだよ」

「へー。で、なに隠してるんだ?」

「だから、なにも隠してない」



 隠してるけど。


 だからってそれをこの二人に話す義理はない。それに、これを話すと俺の立場が悪くなりかねない。危険は出来るだけ避けておきたいのだ。



「いけずー」


 むくれるな。男のお前がやっても正直キモい。



「――まあ、それでも別にオレは構わんけどな。シーマンが頼りになるってことに間違いはないわけだし」

「私も気にしないわよ。隠し事なんて、誰にだってあるし、ちゃんとやることやってくれれば文句はないわ」



 ……これだよ。


 まったく、こいつらは。


 こういう性格だから一緒にいても苦じゃないんだろうな。


 自分と関係ないことには無関心っていうか……気遣いが出来るっていうか。自己中の割合が多いSWの中じゃ珍しい人種だよ。



「なら、その期待に見合う働きはしてやるさ。もちろん、相応の報酬と引き換えにな」

「守銭奴だなー」

「守銭奴ね」

「そうかい」



 別に、そんなに金が欲しいわけじゃないけどな。


 ただ、こういう時に何の報酬もなしに働いたんじゃ、こいつらに乗せられたみたいで悔しいじゃないか。


 それで一旦、会話が途切れた。


 三人して空を見上げる。



「あれ、なんか暗くなってきたんじゃね?」



 不意に、皆見がそう言った。


 ……言われてみれば、少し琥珀が淀んできたようにも見える。空気も質が変わってきた。



「この世界の日没かしらね。どうなってるんだろ」

「さあな。太陽みたいな恒星は見えないから、多分空気中に時間によって明るさを変化させる元素が含まれてるんじゃないのか。その辺りを調べるのは学者の仕事だ」



 にしても、だとしたらマズいな。いきなり未開の世界で夜間行動なんて、不足の事態に陥りやすくなる。


 その辺り、一応ガイドに言っておいたほうがいいか。


 俺はトラックに近づいて、助手席の窓を叩いた。



「んー、どしたの?」

「……おい。口の端によだれの跡がついてるぞ」

「え……あはは、ごめんごめん」



 こっちは気張ってるのに、呑気なもんだな。



「そろそろ夜になるみたいだ。ライトを点けて、いつでも逃げ出せるようにしておけ」

「あ、そうなんだ。うん、ありがとう、そうさせてもらう」



 アイが指示すると、運転席に座っていた男がライトのスイッチを押した。


 トラックの上部に備え付けられていた特殊なライトが周囲三百六十度を広く照らし出した。ライトを直視できない。それこそ目の前に小型の太陽があるようだ。



「じゃ、引き続き護衛よろしくー」

「魔術師なんだから、自分の身は自分で守れよ」

「わ、酷い。下手な魔術師よりSWの方が強いんだよ。まあ、私は下手な魔術師じゃないけど」

「そうかい」



 ならいいけどな。


 なんか、こいつは嫌な臭いがする。もちろん、物理的にではない。なんというか、足手まといになりそうな雰囲気があるのだ、どことなく。


 ……本人の言う通り、決して弱い魔術師ではなさそうだけど。


 言いたいことは言ったので、俺はさっさと天利と皆見の隣に戻った。



「この明かり、一時間点けてたら三十万くらいかかるのよね」

「そうそう。海底太陽から採取した鉱石を使ってて、発光させるのにN型水素が必要なんだよ。よく知ってるね」

「俺のバイクについてるライトがそれだからな。いつも俺を足に使うそいつなら知ってて当然だろう」



 自慢じゃないが、俺のバイクはさりげなく最新技術の塊だったりする。


 なお、俺の趣味じゃない。なぜか俺のバイクのメンテナンス係が、新しい部品が入ったりするとしつこく俺にそれを付けろと迫って来るのだ。そのせいで俺の支出の二割か三割はバイクの改造が占めていたりする。


 実用的なのが唯一の救いだよな。収入増加の一助になっているのは間違いないし。


 ――その収入と支出のどちらが大きいのかは考えたくもない。


 クッキングジャンキーのコック長といい、改造マニアのメンテナンス係といい、異界研にはまともなスタッフが集まらないよな。



「仕方ないじゃない。バイクの免許ないんだから」

「だから、とれよ」

「なんで?」

「……あのなあ」



 こいつは俺を専属の運転手か何かと思ってるんじゃないだろうな。


 何か言い返してやろう。そう俺が口を開こうとした、その時だった。



「まて、シーマン」



 鋭い、普段とは一変した皆見の声。


 俺も天利も、すぐにそれに意識を切り替えた。



「どうか、したのか?」

「なにか聞こえなかったか?」



 耳を澄ませてみる。


 ……。



「いや、俺には何も――」

「待って」



 天利の言葉に口を噤む。



「……聞こえた」

「なに?」



 だが、俺には何も……。




 ――ァ、ァァ……ァァァ……ァ!――




 聞こえた。


 俺の耳にもその音が届く。



「これは……人の悲鳴? まさか、探索組か?」

「間違いない。今の声には聞き覚えがあったぜ」



 皆見の聴覚は異常だな。よくそこまで判断出来るもんだ。



「なにかあったのかしら?」

「だろうな」



 でなけりゃ、SWが悲鳴なんぞ上げるものか。



「警戒!」



 皆見が大声で叫ぶと、俺達と一緒に居残った護衛組が各々の武器に手をかけた。



「どうかしたー?」



 そんな中で阿呆のように呑気なアイを無視して、俺達は悲鳴の聞こえた方を睨みつけた。


 ベチャ!


 背後から異音。


 しま……っ!


 回り込まれたか。そう思って、振り向きざまに剣を抜く。


 ――しかし、そこには何もいなかった。


 ……なにが?


 その答えは、足元に転がっていた。


 赤い泥のようなもの。


 これは……。


 剣でそれを掻き混ぜてみる。中には布が混じっていた。ただの布じゃない。特殊繊維でできているものだ。


 さらに、MAと刻み込まれた金属片を見つける。MA……マギ・アース社。つまり、この布や金属片がSWの装備の一部ということになる。



「人、だな」

「……っ」



 俺が呟くと、天利が少しだけ後ずさった。


 そういえば、こいつは人の死体を見るのは初めてだったか。


 俺はこれで三度目だ。



「上に何かいるぞ。狙え」



 俺が出来うる最高に冷たい声でそう命令すると、天利は素早くレールガンの銃身を琥珀の色がほとんど消えた夜空に向ける。その後部からは射撃時の衝撃を支えるスタンドが展開し、アスファルトに突き立った。


 例えどんな状況でもすぐさま戦闘態勢に入れるのは、身体に染み付いたSWの習性だな。


 無防備な天利をカバーするように、俺はその背中に張り付く。


 視界はライトのお陰で明るい。近くのビルなら屋上まではっきりと照り出されている。


 だが……そこに、何かの姿を見つけだすことは出来なかった。



「……こりゃひでえ。肉がミキサーにかけたみたいにペーストになってんぜ」



 天利のカバーにまわった俺の代わりに肉を調べていた皆見が表情を顰める。


 ミキサーか。相手の攻撃力はとんでもないと考えておいた方がいいな。



「敵の姿を確認したやつはいるか!」



 俺の問いに、返事は返ってこない。


 ……隠蔽能力が高いのか……くそ。


 そういうやつは決まって移動速度が高い。俺みたいな近距離専門には厳しい相手だ。


 こうなると、頼りは天利や他の中・遠距離攻撃手段を持つ連中だな。


 バリン、という破砕音。


 全員が一斉に音のした方向を見る。そこはビルの八階辺りだった。


 ……鬼が出るか、蛇が出るか。



「いくぞ!」



 俺は掛け声とともに、懐から一つ手榴弾を取り出し、ピンを噛み抜いて、音のした付近の窓に投げ込んだ。


 数秒後の――轟音。そして、内側から吹き飛ぶ窓枠。


 ビルが大きく震え、瓦礫が落ちた。その落ちる瓦礫を避けるように飛び出した大きな影。


 刹那、雷光がその影を穿った。天利のレールガンだ。


 周囲から感嘆が漏れる。


 あの一瞬で狙いをつけて撃ち落とすなんて……天利のセンスは神懸かってるな。


 俺はいち早く地面に落ちたその物体に駆け寄った。注意は怠らない。



「……なんだこれは」



 それは、巨大な蜘蛛のようにも見える。三対の肢をもつ球体だ。本当に、それだけのもの。胴体と思わしき球体には、ど真ん中にレールガンに貫かれた穴が開いている。


 生き物なのか、これは……?


 疑問に感じながら、胴体の穴を覗き込む。


 煙を上げて、金属質の淀みが覗いていた。


 ……は。


 これは――おい、冗談きついぞ……。


 剣で脚を斬りつけてみる。なんとか斬り落とせたが、感触はひどく重い。切断面は……鉛色の光沢。


 ……なんてこった。



「金属生命体だ! まだまだいるぞ!」



 その響きは畏怖となって、一瞬にして全ての顔に浮かび上がった。


 金属生命体。それは、SWに最も相手取るのを忌避されるものだ。


 これまで数度しか確認されていない種だが、それだけの確認でもこれらがとんでもない化け物であるのは証明されている。


 その特徴は、良いものと悪いもので極端だ。


 悪い特徴は、その繁殖性。金属生命体というのはナノミクロンサイズの小さな特殊分子が結合し、微弱な電気を脳のシナプスのように送受信し合って成り立っている。こいつらはその意思と材料さえそろえば、いくらでも増殖できるのだ。


 この荒廃した都市の真ん中。金属生命体の増殖に必要な材料には事欠かないだろう。


 ……敵の数は無制限と考えた方がここは賢いな。


 一方で、良い特徴はとことん俺達にとって嬉しいものだ。


 連中は微弱な電気を送受信し合って身体を構築していると言ったが、実はこの電気がちょっとでも乱れると個体がまるまる死滅するというデメリットを抱えている。もっとも、外部から電気を乱すのはかなり難しい。表面にそういった自分達の害になるものを一切遮断する膜を形成しているからだ。


 しかし、剣でも何でもいいから、とにかく少しでも傷をつけると、あっさりとその電気は乱すことが出来る。膜の下にもぐりこんだ刃などが摩擦電気を生じさせるからだ。


 にしたって、金属の塊みたいな相手に傷一つ付けるのはそれだけでも難しい。魔導水銀剣でさえ斬るのにそれなりの力が必要だったことが何よりの証明だろう。



「力や武器に自信のあるやつはトラックを守れ! 他の連中は今すぐそこらの物陰にでも装置を設置しろ! 一度使えればいい。設置に時間をかけるな!」



 こうなったら、細かいことは気にしてられない。一度使えれば、使用後二度と再使用出来なくなったって構わない。今はとにかくこの世界からの離脱を考えなくてはいけないのだ。


 金属生命体と真っ向からやり合うなんて、自殺行為同然だ。


 探索組のことは考えない。そちらは、恐らく全滅だ。



「やべーことになったな」



 他のSWが俺の指示通りに動き出す中、俺の隣に皆見が並んだ。その手には、抜き身の刀が左右それぞれ握られている。


 その刀身は、青白い光を孕んだ電火に包みこまれている。


 雷鉄鋼という、高圧電流を発生させる金属で鍛えられた刀だ。


 普段は斬りつけた相手の身体を動けなくさせたりする代物だが、今回は本来の目的とは別で有利だな。言わば、クリティカル率百パーセント、ってとこか。



「お前は一番前で戦えよ」

「えー、一緒に戦ってくれるう?」

「……帰ったら生き残りからそれぞれ報酬を絞り取るぞ」

「そうこなくちゃな」



 一人五百万は取ってやる。固く心に決めて、俺は剣を握る手に力を込めた。



「私にも分け前をよこしなさいよ?」



 そこに、天利までもが乗りかかって来た。



「お前も前に立つつもりか?」

「当然」

「危険だぞ。後ろで設置に加わっても別に構わない」

「そう? でもね――、」



 レールガンのスタンドが一瞬で展開し、銃身から弾丸が空に向かって撃ち出された。


 背後に、金属生命体の死体が落ちる。



「私がいたほうが、全体の生存率が上がると思うのよ」

「……ああ、そうだな」



 いつの間にだろうか?


 こいつ、いつの間に俺と肩を並べて戦えるようになっていたのだろう。一年前のあの時は、ゴミを着込んだ素人だった癖に。



「私のこと、守ってよね」

「ちゃんと弾が切れるまで戦い抜けよ」

「あー、いい雰囲気を邪魔したくないんだがなー。ほら、あっちをご覧?」



 皆見が刀で示した方向から、ぞろぞろと黒い物体がこちらに向かって進行してくる。


 なんて量だ。



「……今のうちに、強化剤飲んどけよ。戦ってる最中に切れたら最悪だ」

「先刻承知」

「もう飲んだわ」



 流石、SWとして一年以上生き抜いてるだけのことはあるよ。


 なら……これ以上何も言うことはない。


 簡易設置まで、あと十分ってところか……。


 ……はは。なんていうか、あれだよな。



「これが本当の一騎当千じゃないか?」

「オレらなら実現可能じゃね」

「ええ。あんたら二人が私のことをしっかり守ってくれるならね」



 そうして、



「BANG!」



 金属生命体の群れのど真ん中をレールガンの弾丸が貫通したのと同時、無制限対十一人の乱戦が始まった。



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