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ロジェを追放したパーティーの窮地を救う⑹

連続更新9話目。第一章最終話です。

 魔物との戦闘が終わった後。


 アランのわき腹の傷は、シルファが回復魔法で応急処置をして止血した。ベンディはところどころ打撲と数か所骨が折れているかもしれないとのことだが、何とか歩けている。シルファには目立った傷はないが、よほど恐ろしかったのか先ほどからずっと口をつぐんでいる。


「ロジェ。まずは救ってくれたことに礼を言おう。偶然あの場に出合わせたわけじゃないだろう?」


 アランは俺が<魔力索敵>を使って駆け付けたことを察しているようだ。


「……いいや。たまたまだよ」


「ふっ。謙遜しなくていい」


 アランは笑みを浮かべると、一転して真剣な表情になった。


「今までのことはすまなかった。ロジェ、お前の言ったことは本当だった。知らない間にお前に頼り切りになっていたら、このざまだ」


「謝らなくていい。別に謝罪は期待していない」


 冷たく突き放すようにそう言う。謝罪は今更だ。


「……そうか。パーティーに戻ってきてくれ、と言っても無駄か?」


「当たり前だろう? 今更、()()()()よ」


 そう言うと、アランは泣き笑いのような表情になった。


 俺に命を救ってもらってやっと反省して、それを俺が受け入れて許すなんて都合がよすぎる。


 たとえ追放した後でも。


 今より前なら、受け入れる余地はあった。自ら気づいて反省していれば、あるいは許したかもしれない。


 ()()()()機会はもうなくなった。俺はお前らを()()()()()()()()()


 だから、俺とお前たちがパーティーを組むことは2度とない。


「アラン、あきらめろ。俺たちは取り返しのつかないところまで来てしまったんだ。ロジェ、すまないとだけ言っておく。この言葉を受け取るも受け取らないも好きにしろ」


 ベンディらしいな。彼は率先して俺のことを悪く言っていたわけではないが、黙認していたことには変わりない。


 そして。


 いまだにうつむいて押し黙っているシルファに目線を向ける。


 一番に俺をののしっていたやつだ。当然、顔を見たくもないほど嫌いだ。


 彼女は顔を上げると、震える唇を動かして言葉を紡いだ。


「……ロジェ、その、今までひどいこと言ってごめんなさい。あなたのこと、勘違いしていたわ」


 シルファは内心ものすごい葛藤があったのだろう。その上で今の言葉を口に出したのだろう。


 ふざけるなよ。


「はあ? それで俺が許すと思ってるのか? 普段と違ってしおらしい態度を見せれば、あっさり受け入れるとでも? 馬鹿か、お前」


「……っ!!」


 シルファの顔がゆがむ。


「今までお前がどれだけの罵詈雑言を俺に言ってきたと思っている? それが、謝罪の言葉一つで済むと思うなんて、見下げたやつだ。その腐った性根は一生治らねえんだな」


「自分より劣っている者を弱い者いじめをして鬱憤を晴らすなんて、成人してるとは思えねえくらいこどもだな。その上それが勘違いだっていうんだから底なしの阿保だ。赤ちゃんからやり直すか? シルファ」


 今にも泣きだしそうなシルファの顔が徐々に怒りの表情に変わっていく。


「は、はあ!? 大人しくしていたら好き勝手なことを言ってくれちゃって……! そこまで言う必要ないでしょ!」


 ワーワーわめきたてるシルファを見て安心する。


 シルファはずっと俺が嫌いなやつでいてくれ。そうじゃないと、見返し甲斐がない。


「……それでいいんだよ」


 小声でつぶやいた言葉は、他の誰の耳に届くことなく消えていった。










  


  

ざまあって難しいなと思いつつ。

何とかタイトルの要素を入れ込んで。

かなり駆け足気味でしたが、第一章はこれにて完結となります! 第一章の最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

続きが気になる、面白いと思ってくださったかたはブックマークと評価をよろしくお願いします!(評価は下の☆☆☆☆☆をタップすることでできます) 日間ランキングに入る機会はおそらくここしかないので、どうかよろしくお願いします。

第一章の感想なども、一言でもいいので是非ぜひお寄せください。作者の養分として、私が吸収します。

それではまた、第2章でお会いしましょう。



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