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ロジェを追放したパーティーの窮地を救う⑸

連続更新8話目。

 シルファが危ない!


 ミスリルゴーレムの元へと疾走する。俺に背中を向けているミスリルゴーレムは、突然の乱入者に気づかない。


 ガーゴイルであの硬さなのだから、ミスリルゴーレムには斬撃が通じにくいだろう。やわらかい関節のところを狙う。


 間合いに入り込んだ俺は、すでに魔法を発動させている剣をミスリルゴーレムの首に突き刺した。刃が簡単に通る。


 首を貫通した剣を、無造作に横に払う。ミスリルゴーレムの首が切断されて、頭が宙に舞う。


 シルファに覆いかぶさらないよう、横から思いっきりミスリルゴーレムの体を蹴りぬく。巨体が倒れて、迷宮の床が小さく振動する。


 魔力に戻っていくミスリルゴーレムの体を尻目に、いまだ目を閉じているシルファに声をかける。


「大丈夫か」


 恐る恐る目を開けたシルファは、俺を見て大きく目を見開いた。


「は……? あんた……え、なんで……?」


 シルファは予想外の状況に茫然自失としている。


 彼女の疑問に答えている時間はない。まだ、戦いは終わっていない。


「それは後だ! 先に魔物を片付ける」


 残りの魔物は2体。手負いのリッチとガーゴイル。


 ベンディは身につけている全身鎧のいたるところがへこんでいて、膝をついて動けない。アランは抑えたわき腹から血がにじんでいる。二人とももうまともに戦えないだろう。シルファも完全に戦意を喪失している。


 俺が一人で戦うしかない。


 ミスリルゴーレムの体が倒れる音で、リッチとガーゴイルはこちらに気づいている。


 手負いとはいえリッチは魔法を使う。距離をとられて、遠距離攻撃魔法を使われると厄介だ。先にリッチから片付ける。


 俺が動くより先に、ガーゴイルが動き出す。


 一度見ているので、何とかガーゴイルの突進に反応できる。身をひねって避けて、ガーゴイルを無視してリッチのもとへと疾走する。


 俺の行動はリッチにとって意外だったのか、リッチの反応がわずかに遅れる。


 頬を熱が撫でる。リッチの指先から放たれる火球をすれすれでかわしながら避けていく。<魔力索敵>で、魔法の発動のタイミングはなんとなくわかる。相手が魔法を発動する直前で回避行動をとることで、速度を落とさず、リッチに近づく。


 後ろにいるガーゴイルは、当然突進してくる。俺が走るよりはるかに速く、すぐに追いつかれる。


 ガーゴイルの姿は見えていないが、<魔力索敵>で位置は把握している。ガーゴイルと激突する寸前に転がって攻撃を避ける。


 すぐに立ち上がる。もうあと数歩で剣の間合いだ。


 剣を突き出してリッチの頭を狙う。リッチが頭を後ろにそらして、剣はわずかに届かない。


 剣を引いて、再びの突き。今度は胸を狙う。


 リッチは避けきれず、剣が胸に突き刺さる。


「うぉぉぉおおっ!!!」


 不死者(アンデッド)であるリッチはまだ死んでいない。両手で剣を支え、首から頭を両断するように斬り上げる。


 頭をやられたリッチは死んだ。


 あと、もう一体。ガーゴイルが残っている。


 もう、だいぶ慣れた。再三のガーゴイルの突撃を、余裕をもって回避する。すれ違いざま、剣でわき腹を振りぬく。


「くううっ!」


 剣の柄から重い衝撃が伝わって手がしびれる。


 だが、ガーゴイルが受けたダメージは俺の比ではない。ガーゴイルは、腹が大きく切り裂かれている。


 途端に動きが鈍くなったガーゴイルを屠るのは容易かった。


 見切った突進を避け、首をはねる。


 ガーゴイルの体が魔力になって消え、魔石が残される。


 戦いは、終わった。


 

 

次で、最後です。

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