転移編3
「うーん、なんも反応せんなあ」
アラモードは扉に札を当てたり投げつけてみたりしているが一向に反応しない。
「そうや、さっき魔力感知がどうのこうのとかファイアーピーポーやら言って火出してきたなあ。あれ俺にもできるんかなあ」
アラモードは札を扉に当てて叫んだ。
「いでよおおおおおし○んろおおおおおん!!!!!」
体の中の何かが動く感じがして、扉と札がうっすら光ると、扉がゆっくりと開いた。
「やっぱし○えんろんなんだよなあ」
中は溢れんばかりの金貨の山だった。そのそばには小さいポシェットがあった。
「なんやこら。金貨は嬉しいがこのポシェットはなんやろう。まあ鞄とか持ってないし、これに入れてパクるか。」
金貨をポシェットに入れていく。やがて全ての金貨がポシェットの中に入った。
「なんやこれ!1000枚はあった金貨がこんな小さいポシェットに全部入った!ラッキーやな!」
男はポシェットを肩から下げ銀行を出た。
「次は身分証をどうにかせなんなあ。裏組織とかあればやってくれるやろうな。金はたくさんあるしそうするか。まあたまたま入った建物が銀行だなんてほんとラッキーだな」
男は人気の少ない方へ歩いていく。途中衛兵とすれ違ったが、日本で来ていた上等なスーツを着て歩くアラモードには疑いの目はかけられなかった。
しばらく歩いているとスラムのようなところについた。建物は寂れているし、人の気配はあるが弱々しい。
「まあそこらへんのホームレスに優しく聞いてみようか」
ホームレスのおじさんに近づき、手のひらにドスを刺す。
「ギャアアアアアアア、、、痛え!何すんだよ!お前!!」
「おいおじさん。身分証発行してくれる裏組織知らないか?」
「は?何言ってん、」
アラモードは太ももにもドスを刺す。
「いてええええええ!!!」
「ええからはよいえや」
「ひぃっ!、黒の紋白蝶って、組織が、やって、くれる、と思います。」
「そうか。どこ行けば会える?」
「この近くに、廃協会が、あります、、そこに、いけば、、」
「さんきゅー」
ぐったりしたホームレスを横目にアラモードは歩き出す。
廃協会に入るとそこには一人の男が椅子に座っていた。顔面には古傷のようなものが無数に入っている。
「おっちゃん俺の身分証作ってくれ。いくらだ?」
「あ?なんだ客かよ。揚羽蝶の奴らかと思ったよ。」
「おう。でいくらだ?」
「金貨100枚だ。」
「オッケー」
アラモードは袋から100枚金貨を取り出し目の前に置く。
「おいおい、お前田舎もんか?偽の身分証の相場は金貨10まいだぞ?まあ出してくれる分にはいいが。試したつもりがまじの金持ちかよ」
「さっき臨時収入があったからなこんくらいええわ」
「なるほどなあ。全部想像ついたぞ。衛兵が騒いでるのもお前が原因ってわけか。まあいい、あんたみたいな上客に吹っかけたらこの後の関係に響きそうだ。試した詫びとして金額5枚で受ける。残り入らねえ」
「お、そうか!ありがとな!てか、どうやってやるんだ?身分証の発行なんて」
「まあ簡単だ。教会や各ギルドが持ってる発行機を俺も持ってるだけだ。ステータスの魔法を唱えたままこの水晶にさわれ」
「ん?なんや「すてーたすのまほう」って。」
「は?おまえまさか、いや、まあいい。『ステータス』って心の中で唱えてみろ」
「おお!なんやこれええ!」
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名前: アラモード
LV: 25
職業: 暗殺者
スキル: 短剣術12 隠密7 気配察知7 身体強化1
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「ゲームみたいやなあ」
「げーむ?まあいい、それを浮かべたままこの水晶に触れろ」
アラモードが水晶に触れると一枚のカードが現れた。
「これが身分証だ。大事に使えよ」
「ああ。ありがとなおっちゃん!」
「はあ、俺のことおっちゃんなんて呼ぶのお前くらいだぞ。一応裏では恐れられてるはずなんだけどなあ。俺の名前はギルテだ。」
「俺はアラモード。これからもよろしくな。なんか紹介してもらえれば暗殺やらなんやらやるぞ!まあこの街におらんかったらやらんし、今金あるからめんどいけどな」
「はあ、まあお願いするかもな。」
いろいろお願いします!