転移編1
初投稿です。よろしくお願いします
ふと目を覚ますと、森の中だった。
「なんじゃこりゃ」
そう一人でに呟きながら、頭をかく。
「記憶がない、今まで何してたっけなー」
男は記憶を一つ一つ思い出していく。昨日の事はしっかり覚えている。
「昨日は確か、赤道って本当に赤いのか確かめに行こうと思って身支度してたら、それを中村に邪魔されて不貞寝したんだったなあ。そっから記憶ねえなあ」
まあそんなこと今はいいか。と呟きながら周りを見渡すが一面森である。男はおもむろに歩き出し、落ちていた木の棒を拾うと、手と地面で木の棒を挟み、落とす。棒はあからさまに深い森の方へ向いている。
「ほんじゃ、こっち行きますかあ」
男は歩き出した。
〜ステイサムside〜
「おいおまえら気を引き締めろよ」
「あたりまえだろ」ランディが答える。
この森は魔の森と呼ばれる森で深層行けば行くほど魔物が強くなる森である。ステイサムら4人はAランク冒険者であり、教会から、膨大な魔力の奔流を魔の森から感じたため調査してほしいという依頼をうけて調査に来ていた。
「つってもエミリー、お前魔力の奔流なんて感じたか?」
「いや、特には感じなかったわ。仮に私がたまたま感じ損ねたのだとしても、そんなに大きい魔力ならば、冒険者どころか一般の方も騒ぐはずだけれどね。そんな騒がなかったわ。」
「うーん、なんかきなくせえなあ。つーかこれ以上深く行くといつ竜種が出てきてもおかしくねえんだよなあ、、、、ってほらなあ」
「ステイサムがフラグ立てるから出てきたじゃねえかよ、劣地竜かあ。ジョン頼めるか?」ランディはめんどくさそうだ。
「まかせろ」
ジョンは背中の2メートルはあるハンマーを取り出し、駆ける。劣地竜も5メートル程度はある巨大であるが、威圧感はハンマーと、ハンマーを持つ偉丈夫に負けている。
「ガアアアアアアアアアアアア!!」
脳天にハンマーを撃ち込まれた劣地竜は吠え、そのまま沈んだ。
「地竜じゃないだけましかあ。それに一体だけかよ張り合いがねえ」
「もうフラグは立てないでくれよステイサム」
「へいへい」
そこから4時間近く調査を行なったが、普段の魔の森となんら違いはない。
「まあ異常なしってことでいいんじゃねえか?今日はこんくらいにしとこうや」
ステイサムがそういうと皆頷く。
「俺が後方注意しながら行くからお前らは楽にしておけ。帰るぞー」
「何?今日は優しいじゃないの。めずらしい。」
「うるせえよエミリー。」
「どうせあんたのことだから、今回の依頼の報酬で高級娼館にでも行こうとしてんでしょ。だから上機嫌。」
「ふふ、ばれてたか!今日こそはエリザベスちゃんを落とすだよ!やってやる!」
「はあ」
パーティメンバー皆あきれ顔であるが、疲れている中背中を任せられるのは素直に嬉しいのでステイサムに頼むことにした。
「そういえばジョンはそのハンマーそろそろ替え時なんじゃないかしら?」
「そうか?確かになあ。もう軸もブレブレだしそろそろ変えるか。長い間こいつには世話になった」
「私の杖もついでに買い換えてくれないかしら」
「なんでお前のも買わないといけないんだよ!?」
「あはは、いいじゃない。あんたはステイサムと違って金貯めてるんでしょ?」
「まあなあ。だがそれは老後のためであって、お前のためじゃねえ」
「ふーん、残念だわあところでステイサムあなた静かねえ」
そういってエミリーが振り返るとそこにはステイサムとランディの姿はなかった。
むずいなあ