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天と地、神秘の島
その世界は、北半球は完全に海洋だけ存在しており、陸塊がその北極点上に綺麗に真円を置いている。そして、南半球は陸塊であり、自然的要害がまるでない。軍隊を阻む大河も山岳も森林とか湿地とか氷河とかない。ただただ平和である。確かに森林とかはあるが、軍を阻むような自然的要害になりうるものは本当に一切なかった。ゆえに、その南半球は【世界統一】がいつ起きてもおかしくないのである。
「・・・・。この北極国だが・・・。」
「説明いる?」
少年は説明する。
どうやら、やはり軍事力はほぼ皆無と言っていいらしく、かといって、【油田を独占】してしまっている。他の大国に占拠されるのでは?と思うのだが、今のところされてはいないようだ。案の定、中立国である。そして、それでいて100万人が住む都市国家である。たかだか10平方キロメートルの都市に。中世世界とは言ったが、現代社会のそれに相当するように魔法魔術の類かで建造物が構築されているようだ。
油田、すなわち海上油田。その独占。南半球の沿岸を有する大国ならすぐにでもこの北極島を支配するはずだが・・・・。