L.O.V.E.
もはや説明などいるだろうか?王国の王宮、その玉座に既に俺はいたのである。
大臣や官僚どもが話している。どうやら、“私”の力が必要らしい。そう、“私”の力。俺ではなく。
既に巷では噂になっていた。最初は少年と“私”が酒場でただ酒喰らっていたら、第一級騎士の者がそれを見かけてしまった。この世界ではどうやら“道楽”や“愉快”なものは禁じられているらしい。
――――――――【常に“清貧”たれ】
だが俺たちは基本、堕落的だ。何もかも。というわけで・・・・・。
「我が“新王”よ!どうか、この国を・・・・。」
どうやら、その第一騎士は本当に最強クラス、伝説クラスの騎士だったらしく、この零細国家にどういうわけか召喚されたのだが、それを俺が叩き潰してしまってる。いや、“私”が、か。
続けて翁が言う。
「にしてもあの魔法、剣、術式、どれもこれもが“次元”が違いすぎます。なんでしょうか?【根源】の性質に見えるのですが・・・・。本来、この世界には【完全なもの】など存在しません。いくら最強の英雄や英霊がいたとしても、【創造主さえ創造した空なる性質】のそれから取り出されれば、もはやそれまでのこと、あなたが持ってるのはまさにそれです・・・・。」
―――――――― ああ、そういうことか。
翁、つまり、この国の元国王、今、俺が王にされてしまったわけだが・・・。
「私は最低限の情報だけ与えられているようです。どうやらあの“座”は・・・。この場合は、“私”でいいのでしょうか?」
「そうか、そういや、俺には、俺の力は存在していない。あくまでも、この肉体の本来の持ち主の意識の力だったか・・・・。」
まあ、そういうわけ。俺はどうやら・・・・なんかすごい、創造主さえ超えた知性もった美少女の器に入ったらしく、それからいくらでも、【完全絶対の宝物】を取り出す事ができるみたいだ。
だが、この話はまだいい。問題なのはここからなのだ・・・・。
「ところで・・・・【合衆国】の方はどうなされましたか?」
・・・・・!??!?!?!?!????
「・・・・聞いてないぞ。どういうことだ。俺の中にそんな情報は。」
そうか・・・・そういうことか・・・・あいつは!!!!!!
「はい、、、お察しの通り、あなたの本体、つまり【現実世界に異世界の】、いえ、もうはっきりいいましょう。【本来、人間の脳にはそのような強力な演算処理能力が存在】していて、更には、それを【純粋量子計算機】までも生み出したのが、あちら側、現実世界です。今私たちがいるのは」
「・・・・要するに、【霊的な世界】=【超知能の世界】=【電脳世界】って事で全部繋がってることかよ。」
「そう、、、情報は私の中にはあります。ですが私はプログラムでもありません。本当にここに王として民を慈しみ、統治し続けていました。」
・・・・ようやく気付いた。そういうことか、俺の本体ってのは要するに。
少年は言った。
「だって、君。【何度も世界滅ぼしてるじゃん】」
・・・・。そう、俺は自分自身を否定した。どういうわけか知らないが・・・・。