3話 ちゅーとりある
チュートリアルにつき、ギャグ成分少なめです(いつものこと)
「……さて、一通りの説明はしたので少し休憩しましょうか。」
聖剣の女神シアンに会って数時間、俺は長々とチュートリアルを聞いていた。
ざっくり要約すると、この体は機械の能力が備わっているということ、攻撃を二発受けたら確定で死ぬこと、貧弱で重いものや防具が持てないことを説明された。
「技や戦闘技術はまた説明書が届いてないので説明ができないですが、他に聞きたいことはありますか?」
「二発で死ぬってどういうことだ?」
「文字通りです。星が破壊される程の威力の技を受けても一発なら耐えますが、一発受けた後に攻撃を受けたらどんな弱い攻撃でも死ぬということらしいです。」
「……いまいち理解が出来ない」
「じゃあ実際に試してみましょう。」
シアンは剣に変身(変形?)し、なにやら力を溜め始めた。
「私も封印から解けたばかりなので、そこまで力が出ないですが、一応全力でいきますね。」
そしてシアンが空間を裂いた。
痛みが一直線にやってきたが、俺の体は残っている。
「……何が起きた?」
「後ろを見てみて。」
見ると、白い円柱の塔に綺麗な切れ込みが入っていた。切れ込みより上が30cmくらい右に平行移動している。
「ヤバ……」
というかあの神殿画用紙説があるぞ……。
「これで一発は耐えることが証明できたわね。」
少女の姿になったシアンが寄ってきた。そして、
「えいっ!」
年相応の可愛らしいチョップを受けて俺は死んだ。
「ね。これでわかったでしょ?」
「あ、ああ。」
冥界。もう慣れた。
「あ、ついでに冥界の説明もしておくね。」
省略。
要はここは死人(ただし担当の女神の管轄内のみ)がくるパーソナルスペースで、他の死人との干渉は自由、普通は戻ることができない、なんか偉い人がいるということらしい。
「あと、私のパネルも出しておきます。」
シアンは空中に手をかざし、パネルを出した。
「それの正式名称ってやっぱりパネルなのか?」
「さあ? 」
[はじめまして。]
ご丁寧に挨拶してくれた。
「以降この冥界でのマスターの世話は多分このパネルがやってくれます。」
[えっ……嫌ですけど]
「ちょっ……話が違う!」
……無機物(?)と無機物(?)が喧嘩してる。
[まあ、わかりました。転送すればいいんですね。]
「エノの町にお願いね。」
[人遣いが荒い……]
……人なのか?
「と、いうわけで町に着いたわ。」
「展開はえーな。そしてなんでスライムがもう到着してるんだ……」
さっきのスライムが足元でピョコピョコと跳び跳ねている。
冥界にはいなかったのに……
「さ、ギルドに行くわよ。」
「無視かよ」
というわけでちゅーとりあるでした。
シアンの説明は凄く分かりにくかったみたいですね。
まあ、次はギルド回になると思うんですが……多分カオスなので(いつものこと)ご了承を。
次回[ラーメン道場]