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本当の悪魔


「私はこの世界について色々と調べたわ。その中でどうにも腑に落ちないことがあった。それは魔法という不確かなモノがあるからこその疑問と言ってもいい。それはパワーバランス」

 

 ――パワーバランス? 誰かが疑問を述べたが真緒はそのまま言葉を続けた。時間のなさから若干の焦りがある。


「亜人族は質量、つまりは数の力が秀でている。精霊族は魔法の力、海人族は絆、魔人族は力、地底人は武力、では人族は何に秀でているのかしら? 私の疑問はそこから始まったわ。他種族と比べて人族は誇れるものが少ない。数も魔法も、絆も、力も、武力も全てが劣っている。本来ならばいの一番に他種族に攻められる種族。そうじゃないですか、宰相?」


 真緒が質問したのはバラビットである。彼は形容し難い表情で固まっている。


「嬢ちゃん。そりゃあんまりだよ。人族を守る為に俺ら騎士団がいるんじゃないか」


「では何故、勇者召喚なる儀式が必要だったのでしょうか?」


「そ、そりゃあ、魔人族が、悪魔を呼び出して、世界に混乱を――」


 その魔人族は人族が作り出したという矛盾にマグタスの言葉が詰まる。真緒は視線を切り魔人族を見つめる。


「そもそも他種族に比べて人族は豊かな土地を有していると宰相から聞かされました。ここで先ず一つの疑問です。どうして豊かな土地を他種族は放っておいているのか? 私の世界では土地の奪い合いで多くの戦争を繰り広げてきました。この世界でもそれは当てはまっている。他種族同士で多くの戦争が繰り広げられてきた。そこでさらに疑問がでてくる他種族よりも力の面で劣る人族はどうして豊かな領土を持ち続けているのか?」


「貴様! その口振りは我らの種族をバカにしているぞ! いくら勇者一行といえど——」真緒の言葉に宰相が野次を飛ばすが、誰にも届いていない。


「ここからは私の空想。そもそも戦争そのものが人族が引き起こしているのではないか?」


 ――ヒッと宰相の喉がなる。先ほどまで勢いよく野次を飛ばしていた姿とは思えない。


「この世界の黒幕は人族である。そうすれば全ての辻褄が合う。人族が戦争を仕掛ける理由は領土を守る以外にもある」


「——人身売買と武器の量産による国の資源確保」


「ありがとうハンクォーさん。その点は私にもわからなかったから助かるわ」 


 ハンクォーは口を紡ぐ。世界最高峰の奴隷商と言われている者は人族の男である。名はコウレツというがこの場では関係のないことだ。


「戦争をすればするだけ人族は潤っていく。ならば止められないのは当然。でも種族同士の争いにも限界が近づいていく、世界平和を唱える人物も現れた。彼女は人族と亜人族の混じり子であるにも関わらず多くの賛同を集めた。そうなると人族は面白くない。何百年と続いた戦争を止めれば、資金調達の線が絶たれてしまう。これまでの贅沢を捨てるわけにはいかない。そこで始まったのが、この世界以外の人の召喚。これこそが魔法という不確かなものの厄介なところね」


 真緒が呼吸を繰り返す。熱まででてきた早く眠りたいが、これを伝えて皆が生きる可能性を少しでも上げなければならない。汗を拭い。再度紡いでいく。


「人族が導き出した回答は一つ。絶対的な悪による世界の統治。それを裏から操り、さも被害者の一面でこれまで通り、人身売買と武器の量産による国の資源確保で潤沢に暮らすこと。同じ世界でそれらに適した種族はいない。ならば作れば良いだけだ。魔法を使って悪の存在を! そして始まったのが異世界から呼び寄せる方法。古代の文献に載っていたのでしょう。宰相? 私達が転移した初日に仰っていたことですよ? 無事に異世界人を召喚できた時、嬉しい誤算があった。異世界人のステータスが高いこと。これを上手く利用する手はない。果たして今の魔人族という種族が誕生するまでにどれだけの命を費やしてきたのか? 考えただけでも腹立たしいわ。もちろんイレギュラーもあったと思うけど、そうなった時はどうしていたんですか宰相?」」


 ――宰相はもう一度喉を鳴らす。真緒の質問には答える気配が無い。


「容姿が人でない者はどこかに閉じ込めておく、とか? まぁこれは本当に空想にすぎるわ。ともかく、人族は大量の犠牲の元に魔人族を作り上げた。目前にいる魔人族も元をたどれば私たちと同じ異世界人であるのは間違いないわ。虹の魔女の行動がそうだもの。あぁ! そう仮説はもう一つあるわ。虹の魔女が生きていたのは何千年も前、なのに目の前で存在している。きっと体と心はバラバラな筈よ。新たな種族を作り出すことができる技術があれば、亡くなった虹の魔女の体を媒体に復元、そこに召喚した人の心を埋め込む、といった表現がいいのかしら? ともかく目の前の魔人族はそうして作られた存在」

 

 ――誰かが反論しようとするが、真緒はそれを許さない。


「もちろん今いる全ての魔人族が人族に作られた存在であるとは言わないわ。長い歴史をかけて魔人族同士の交配によって、本当の種族として成り立ったことは想像に難く無いわ。さて、ここでまだ登場していない存在があるわ。それは悪魔。魔人族が悪魔を召喚してこの世界を滅亡に向かわせていると私たちは聞かされたわ。大量のエネルギーを使用して悪魔を呼び寄せた。でも魔人族は人族が作り出した存在。それを根幹に考えると魔人族が悪魔を呼び寄せるというのは考え難い。つまり悪魔を召喚したのは人族である可能性が高い」


 ――悪魔という言葉に勇者一行は馴染みがない。世界の歴史文献を漁っていた真緒だからたどり着いた道筋である。


「なんというデタラメな話だ! マグタス団長早くこの女を捕らえよ。お前の話は人族が全ての悪と言っているようなものだ――」


「えぇ。そう言っているのよ! 悪魔を召喚した理由は大方新しい刺激を世界に与える為、とかそんなことでしょうね? 結局は自分の贅にしか興味のないあなた達の心の方がよっぽど悪よ!」

 

 その迫力に皆が黙る。だが限界は近い。体制を崩し、膝を付く、仲間達が支えに向かうが手を突き出しそれを拒む。


「悪魔の下に魔人族をつければ、あとは魔王といったところかしら? どこまでも三流伝記の設定だわ。それに翻弄されるあなたもね、虹の魔女。いえ、心はもと同じ人間だものね。チグハグな可愛そうな、ひ、と――あなたは青峰くんに言ったわ、魔人族になって世界を救ってもらうと、それは違うわ世界じゃなくて、あなた自身が救われたいだけよ」


 ――あなたになにが分かるの――。言葉は誰にも届かず地に落ちる。


 真緒の限界が近い、いや限界はとうに超えている。今までで一番強烈な眠気である。戦えない自分がやれることは全ての真実を明らかにし、仲間達の生存確率を少しでも上げることだ。

 その為なら、例え一ヶ月眠ろうが、一年眠ろうがどうってことはない。

 

「虹に魔女が人族に従う理由は、分からない。そこまでを推察するには情報が少ない。予想をするならば人質。」


 オフィールが真っ直ぐに真緒を見る。その目には窺い知れない感情の渦がある。真緒は半分閉じかけた目を強引に開く。


「同じ魔人族の女の子を、別の名で呼んだだけの乱暴な推理だったけど、少しは近かったかしら?」

 

 真緒はふらつきながらもウルテアを見る。

 オフィールは答えない。だがわずかに瞳が揺れる。オフィールの視線の端にウルテアとレットの姿があったが、気付くものは誰もいない。

 そして真緒は最後の力を振り絞り時系列順に語り出す。


 人族は種族間で戦争を起こさせ潤沢な資金を得ていたこと。

 戦争をすればするほど儲かり、贅沢な暮らしから抜け出せなくなる。世界では戦争反対を掲げる運動が起きる。

 戦争が終われば、自分たちの暮らしが脅かされる、であるならば絶対的な悪の存在を作り、戦争を継続させればよい。

 そこで古代の文献の秘術を使い、異世界の住人をこの世界に呼び出す。呼び出した者達を騙し、人としての尊厳を奪い、改造し魔人族を作り出す。

 魔人族となったもと異世界人達を従わせる為に、あえて魔人族に改造せず、人の姿のままの者達を人質として魔人族を使い続けた。

 世界は魔人族に恐怖した。人族は各種族で争うように常に背後で操り戦争を引き起こした。

 だがそれだけでは飽き足らず、悪魔を召喚してさらなる混沌を招こうとしたが、上手くいかなかった。悪魔は想像以上の癖者であった。願いを聞くことはない、それよりも自分の楽しいと思うことをやる厄介な連中。関しの為に魔人族を常につけさせていた。

 これではより多くの戦争を引き起こせない。であるならば魔人族よりも悪魔よりもさらなる悪を、魔王という存在を作ればいいだけだ。

 やり方は簡単である。また異世界から召喚すればいいだけだ。何千年と繰り返してきた手法である。

 

「魔王候補の第一号の召喚者が私たちって、わけ、よ――」


「黙れ黙れ黙れ!! なにも知らぬ小娘が知ったような口をきくな! 戦争をしなければとっくに人族は滅びていた! 数では亜人族に負け、知略では精霊族に負ける。戦闘では地底人の足元にも及ばない。海人族のように自由な資源もなければ自由も無い。お前達は黙って次の勇者を呼ぶ為の礎になっておればよいのだ!」 


 宰相の激昂であった。真実を言い当てられた者が苦し紛れに逆上するのはよくあること。

 それでもあまりにも単純に引っかかったものである。必死に生きるという選択を捨て、怠惰を選んだ男らしい愚かな発言。その姿はまるで――。


「あなたは人の皮を被った悪魔ね」


「黙れ小娘! だいたい――」


 真緒へと反論を試みたが、多くの咎める目が自身に向けられたことに宰相はおののいてしまう。

 マグタスが、ハンクォーが、美桜が、樹が、真琴が、翔が、アスカが、寛二が、あの斗真でさえ今にも宰相に襲い掛かりそうな迫力であった。


「お、お前らがきている服、鎧、その握る武器は全部戦争で稼いだ利益からだ! 食べ物も、寝るためのベッドも全てがそうだ! お前らだってこれまで死んでいった転移者の恩恵に縋っているんだ!」


「だからって関係ないやつを犠牲にしていいのかよ!」


「貴様らが家畜を食うそれと、私らのやり方は何も変わらなん!」


 樹の言葉に宰相が返す。


「レイ姫。きみは知っていたのかい?」


「斗真様、わ、私は――詳しくは知りませんでした! 本当です。信じてください! ただ、その、人族が、裏で何か怪しい事をしているのではないか、とは、思っていました——でも私は——」


 訴えるような瞳を受けても斗真の心は揺れることはない。――そうですか。と淡々と返答をした。

 レイ姫の返答がある意味でもっとも愚かな応えなのかもしれない。


「俺たちが呼ばれたのは戦争の道具になるためかよ、ってかさっきから宰相ばっか喋ってっけどよ! なんで黙ってるんだよ国王! あんたがこの国で一番偉いんだろうが、全部あんたの指示なのかよ!」


 翔を始めとした皆が同じような質問をした。その中にはマグタスやハンクォーの声もあった。


「待たれよ勇者達よ! 儂もあまりの事に驚いている! バラビットよ、今語った話は本当なのか?」


 国王がようやく立ち上がる。王は全く聞き覚えのない話に頭が混乱している。

 一番の腹心に裏切られたことで王の足は震えている。この話が事実ならば真に罰せられるのは人族であるからだ。


「バラビットよ――」


「王よ。貴様の良いところは無能であったことだ。だから今まで王でいられたのだ。都合の良い玩具であればまだ生きられたものの」


「な、なんと、バラビット、お主――」


 王は言葉を失い、足を縺れさせる。そのまま後ろに倒れそうになる王を王妃が支える。

 明かされた真相、異世界転移とこの世界の真実は欲にまみれた人間の姿であった。


「虹の魔女。あなた、宰相に逆らえないんでしょ? たぶん、それは催眠とか、洗脳の、いえもっと高度な脳へのすり込みの影響。お願い、もう、こんな奴のいいなりに――」


 ついに限界を迎えた真緒は意識を手放し倒れてしまう。すぐに駆けつける仲間達。美桜が抱きとめ「真緒ちゃん!」と叫ぶとすぅーすぅーと可愛らしい寝息が聞こえてきた。

 一同は安堵するが、どれほど無理をしたのかがよく分かる。時を戻した反動で睡眠をとることは今まで何度もあった。だが、それは敵を殲滅してから眠りに入るという真緒なりのルールがあった。

 それが今、敵を目の前に堂々と眠ってしまった。慎重な真緒からは考えられない行為である。それほど、逼迫した状況であることが改めて皆が感じた。

 

「あっ! ボクもそろそろ限界だ。キミ達、真緒の努力を無駄にしないようにね」


 時の使い魔である三毛猫の精霊も、ぼんやりと姿が半透明になり、やがて背景と馴染み消えていく。

 コッコちゃんが消えたことで魔人族の拘束が解かれた。直ぐにでも殺し合いが始まってもよい状態となったが、今はただ静寂な時間が流れている。


「オフィール。いつものようにヤれ。これは命令だ」


 沈黙を破ったのは宰相。

 そのヤれという言葉には意味は、この場にいる皆を皆殺しにしろ。という命令である。


「バラビット! 貴様いい加減に――」


 宰相にこれ以上好きにはさせまいと王が動く、その贅で膨れ上がった体を揺らし、支える王妃の手を払い退けバラビットに迫る。

 無能と言われた王である。その体を見ればいかに贅沢な暮らしをしてきたのかが分かる。纏う衣服も誰よりも豪華である。それは宰相が、否、宰相だけではない人族の長い歴史が世界に戦争という厄災を振り撒き続けた結果の集合体といえる。

 だが、人の心が無いわけではない。突きつけられた真実に王の正義感が応えた。宰相に詰めより胸ぐらを掴む。恫喝するが相手は人間の皮を被った悪魔である。王の正論など耳にはいらぬのは当然といえた。


「オフィール。こいつを殺せ」


「バラビ――ット?」


 それが王の最後の言葉であった。王の頭部は不気味に光る七色の空をくるりくるりと舞い地面に落ちる。

 肥太ったった体は倒れ、人族の最高権力者の死はあまりにも突然出会った。


「お、お父様!」


「安心しなさいレイ姫。直ぐに会えますよ。あの世でだがね」


 宰相はケタケタと笑い、レイ姫と王妃を殺すようにオフィールに命令を下す。


「いや待てよ。贅を尽くした体だ、殺す前に一度味見をせんといかんか? オフィールこいつらを全員拘束しろ。私は戻って王の代理でも探してくる。その間に終わらせておけ、ほれ、サッサとこのふざけた場所から私を出せ」


 レイ姫を下から上へと嬲るように視線を送った宰相、オフィールへと催促するように攻め立てる。

 オフィールは無言である、コッコちゃんの拘束が無い今、言葉を紡げるはずだが発せようとせず無言であり、淡々と、それこそ作業のように宰相の命令に従いだす。

 レイ姫と王妃を守る為に、勇者一行は身構える。虹の魔女からは剥き出しの敵意が発生された時であった。


「待て。オフィール」


 オフィールが一歩足を前に出そうとした時、レットがそれを止めた。

 今まで黙していた戦士は先ほどの会話中、ずっと眉根を寄せてオフィールを見据えていた。長い時間を共にしていたからこそ分かるものがある。


「オフィール。どうして我らに気を遣う。そこの人族の男が、お前の弱みでも握っているのなら、私が排除してやろうか?」


「レット――あなた、今の話を聞いていても、何とも思わないの? 自分の存在のあり方に疑問がないの? 強者と戦えればそれでいいと言うの?」


 ――む。とレットは少し考えを巡らせるが答えは直ぐに出た。


「何とも思わないわけではない。私が別の世界からきた者であり、そこな勇者一行のように良いように使われ、用済みとなったら魔人族に姿を変えられ、今の私がいる」


 オフィールが肯き、下を向きかけた時。力強いレットの言葉でその動きが止まる。


「――だが、それがどうした。今、この瞬間がなにようりも大事である。この瞬間こそが私を私として証明しているのだ! それ以外は全て些事である。お主もそうであろうオフィールよ。己を見失うな。答えはいつも自分自身しか持っていない。我がどのような存在かなどどうでもいい、お主と共にこれからも強者と戦うまでだ、まぁ、その旅のついでにウルテアあたりも同行させてやるさ」


「レット、あなたは―― 」

 

 その先の言葉は下を向いた為、誰にも届くことはなかった。オフィールの口から「あなたはいつも変わらないわ」との言葉が漏れた。


「オフィール殿。私もいることをお忘れなく。私もレット殿と同意見ですよ。といっても私自身はレヴィ様の剣であり盾であることに何の不満もありませんがね。ってあれ? 無視ですか?」

 

 ソネットも自身の存在よりも仕える者の側にいることを優先としていた。オフィールは視線をそらして口元に笑みを称える。

 視界の端には、倒れるウルテアが可愛らしい寝息を立てる姿が想像でき微笑んだ。その顔はまるで呪いが解かれたような清々しい表情であった。


「宰相。あなたの命令には従えないわ。どうしてこんな単純なことを忘れていたのかしら。一番大事なものは近くにあるということだったようね」


 オフィールの回答を聞いた宰相は口をアングリと開ける。煩わしそうにため息を吐き出すと。「あぁ、そうか」と呟きオフィールに侮蔑の視線を送る。


「お前の体と脳も実験続きでとうとうバカになったようだ。前にもあったがいよいよダメか。欠陥品は所詮は欠陥品。まぁ変わりはいくらでもおる――やりなさい」


 宰相の言葉はそのまま真緒の予想通り。実験という言葉で全ての説明がつけられる。

 力の差は歴然であるオフィールが指を鳴らせば、先ほどの王の様に簡単に死が訪れるだろう、だが宰相は全く臆しておらず。それどころかオフィールを欠陥品呼ばわりした、そして最後の言葉は誰に対してなのか?


「――やりなさい」


 宰相はそれだけを言い終えると、興味なさそうにオフィールに背を向ける。

 まるで呪いが解けた心持ちとなったオフィール。直ぐ様宰相を殺す為に動く――が、それよりも早く動いたものがいた。


 腕を掲げた瞬間にオフィールは大量に吐血をした。

 腹部に違和感を覚え視線を下げると自らの腹から腕が生えていた。 再度血を吐くオフィールはゆっくりと後ろを向く。


「け、彗?」


「ごめんねオフィールさん。でもこっちの方が面白いからさ」


 まるで子供の悪戯のように彗の顔は期待で興奮していた。

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