47.修行
目の前で標的が爆発した。
射撃場のボードが燃えやすい材質のものではないのに、炎に包まれる。射撃場の灰色のコンクリートの壁に、炎の赤の光が照り映える。
炎の熱さが司と間宮の立っているところまで感じられるほどだった。
司は、間宮に新しい武器が出来たと言われて、射撃場で試しうちをしていた。
今日は射撃場に間宮と司のほか誰も見えない。
「小型のグレネードランチャーです。着弾したと同時に爆発する。これでなら今回のような化け物のような敵でもダメージを与えられるのではないかと」
間宮が表情を全く動かさず、無感動に告げる。
司は手にした大型銃の破壊力に唖然とする。
さすがに弾が当たったときに爆発するとなると、拳銃のように小型とはいかないらしい。手にずっしりと重さが伝わる。重さは、ぎりぎり携帯できなくもないといったところか。
「う、うん。すごいね。すごいけど、これって、家の中で使ったりしたら危ないよね」
「一条院家は建物が丈夫ですから大丈夫です」
間宮が平静に受け流すのを聞いて、司は引き気味になる。
でも、自分もシャンデリアを爆発させていた事を思い出して何も言えないと諦めた。確かに火事にはならなかったし、次の日には完全に修復されていた。
「そう。なら、大丈夫……なのかな……?」
司は段々自分の常識が壊れてきているのを感じていた。
「できる限り私が攻撃しますから、安心してください。本来なら司様に武器は持たせたくなかった」
躊躇うような司の態度を素早く察して、間宮がグレネードランチャーを取り上げようとする。
司の護衛長であり、家族であると自負する間宮は、本当は司に何もさせたくはないのだろう。
「いや、ううん。僕が雪ちゃんを守るための手段が欲しいんだ。新しい武器ありがとう」
慌てて司は間宮の手を避けて、長いパーカーの下に隠れている拳銃ホルダーに無造作に銃を突っ込んだ。




