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お姫様が創造  作者: ひとみんみん


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41.間宮へ相談

「そんな事言われても……」

 自分より大人である人間に敬語を使わないで喋れないと考える小心者の司は、そんな間宮の態度に詰まる。助けを求めるように周囲を見たが、間宮と同意見らしく何かを期待するような目で見返された。

 司はかなり躊躇い、緊張で唾を二三度飲んでから渋々と口を開く。

「間宮さん、落ち着いて。相手は間宮さんの銃で撃たれても動けるような人だったんだから仕方ない。さっき言ったように、僕がちょっと相手を倒す為に考えた事があります……あるので、それに対して間宮さんも力になって欲しいし。間宮さんを頼りにしていま……頼りにしてるから」

 果たして銃弾を喰らっても尚動ける人物を、普通に人といって良いのか苦しむ司だった。

 大人に向かって友達に話すような口調で喋る司に、間宮と護衛隊の人たちは、それが自然であるような態度を取った。

 その為、司は前々から間宮に対して、今のように喋っていたかのような錯覚を覚える。更には不思議な事に、司は間宮と前からずっと一緒であったような気もする。昔話にも覚えがあるような、そんな錯覚すらしていた。

 司の言葉に、さっきまで泣きそうな顔をしていた間宮が、二十代半ば年相応の若々しい笑顔になる。

「はい。そういった事でしたら喜んで」

 司は、その初めて見たはずの笑顔にも強烈な既見感を感じていた。



「あのさ、……突拍子も無い話するけど、良いです……良いかな?」

「はい、何でしょうか」

 先ほどの間宮のキャラが崩れる騒動の後、無事に司は間宮の協力を取り付け、射撃を習っていた。

 間宮は無事に、実年齢よりも十歳は老けて見える冷静沈着な表情に戻っている。

 司がいくら注意深く見ていても、あの笑顔の後は表情筋を全くといって良いほど動かさないのが不思議だった。

 今は、間宮が練習しすぎるのも良くないと言った為、射撃場にある大きな木製のテーブルにお茶の支度を広げ休憩中だった。

 司を護衛する黒い犬達は、足元の方で、与えられた餌を夢中で食べている。

「本当に突拍子も無い話だから、冗談半分で聞いてくれるとありがたいんだけど……。僕の知り合いが、えっと、超能力? みたいな力を持っていて、その力で好き勝手に色々なものを作り出せるんだ。物とか建物とか人とか……」

 司は、事態があまりにも大きくなってきている為、すぐ近くに居る大人の間宮に相談しようとした。

 だが、口に出すとやっぱり荒唐無稽な話に思えて、口調がたどたどしくなる。

 しかし、間宮はこれ以上ないほど冷静な顔をして真剣な目で司の話に耳を傾けている。

 司はそんな間宮の様子に安心して、今度は滑らかに言葉を続けた。

「それで、綺麗で強くてその力を持っている為に生まれる義務の為に、変な男たちに追われているんだ。そういう場合、その男達を攻撃するのとその知り合いを守るの以外に、どんな解決策があると思う?」

「それは、雪様の事でしょうか?」

 司に九年仕えているというだけあって、あっさりと司の話を受け入れ質問を返す。

 司は、一瞬躊躇ったが自分だけで解決できる問題ではないと思い、紅茶を一口飲んでから小さく頭を縦に振った。

「……そうですね。その義務つまり『生贄』という事ですね、それ自体の効力を消す方法はないかと考えますが。『生贄』は美しく強く特殊な力を持っていなくてはならない……とは……裏を返せば、美しくもなく弱く力もなければ、『生贄』ではない……と、他には何か手がかりは?」

 『生贄』の効力を消す。

 ……そういう考えは思いつかなかったと、司は思う。そう考えると、こんなに今、男達が必死になって雪を追いかけているのは、何か訳があるとも推察できた。 少なくとも、雪は子供の頃は両親と幸せに暮らしていたのだ。

「あ、後、なるべく僕は殺したくないって言ってた。『生贄』を生み出す鍵となる存在が僕だって」

 その言葉を聞いて、間宮は盛大に引きつった顔をした。

「では、殺す事も考えてはいるという事ですね……。しかし、鍵とは? 司様も何かそのような特殊な力をお持ちでいらっしゃるのですか?」

「それが、その、うん、僕も一応。雪ちゃんが作り出したものを消す力を持ってる」

「そうですか……」

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