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お姫様が創造  作者: ひとみんみん


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17/64

17.作られた人って

まさか、そんな大事に関わっているはずはないと信じたかった。

「話さなきゃダメ?」

「ダメ」

 雪に、司の鋭い視線が向けられる。

 司の徹底追及を決意したような断固とした態度に、雪は溜息を吐く。朝のように説明を昼に伸ばすといった時間稼ぎも通用しないと思ったのだろうか。

基本的にお人よしな司は、自分に関しては大抵気弱で周囲に流されるが、人の事となると別人かのように思えるほど意思が強かった。

「……分かった……、分かりました。言えば良いんでしょ。だけど、……司に嫌われちゃうんじゃないかと……」

 さっきまでの勢いが嘘のように、雪が力なく俯く。

そんな事を気にする風には見えない我侭放題の美少女だったが、お人よしの少年に軽蔑されるのは嫌だったらしい。

「答え次第……、と言いたい所だけど、どんな事があっても雪ちゃんの事嫌いになんてなれないよ。だから教えてくれないか」

 突然現れて、自分の心を瞬く間に奪っていった美しく強い少女を、どうやっても嫌いになれるはずがない、と司は胸に鈍い痛みを覚えた。

 言いかけてやめて……を二回ほど繰り返してから、雪が重々しく口を開く。

「……全部よ。ミサイルも今の無能な首相もテロの首謀者になる程の悪人も、全部私が作ったの……後悔しているんだけど、消せないし」

「じゃあ、話は簡単だ。それを僕が消せば良い」

 司は軽く頷いて、あっさり結論を出す。

 てっきり怒られると思っていたのか、身構えていた雪は目を丸くした。

「え、怒らないの?」

「怒るとすれば、被害を受けた人たちが怒るべきだ。僕は、まだ具体的に被害を受けてないし、消す力を持っているんだから」

 司は、さっそく消えた場合の確認が取りやすい首相から消す事にした。

チャンネルをまだ続いている首相演説にまわす。

度重なる失敗続きの政策と、でたらめな外交、政治の事など全く分かっていないのではないかと噂されていた。

しかし、何故か首相の座を降りる事がない現首相……。

 首相は今も熱弁を振っている。

「人を消した場合はどうなるんだろう?」

 司は、消す事になる人を、目の当たりにしながら重要な事に気付いた。

自分の護衛長・間宮さんもその場で作られた人のようではなく、最初からいるような人間として動いていた。首相も女子高生に作られたことなど全然分からない。

作られた人間は、最初から居た人間と違いが見当たらない。

そう考えると、これは殺人ではないのか。

「さぁ、多分『無かった』事になるんでしょうね」

「人が『無かった』事になる……」

「あれは、人じゃないのよ。人のように見えるけど、私が親をなくして何もかも憎んでいた時に使った力の塊。皆の生活なんて私と同じように壊れてしまえば良い、と思って作ったの。……私の親も私の力の塊だった……」

 雪は、力を行使している側だからか簡単に割り切った結論を出した。

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