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お姫様が創造  作者: ひとみんみん


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16.テレビを見よう

 雪としては、せっかく確保した司という避難所を離すつもりはないようだった。

 可憐な美少女の白魚のような指が、適当にチャンネルを回す。

『……が日本時間未明、自国の経済海域にてミサイルの爆破実験を行いました。これにより、環境への懸念と……』

『……国民の皆さん、よく考えてください。今回の法の改正は、是非とも皆さんにとって必要な事なのです』

『……人種問題の解決に尽力していた・・・氏が、・・・の爆発に巻き込まれて・・・・・・その他にも多数の死傷者が……今回のテロの首謀者と考えられてい……』

『……どーもーこんばんわー。久美でーす。

 はーい、久美さん。こんばんわー。今日はまたすごいお衣装ですねー。

 はい、今日は春のスペシャルという事ではりきっちゃいましたー……』

 テーブルに突っ伏したままの司の耳に、相変わらず暗いニュースの断片と、この時間には定番である歌番組の喧騒が届く。

「私が作ったにしては、どいつもこいつも失敗作。やっぱ久美ちゃんが良い出来ね。ほーらー、司。久美ちゃんでも見て、元気出しなさい。色っぽくて可愛いでしょ」

 テレビには、最近流行だしたミニスカートのアイドルが映し出されている。その十八歳とは思えない程、色気抜群の意味ありげな艶っぽい目線が印象的であった。

 目の前にいる横暴な美少女と、顔立ちにどことなく似通った所がある。

 司はのろのろと顔を上げる。

「この人もまさか雪ちゃんが作ったの?」

「そーよ」

 自慢げに雪が頷く。

「……待って、今、どいつもこいつもって言わなかった?」

 司は、雪が口にした聞き捨てならないことに気付いてしまった。

 今、流れたのは暗いニュースと明るい歌番組。

 これは一体どういうことだろう。

「あ……、……まぁ、いいでしょ。久美ちゃんに集中してよっ」

 あまりにも不自然に、雪が明後日の方向に視線を逸らしてから、ビシッと人気アイドル久美を指差す。

「よくないよ。どういう事? まさか、今の暗いニュースの中のどれかも作ったの?」

 今の暗いニュースは、ミサイルの実験と日本の首相演説とテロだった。

どれを雪が作ったにしても大事件だ。目の前の少女には大事件を実行する力が十分ある。

 司は、きっぱりと否定されれば良いと思う。

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