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お姫様が創造  作者: ひとみんみん


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15/64

15.司の力って何だろう

 自分の家には食堂もあるのか……。

 司は、雪が自分の婚約者になってしまったという事実には、あまりショックを受けてはいなかった。

何故なら、昼に分かったように、信じがたいけれど自分は、雪の力を消す力があるからだ。

 自分の母が扉の向こうに消え、足音が遠ざかったのを確認してから、司は優雅に紅茶を飲んでいる婚約者に向かって口を開いた。

「自分には婚約者はいなかった」

「……無理ね」

 効果の程は分からないが、これで大丈夫だろうと安堵して雪の向かいに座りなおした司に、否定の言葉がかけられる。

「なんでだよ」

「多分……これは私の考えだけど、私は、私が作ったものじゃなくて、最初から私の力とは関係無しにあるものだから……かな。婚約者がいなかったという力を使うなら、多分、私を消さなくちゃならない。だけど、私は私が作り出したものじゃない。だから、私が、司をお金持ちにした力も、司はずっと否定していると思うけど、消えないでしょ。もとからある司や司の家にかけた力だからだと思うの。試に、自分の家はお金持ちじゃない、とか声に出して願ってみれば? 消えないと思うけどね」

「そ、そんな、……僕の家はお金持ちじゃなかった!」

 雪の妙に悟ったような言葉に、司は悲鳴のように叫んだ。

しかし、豪奢な自分の部屋は、あの狭苦しい六畳半の部屋には戻らなかった。

司は、自分の消す力が判明した時点で気付いても良さそうなことに、ようやく気付いたのだった。

「ね、無理でしょ。個別で私が力を使って物を作り出す時のみみたいね。そうじゃないかと思った。ま、ずっとお金持ちで良いじゃない。お金ってあっても困るものじゃないでしょ? 可愛い婚約者を守るためにも必要だしね、ふふっ」

 雪が、小悪魔というよりは悪魔の笑みを浮かべる。

 それで、話は終わったし自分の勝ち、とでもいうように雪はテーブルの上の食べかけだったチョコレートケーキをまた食べ始めた。

「夕飯はビーフシチューらしいし、あんまりおやつを食べてもだめかなぁ」

と、のんきにお腹と相談し始める始末だ。

 短い間に何回も重いショックを受け続けた司は、立ち直ることができず、テーブルの空いている所に突っ伏す。

僕は、このまま一生お金持ちのままなのか? そして、朝、突然現れた美少女が婚約者? そんなのってありなのか? いや、別に雪ちゃんが嫌いなわけでもなく、むしろ好きだけど、でもいきなり婚約者っていうのは、なんだかアレなわけで……。そもそもこんな非現実的な本の中みたいな超能力は現実的に受け入れられなくて、でもさっき僕も使ったし……。ああ、もうなんだか訳が分からなさ過ぎる。このまま力で自分を消したい!

司は答えの出ない底なしのループにはまり込んだ。

「もう男なのにウジウジと暗いわね、もっとしゃっきりしていればかっこいいのに。別に、私と司が結婚してるとかって力を使ったわけじゃないんだから良いでしょ。ほら、夕飯までテレビでも見ましょ。作戦会議は終了」

 テーブルに突っ伏したまま、ショックの重さでテーブルにめり込みそうな勢いの司を見かねて、雪が気を引き立てるように明るい声を出す。

そこら辺にあったリモコンで部屋にある大きな液晶テレビのスイッチを入れた。

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