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「いつかの遠い御伽噺」
今年、巳年が終わってしまう前に!!
というわけで蛇さんのお話です。
蛇さんが主人公なわけではありませんが。
それではどうぞ。
昔々の出来事です。
あるところに可哀想な一人の女の子がいました。彼女は生贄でした。
けれど彼女からすれば幸せです。
だってそれ以外は知らないのですから。
あるところにねむっている蛇がいました。その蛇は目覚めれば世界を呑み込みます。
だから、決して、起こしてはいけません。
けれど今じゃそんなこと、誰もそんなこと知りません。
蛇が眠っていることも。
それが目覚めないように見守るひとがいることも。
そして、それが確かにあったことだということも。
何も何も、知りはしないのです。
目を向けなければそれまで。
他愛もない、そんな御伽噺。
誤字脱字等見つけましたらよろしくお願いします。