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第五話

途中で視点が変わります。

佐東ゴールデンサービスのCEO執務室は、私の趣味であまり広くは

作られていない。

だが、来客を迎え入れるのに難儀するほどには狭くはない。

それゆえ、出資者の来訪を受けることもあった。


しかし、出資者に会うのは憂鬱である。

無論、運転資金を出してくれている相手に非礼なことをするわけには

いかない。

だが……




反運営癒着を旗印に、第二次国際連合が結成された。

今回もシュガーブルクに声はかからなかった。

シュガーブルクが運営癒着をしていることを理由にしているので

あるから、当然である。


アーネストは、直ちに癒着などしていないと反論したが、

「癒着していないならば、癒着していない証拠を示し、今回の騒動の

責任をとって、全シュガーブルクと、友好街所属者のアカウントを

削除せよ」

通告されるのみであった。

国際連合側は、加護を受けている街が手に入れば、癒着など

していようがしていまいが、関係ないのであった。

元からの住民など、邪魔でしかなく、退場させて当然と思っていた。


そもそも、癒着していると決めつけているだけで、証拠は言いがかり

レベルの状況証拠だけであり、ないものをないと証明するなと、

土台無理な話であった。

もし、仮に決定的証拠があろうとも、国連側は、運営と癒着して

改竄した結果だと、返すだけではあろうが。


 街レベルでは、戦争が避けられない情勢になっていたが、

一般プレイヤーにとっては、別であった。

所属しているだけで、アカウント削除しろなどと、要求される前例が

できたのだ。

それが実施されたら、たまったものではない。

今回は削除要求の対象にならないプレイヤー達も、次は自分達の

番かもしれないのだ。

各地で義勇軍が結成され、シュガーブルクに馳せ参じる。

その中には、大街の幹部もいたために、慌てた国連側は、準備が

整っていないのを承知で進軍開始。

元々数は、国連側の方が圧倒的に多いのだ。

多少義勇軍がシュガーブルクに追加されたところで楽勝と考えていた。


 形ばかりに、

「降伏して、犯罪者であるシュガーブルク側全プレイヤーの

アカウントを削除し、リアル財産の半分を寄付せよ」

要求を追加して余裕の態度でシュガーブルクの返答を待つ国連軍。

その時天が開き、大量の黒塗りのVRカーが現れた。

「ジョヤリングコーポレーションの通報により、VR恐喝の捜査を

只今から開始いたします。この場を動いたり、ログアウトされた方は、

直ちに身柄を拘束いたしますので、ご注意ください」



 国連側は、調子に乗りすぎた。

アカウント削除までは、ゲーム内のこととして黙認せざるを得なかった

運営側ではあるが、リアル財産を要求するのは、恐喝である。

運営であるジョヤリングコーボレーションより、VRポリスに通報され、

今回の事態となったのであった。

運営としては、スキャンダルになることを避けたかったが、

いくらなんでも一部プレイヤーの言動に目をつぶるわけには

いかなかったのである。


 今回のことで、黄昏のガンプは、(シャバへの)ログアウト不能な

(社会的)デスゲームと呼ばれるようになったのであった。

これだけの騒動ともなると、国連側プレイヤーのみへの影響だけでは済まなくなっていた。

例えば………




 私は、出資者が来るのを待っていた。

ただ、待っていた。

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