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第0話

 世界は、VR技術により一変した。

最初は、軍事技術として発展した技術ではあるが、民生に転用されると、

瞬く間に全世界に広まった。

脳波から意思を直接読み取るため、VRの中では、言語の違いが意味を

なくし、会議や商談から始まって、一気に経済活動への利用が盛んに

なった。


 VR技術は、遊びにも利用されるようになった。

この物語は、数多のVRゲームの一つ、黄昏のガンプが舞台となる。


 黄昏のガンプは、実体験型VRSLGが売り文句の

西洋風ファンタジーゲームである。

プレイヤーは、世界の住民の一人となり、冒険や生活を行う。

それだけなら、他のゲームとあまり変わらないが、このゲームは、

街候補地にプレイヤーが街を作ることができる。

街は施設を建てたり、施設を成長させることで、住民が増え発展する。

だが、施設を建てるには、街所属の人が必要数施設ごとに必要な職業の人が

いないといけない。

課金アイテムで人を雇うことはできるが、フレンド登録時に

表記されることもあり、プレイヤーかどうかはすぐにわかってしまう。

職業は、一人二つまでしか設定できないため、希少職や食料生産施設に

必要な施設である畑を作れる農民や漁港を作れる漁師は、引き抜き合戦に

なるほどの人気があった。


 施設は作れば良いものではなく、稼働させなければ意味はない。

稼働させるときも、適正職業の人がいた方がいい。

魔昌石生産所の管理は、最低限知識がなくてもできるが、魔法使いがいると

サボっている従事者を発見したり、適切な指示をすることで、施設を

発展させることができる。

また、施設で働くことで能力値を増やすことができる。

そのため、伸ばしたい能力の施設で仕事ができないことを理由に移籍も

珍しくない。

そういったシビアさも、人気の理由になっていた。


 在野で街に店を作ることもできる。

一例をあげれば、転移の魔方陣の計算屋である。

世界中に座標がふられており、その座標を指定して移動するために、

魔方陣を組む必要があるのだが、

その作成は、小さな数なら素人でも総当たりでやってやれなくは

ないものの、大きな数字となると現実的ではない。

そこで活躍するのが、計算屋である。

学師レベルが高いと自動計算ができる、リアルスキルで魔方陣作成は俺に

任せろといった人達が代わりに作成してくれるのだ。

計算間違いをすると、暴走することもあるため、失敗しない計算屋は

人気が高く、失敗した際の補償を行う保険屋を行うものもいた。


 街同士は、軍事的に略奪や制圧もできる。

街の発展ばかり目指して、軍事の手を抜くと、あっという間に

占領されたし、軍事ばかりに力を入れて財政破綻をすることも珍しくなかった。

外交で傘下に入れて税を納めさせたり、上納金を払うことで、武力を他に

頼むなど、様々なスタイルが入り乱れていた。


 黄昏の名に反して、日の出の勢いを見せるゲーム世界。

シュガーブルクを治めるアーネストは、中堅街の代表として、徐々に

名前が知られだしていた。

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