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プロローグ

 扉の前に二人の男女が立っていた。一人は、三十代くらいの男。金の羽が刺繍がされ袈裟を着ており、手入れの行き届いた黄金の髪をしていた。

 その隣に立つ女性は男と同じ袈裟を着ていて、胸には銀の羽が刺繍がされている。

「これが天蓋(てんがい)を封印している扉か……」

 男が感慨深げに扉に触れようとする。

風都麻ふつま様。危険です。お止め下さい」

 しかし、それを隣に立っていた女性が慌てて止める。

「大丈夫だ、分かっている真登香まどか。しかし……歯がゆい物だな。目の前に欲しい物が有るのに手に入らないというのは」

 風都麻と呼ばれた男がギリギリと手を握り締める。それは本当にもどかしさを堪え切れないと言った様な様子だった。

 その手を真登香と呼ばれた女性が優しく握りしめる。

「後少しです風都麻様。後はシンを持たぬ少女さえ手に入れれば……」

 真登香の柔らかな笑顔を見た風都麻は、息を深く吐くと体の力を抜いた。 

「そう……後少しだ。後少しで理想の世界が創れる……」

 そう呟いて風都麻は目を細めた。その眼は悲しみを内包しつつも、自分のすべき事を思い描いている様だった。

「天蓋は見つけた。計画を始めるぞ……覚悟はいいか? 真登香」

「はい……どこまでもお供します。風都麻様」

 風都麻の言葉に、完全に身を委ねる様に真登香は深々と頭を下げた……。  



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