沢山のへのへのもへじ
掲載日:2026/10/23
お読みになっていただけましたら幸いです よろしくお願い申し上げます。
膨大な「へのへのもへじ」が顔のない大衆として記号化され、個性を失い消費されていく現代社会の虚無を描いた悲しい詩です。
たくさんのへのへのもへじ
だれかが書いた へのへのもへじ
画面をすべり あふれていく
みんな同じ目をし 同じ口をして
おなじ悲しみを ささやいている
へ、と曲げられた眉のしたで
流れる涙は 透明すぎてだれも気づかない
の、と屈んだ背中のうえを
今日も時代の風が 冷たく通りぬける
も、と叫んだ叫び声は
タイムラインの波にのまれ
へ、と冷笑する顔の群れに
ただ静かに かき消されていく
じ、とじっと息をひそめ
個性を捨てて 記号になる
ぼくも君も 取換可能な
無数のうちの ひとつの数字
夕暮れの街を あるいていく
みんな「へのへのもへじ」の顔をして
だれにも愛されない名前を胸に
消しゴムを待つ かかしのように立っている
ご一読いただきまして誠にありがとうございました。君 の作品で またお会いできましたら嬉しいです よろしくお願い申し上げます。




