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今日もアルは秘密の漁場で魚を獲って焼いている。


ここは森の中の川辺。この場所はここもここに来るまでもモンスターがほとんど現れないから、モンスターを狩れないような人が森の活動をするにはもってこいなはずなのに一度も人に合ったことが無い。ホントに都合のいい穴場である。


けれど今日は森の中から視線を感じる。


あまり危険な感じがしないから放っておいたら、いつの間にか2匹の犬頭のモンスターが火の前まで寄ってきて焼いている途中の魚を食い入るように見つめていた。2匹とも毛色は柴犬みたいな茶色で毛先のさらに先っちょの部分だけが少しだけ焦げたように濃くなっている。顔はボーダーコリー似で二足歩行、たぶんコボルトかと。

モンスターの中にはたまに人に害意の無いやつがいるみたいだけど、この2匹がそうみたい。たぶんまだ子どもと思われるコボルトは2匹とも毛が焦げそうなくらい体を焚き火に近づけ、アルが昼食にしようと焼いている魚に見入っている。尻尾がピンと硬直して直立している。2匹とも口元からヨダレをタラーっといく筋も垂らし続けているけど魚には手を出さない。焼いている魚はアルの分の1匹だけ。なんとなく思いつきで焼いてる途中の魚を火から降ろしてコボルト達の顔の前で右に左にさらに上に下にクルクル。コボルト2匹は目どころか顔まで回して魚をガン見。視線どころか首と顔までついついてきてクイクイ、クルクル。もちろん、ヨダレをたらたらと流しっぱなし。


あまりの状況に焼いている途中の魚を火にもどしてから手をつけてない罠をアサりに行く。水からあげたら魚が入っていていたので回収してコボルトの分も焼き始めてからコボルト達に聞いてみる、


「食べるだろ」


「クーン、クーン、」

「ワフ、」


2匹ともその気みたい。


2匹とも聞き分けがよくて、先に焼けた魚をアルが食べ始めても後から焼き始めた分をヨダレを垂らし続けながらも見つめてマテのまま。



でもね、結局2匹とも焼き魚をふたつづつ食べたからそれで本日の魚の持ち帰りは無し。夕飯どうしよう。

コボルトは2匹とも満足したみたいで尻尾ブンブン。


恩義に感じたのか、2匹のコボルトは食休みの後にいなくなったので森に帰ったのかと思っていたら、戻ってきてリスやら山鳥を眼の前に置いていく。もらい過ぎかと思いながらもありがたく頂いて解体していく。合計リス6匹、山鳥4羽。


これだけあればとコボルト達にお礼と別れを告げて街に帰ることにした。

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