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街に帰って来たアルは門をくぐる。門番はいるが顔パス。本当は身分をあらためられるが領主様の代官のさらに代官が置かれるような小さな街なので顔見知りの門番が多いから知らない門番の時以外は顔パス。もちろん街の住民以外は要手続き。
アルはそのまま冒険者ギルドに直行。
「お願いしまーす。」
買い取りカウンターに今日の収獲物を並べていく。各種薬草に木の実に鉱物の混じった石。
「今日は早いね。」
受け付けた顔見知りの係員が言うと、
「肉が思いの他、とれたので早めに切り上げました。」
「それはうらやましい。それじゃあ査定をさせてもらうよ。」
係員は荷物を持って後に下がりアルはカウンターを離れて名前が呼ばれるのを待つ。
結局、今日のギルドでの売上はいつもの半分くらい。午前中で切り上げた割には同じ所要時間なら少し多いが。でもね、今日の売上はこの後が本命。
ギルドの厩に行き今日作った炙ったリス肉を陰干しのためにアルの所有物である目印のついた木札をつけて軒下にぶら下げる。ここにはいつもは何人か残っているのだが今日は誰もいないようだ。
それから街に出て、まずは山鳥から毟った羽とリスの毛皮を売るために布屋に行き、それから肉屋に肉を売りに行く。
今日の収入の総額はいつもの3割増し。山鳥3羽が大きかった。
残った時間は街の広場でぼーっと過ごしアルは冒険者ギルドの厩に帰って来た。
干し肉の状態を確かめてから定位置に戻る。ここなら誰も干し肉に手を出さない。ここで寝泊まりする連中は問題を起こしたら追い出されてスラムに戻るしか無い。ここに転がりこんでる連中じゃスラムに戻ればその日の稼ぎは身ぐるみはがれるし、稼げている大人がギルドの敷地で子どもの持ち物に手を出したら評価が一気に落ちて商売上がったりになる。
「よー、なんか食いもんないか?交換する物無いし銭と交換してくれよ。」
顔見知りのここの住人が声をかけてくる。上手くいかなかったのだろう。今日捕れた干しかけのリス肉の一部を銭と交換して渡す。
ここの厩は滅多に馬が入らないのでスラム出の冒険者見習いが収入の少ない駆け出しの時期に寝泊まりすることを黙認している。しかも無料で。
アルは夜用に焼いた魚を食べたら、やることが無いので早々に1日が終わる。就寝。




