1話:舞い降りた厄災
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※物語は実際の人物と関係があります。ノンフィクションです。
森林の焔と勇者召喚
燃え盛る炎の中、エコ・テロ=リズムは倒木に寄りかかりながら荒い息をつく。
エコの金魚の義眼のような視線の先では、木材を積み上げる伐採者たちが笑い声を上げている。
「おい、見ろよ!まだ生きてるぞ!」
伐採者の一人が、焦げたトマト缶を蹴り飛ばしながら笑う。
「お前みたいなやつには畑の肥料になってもらうのが一番だ!」
炎の熱気がエコの頬を焼き、高級なベッコウの眼鏡のレンズが曇る。
それでもエコ・テロ=リズムは声を振り絞った。とんでもない早口、泡だった唾が焦土に飛び、異臭を放つ。
「よくそんなことができますね!? あなたたちが壊しているのはただの木じゃないこの星そのものですよ!?」
伐採者は大笑いし、エコの言葉を無視して火を焚き続けた。
悔しさにエコ・テロ=リズムは立ち上がろうとしたが、足元が崩れ、火の海に溺れたエコの意識は闇に沈んだ。
ーーーーー
目を覚ますと、エコ・テロ=リズムは見知らぬ大広間に立っていた。
豪奢な王座に座る男が、威厳たっぷりにエコを見下ろしている。
「よくぞ来た、異界よりの勇者よ!」
王は高らかに宣言した。
「我が国は今、自然の脅威に脅かされている。人々を襲う獰猛な殺人植物ども……その元凶を討つため、そなたを召喚したのだ!」
周囲に集まった兵士たちも歓声を上げた。
「さすがは異界の勇者!これで我々は救われる!」
しかし、エコ・テロ=リズムは不快そうに顔を歪めた。
「自然の脅威?一体何を言っているんですか?」
王は困惑した表情を浮かべーー。
「何を言う、この殺人植物どもが人間を襲い、村々を壊滅させておるのだぞ!その脅威を排除することこそが、そなたの使命!」
エコ・テロ=リズムは鼻で笑い、手を振った。
「そんなわけないでしょう。自然に脅威なんてありません。あるのは人間が自然を壊してきた結果ですよ。この国の人々がやってきた伐採や開発、それが原因なんです!」
場が静まり返った。
兵士たちは戸惑い、王は顔を真っ赤にして立ち上がる。
「何を言うか!我が国民を愚弄する気か!」
「愚弄しているのはあなた方自身ですよ!」
エコ・テロ=リズムは声を荒げ、周囲を指差した。
「モンスターが出た?それは自然が復讐を始めた証拠です!だから私は戦いません。自然を守るために来たのですから!」
王の顔は怒りで歪んだ。
「そのような者にこの国を救う資格はない。勇者召喚の儀式は無駄だったというのか……!そなたには出て行ってもらう!」
ーーーーー
兵士たちに押し出されるようにして城門を出たエコ・テロ=リズムは、大きなため息をつく。
「植物が世界の害だなんて、失礼な」
振り返ると、城の門が重々しく閉じられた。追放されてもエコの考えは変わらなかった。
「この世界も結局、人間中心の思考ばかり。でも自然はそんな人間を赦しはしないのよ」
エコはふと手に持っていたトマト缶を見つめる。
ーートマトの赤は、炎に包まれた森の色を思い出させた。
「自然の復讐、私がその代弁者になるわ」
トマト缶を握りしめたエコ・テロ=リズムは、森へと向かった。
次の話、面白いです。
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