後書き
連続36回と言ったな? あれは本編がだ。
ともあれ、終わったーっ! 読了ありがとうございました!
最近はいつもそうなんですけど、本作もまた難産でした。時間をかけ過ぎると初期衝動が薄れ、書く理由というか「これを書かねば! いや、書くべき!」という根拠のない確信が消え失せてしまい、余計に進みが遅くなるという……悪循環ですね。
なので書いている最中はどんどん迷いが生じてしまい、もうコレ途中で墜落しちゃうのでは? と思ったりもしましたが、最後まで書くことができました。いま、心底ほっとしています。
この物語は一応、ラブストーリーです。告白シーンとエピローグの構想は1話を書き出す前から存在しており、なんやかんやで「二人に幸せなキスをさせる」ことを目標にしていました。どうにかそこへ着地できてよかったです。
今回は自分的に新しい試みをしています。
恋愛モノなので心情にそうために一人称視点にはしたかったけど、百合モノでもある。よって紗花の大村への想いと大村の紗花への想いをつまびらかにした上で、イチャイチャする二人を読者はわずかに離れたところから二人のやり取りを愛でる感じにしたかった。
つまり、例えば紗花だけの目線に偏ると読み手が紗花に同化しすぎてしまい、無色透明な観察者じゃなくなってしまう気がしたのですね。
基本的に各エピソードごとに視点を切り替え、二人の主人公が交互に物語を進めていく形にしたのは、そういうわけです。また「同じ出来事を別の視点で繰り返す」ことは避けました。これやるとなかなか話が進まなくなっちゃうので……。
なんとかやりきれましたが、そのせいで困ることもありました。この展開の後はまた紗花に語らせたいのに、次は大村の番だし、どうしよう? みたいな。
結果、大村目線と紗花目線で時系列が前後したり、間が飛んでいる部分が発生してしまい、ちょっとわかりにくくなっているかも知れません。この辺は今後の課題ですねー。
戦闘機や空戦について調べることも多く、それをどうやってストーリー展開に組み込むかなど、悩むことが多かったように思います。実際の機体、空戦機動、またオンライン空戦ゲームには膨大な要素が含まれていて、物語のために必要なモノだけを抽出するのに苦心しました。
というか、今回こそゆるキャンみたいな、ちょっとした趣味ネタを開示しつつ、のんびりまったりするお話にするつもりだったんですけど、どうして毒親とか出てくるのか……まあ、百合がイチャイチャはしたので、よしとします。(低い志)
次作の構想はもうありますが、例によって筆が遅いし、エタらないために結末まで書き終わってから公開しますので、気長にお待ちください。
また宜しくお願いします。




