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シーナの錬金レシピ  作者: 天ノ穂あかり
レシピ5
247/264

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 ───シュゥゥッゥゥッゥゥッゥゥッゥッゥッッ。


 黒紫に浮かび上がる魔法陣に上書きするように、自らの魔力を流し続け、普段ならば数秒で終わるはずの作業を行うこと5分以上。

 パキンッと魔法陣か崩れ去るのを感じて詰めていた息を吐き出す。


「ッッッッッ──────ップァ〜・・・出来たぁ!!」


 本当に息が詰まって窒息するかと思った。しかも、力を込めた所で無意味な事は分かっていても、つい(りき)んでしまった身体は強張ってガチガチだし、今までで一番大変な錬成だったかもしれない。


「フェリオ、大丈夫?」


 私でこれだけ大変だったんだ。フェリオに掛かる負担も大きかっただろう。


「・・・ぉぅ、なんとかな。でもお陰で魔力の流れが良くなった。これなら次からは余裕だ」


 グッタリと力無く返事を返したフェリオだったけれど、魔力を遮断されなくなったお陰で調子は戻ってきているみたい。


「良かった。吸われてる魔力の方はどう?」

「そっちは問題ないぞ。シーナから来る魔力が右か左へ流れてるだけだからな」

「それなら大丈夫かな。じゃあ次はこの青い石の方をどうにかしようか。もう大丈夫?」

「あぁ。寧ろ早くやろう。やっぱりこれ気持ち悪い」

「だよね。でもちょっとだけ待って。イメージを固めるから」


 前回は問答無用で壊しちゃったから、青い石が砕けて散らばっていた。

 でも、それだと青い石の特性は残ったままで、実はあの後拾い集めるの結構大変だったのよね。

 だから今回は、この青い石から出てる不快感をどうにかしたい。

 青い石は元々、虹色珊瑚という珊瑚の化石らしい。恐らくそこに何らかの方法で魔石を融合?させて作られるのが、この青い石なんだと思う。

 だったら、魔石を浄化するみたいにすれば良いかな?

 ん〜・・・でも何か足りない気がする。

 そう言えば、この珊瑚は人の感情で色を変えるんだっけ。それに青い石を身に着けると、特定の感情が増幅された様に感じたとか。

 だったら、その感情?も浄化した方がいいのかも。でも感情の浄化ってなんだ?

 ・・・う〜んリラックスとかリフレッシュ?なんか違う気がする。もっとこう感情をクリアにする感じ。

 なんかこう、瞑想とか心頭滅却みたいなイメージで、何か格好良くてぴったりな言葉があったはず。えーと・・・そうだ、明鏡止水!


 思い浮かべるのは、一点の曇りもない鏡の様な、静かな水面。静かに落ち着いた、澄んだ心。


「よしオッケー!じゃあ、お願い」


 ───シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ。


「うん、ちゃんと白くなってるし、気持ち悪い感じも無くなった。よね?」

「ふぃぃぃ~。あぁ、すげー楽だ」


 相当我慢していたんだろう。錬成が終わった瞬間、フェリオはヘソ天で寝転がると大きく伸びをする。


「良かった。本当にもう大丈夫?気持ち悪いの残ってたりしない?今度はちゃんと正直に言って」

「だぁいじょうぶだよ。さっきだって直ぐに消える程の事じゃ無かったしな」

「消えなきゃ大丈夫なんて事ないんだからね!?今度からはちょっとした事でもちゃんと教えてね?分かった?」

「ククッ・・・ああ、はいはい。分かった分かった」


 こっちはフェリオの不調を見抜けなくて結構な罪悪感に苛まれた上に、かなり心配したのよ?私には「心配させるな」とか言う癖に、自分だって心配掛けてるじゃない。

 まぁ、不調を隠されるよりは心配掛けてくれた方が断然良いけどさ。

 しかも雑に答えながら、なんか嬉しそうだし!


「ッッ・・・まぁ、元気になったなら良しとするけども。それじゃ、後は一気に片付けちゃって大丈夫?」

「大丈夫だけど、派手に壊すなよ?もしアイツ等が戻って来たらバレるからな」


 ・・・確かに。

 危ない危ない。普通に何も考えず扉壊しちゃう所だった。


「もッ勿論。その辺は上手くやるよ」

「ホントかぁ?」

「ほッ本当だよ?よ、よし!じゃあサクッとやっちゃいますか」


 考えなしがバレる前に、さっさと錬成してしまおう。フェリオが檻に入ってる光景も、気分の良いモノじゃ無いしね。


「じゃあ、お願い」


 今回は魔石の浄化と檻の鍵の破壊・・・いやいや、解錠。そう解錠、解錠。


 ───シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ。


 ッッカシャン。

 小さな鍵の開く音がして、見た目は変わっていない檻の扉がキィッと開く。


 よし、大成功。

 これで何時でもここから逃げ出せる。けど・・・


「さて、これからどうする?」

「そこなんだよね。皆はどうなったんだろう。もし皆まで捕まってたら、私だけ逃げ出すのは危険だよね」


 私が逃げ出した事がバレたら、皆が酷い目に遭うかもしれないし、もう少し状況を把握してからの方が良いだろうか。

 それに今考えれば、私の護衛をしてくれていた騎士さんはどうしたの?書庫の外に控えてくれていたみたいだけど、ここまで来る時には見掛けなかったし・・・。

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