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プロローグ
金魚鉢程の大きさの釜の中に出来上がった、緑色の軟膏の様なもの。
それを見た如何にも魔女といった感じの女が、嘲笑の声を上げる。
「貴女、ポーションもまともに作れないなんて、本当に錬金術師なのかしら。あの方の紹介でなければ、すぐにでも追い出したい所だけど・・・そうねぇ、召使いくらいになら使えるかしら」
私は黙って悔しさ呑み込む。確かに、出来なかったのは事実だから。
でも、どうしても理不尽さは拭えない。
えぇ、えぇ、私だって本当に自分が錬金術師だなんて、今でも信じられません。
だって、ほんの数時間前まで錬金術師なんて職業が存在しない世界にいたんだから。
そもそも、ポーションって何なのよ!!