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0話 【アルデテール星系外縁部、惑星トロン第2衛星宙域】

 索敵に反応。



『紅夜司令。第2衛星の影に敵艦の反応。艦種は重戦艦2、軽護衛艦4、機動艦と思われる不明艦1』


 本隊より先行し、会戦場となる宙域の策敵をしていた我が隊が発見した敵戦闘艦群。


「見つけたぞ…と、言いたい所だがハズレだな」


 俺のその呟きにオペレーターは機械的な答えを返す。


『こちらと同様に策敵行動中だった可能性。次の命令を』


 その言葉に。


「あちらの7隻に対してこちらは機動艦と護衛艦の混合とは言え10隻、数の上ではこちらが有利。突陣形による奇襲を行う!」


『了解』


 すぐさまコマンドを入力、先頭に防御特化の重護衛艦を配置して槍先のような陣形を組上げた。


「突撃!」


 号令、我が乗艦である軽機動艦“クリューデアビス”を旗艦とした10隻の艦隊は敵艦群の側面目掛けて突撃を開始する。


『有効射程距離到達まで60秒』

「よし、範囲攻撃準備!到達と同時に一斉射を開」


『始せよ』と、言い切る前に。


『敵艦隊、長距離砲による攻撃を開始』


 と、オペレーターの報告。そして直後には。


『重護衛艦A-3に直撃多数。大破』

「はぁ!?」


 俺は思わず立ち上がって驚愕する。

 モニターに映るのは先頭に配置した防御特化の護衛艦が爆発しながら脱落していく姿であった。

 そして次の瞬間、一発のビームがA-3の装甲を貫通。爆散して宇宙の塵となる。


「ああああっ!A-3!!」


 重量故に積載枠を圧迫し連射も出来ないが、射程と威力に優れた長距離ビーム砲による的確な攻撃。


 こちらも攻撃可能距離に入った艦から砲撃を開始するが、先ほどの攻撃で陣形が崩壊、加速も低下しており有効打を敵に与えられない。

 そうこうしてる内に我が艦隊は次々に轟沈、大破に追いやられ、3分も経たない内にまともに動ける艦はクリューデアビスを含めてたったの3隻となっていた。


「くそっ!撤退だ!」


 動ける艦全てに命令し全力で後退を開始、周囲にありったけの対ビーム粒子(アンチビームパーティクル:通称ABP)を散布しながら戦闘域からの離脱を図る。

 散布したABPの防御膜効果で敵艦からのビーム砲撃の大部分は無力化できるだろう。勿論こちらの撃つビームも同様だが、撤退する自分達には関係の無い事だ。


 だが。


『敵艦が追撃を開始、機動艦と思われる一隻が粒子散布帯を抜けてきます』

「迎撃!落とせ!」


 3隻による集中砲火。だがその全ての砲撃を回避した“白い機動艦”は速度を一切落とさずに突撃してきた。


「!?」


 ソレが艦隊の真横を凄まじい速度で通り過ぎた瞬間。

 生き残り艦の1つだった重機動艦A-4が爆散、それに巻き込まれる形でもう1隻の護衛艦A-2が中破相当のダメージを負う。


「嘘だろおい!」


 そうこうしてる間に敵艦群はABP散布帯を抜け、その全ての照準がクリューデアビスを捉えた。


「あ、あははは…」


 乾いた笑いが漏れる。

 数秒後、クリューデアビス艦隊はこの宙域から消滅した。

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