もう一度BBの解説
こんばんは
最終の城門手前までたどり着いた頃『暫しお待ちを』とキリッという眼をしてコチラを見てくると、タタタッと向こうに並ぶ集団へと駆けて行くドラゴンパーティーの荷物持ちウミを目で追って、一息深呼吸してから考える。
「(あー。やっと静かになった。というか、全然ギルドクエストクリアした感無いのに疲れたなぁ。)」
それなりの時間が経過したのだろう。
もう俺の脳内では、『アイツ逃げやがったな』というコールとなっており一悶着が終わったようだ。
特に問題無く、向こうの方でウミがギルドから頂いた"札"を提示すると、俺達を割り振った奴から何らかのチェックをしてもらっているのが遠くからでも見て取れた。
そして、ウミが一礼してスタスタ戻ってくると再びキリッとした目で話して来た。
「あ。やっぱり皇とか言う奴がチクったみたいで、我等は素直に帰れないみたいです。」
それはそれは、"メルシィ。マエストロ"と発現し優雅に一礼するかのように言ってみせた。
まあ。ぶっちゃけて言うなら
☆「新ちゃん?ウミちゃんは、"問題起きましたけど、私の想像神様なら大した事無いと心のソコから思っている"みたいだから、想像神様らしい対応をお願いね。」
と言われても!?……という俺の心の発言を抑えるのは、ソッと口が動き話し始めようとするウミだ。
「ですが御安心を!私がヤられっぱなしなワケ有るハズも無いでしょう。私は言ってヤりました!"我等は冒険者なのだ。我等を呼ぶのだったらソレ相応の対価を頂こうか!"と言ってヤりました。
で、コレは追加のEランカークエストです。名付けるなら"最弱ランカーがキングへとたどり着いた先は"というのはいかがでしょうか?」
キリッとした目で訴えて来た。
正直、ヤりたく無い。
けども、既にウミの手には飛竜の掃除はチェック済みとなった木札が見え、その木札の端にチョコチョコッと小さな字で"王と謁見"と書いてある。
嫌だ。ちゃんとした所に行って、ちゃんとした所でちゃんとするのが耐えられない。
それに、集団でミニマムと成った俺達を囲み吟味して来る重圧なんざ、過去に一度味わった面接みたいじゃないか。
☆「ま。落ちついて新八ちゃん。鳳凰流白井家では、慌てるのは御法度だよね。じゃ一旦落ち着こう。」
だな。
というワケで、案内されそうになるが『BBがしたい』という訴えのもと兵士から解放され今は個室のトイレ内へと至る。
因みに"BB"に関して『ビービーって何だ?』というコッチの世界の兵士には、優しくそして詳しく教えてやった。
「紳士淑女たるもの。口に出してウンコと言えないだろう。ウチでは、ウンコという名をババという名へと進化させた。だがコレでは不十分に至ってな、更に究極進化をしてBBという名に成った。そう!成るべくして成ったのだよ。」
紳士淑女がソッコウで言ってもうたけど、ソコは置いて。
特に反論せず『ああ。そう。』と何処か遠くを見て発言した兵士の顔を思い出すと、俺達を見送ったバイちゃんもそんな顔をしていた感じがした。
ひとまず自分を落ち着かせる手法として、やはり亜空間での正拳突きが俺には性にあっている。
亜空間魔法を発動し、トイレとは違う場所へと入ると
☆「拳が軽いと何かアレだし。アレでも使っとけ」
「ああ。あの意味分からないメリケンサックですね。ありがとうございます。コレって結構しっくりしてて、正拳突きを終えた後は結構スッキリするんですよ。」
不動明王さんからの声を聞いた後、ゴトッと出て来たのは大日如来と不動明王の姉弟から借りている、何時ものドス黒いメリケンサックである。
「新八っちん早く行こう。」
「終わったよ。でも、大丈夫だ亜空間内は時間の経過は数秒だから。」
片隅にホタテを置いて、一心不乱で正拳突きを両手合わせて六百回位して終わった。
そして『うああ出たぜい』と声に出し一仕事してパカッと
「え?」
「なんだよ?」
事もあろうか、兵士の奴が個室トイレ前に立って待っていたのだ。そもそもマナーは何処に行った?"え?"と発言する兵士を見て俺は感じ取った。
成る程、水を流すの忘れてたわ。
「新八っちん。ドラゴン成ってない。」
あ。ソッチな。
いくらなんでも由緒正しき正拳付きや便器へと行く時は、やっぱり馴れた人の姿に成るもの。
ホタテのナイスな助言により、声を掛けられた瞬間ポンッと何時ものミニドラゴンへと変化してみせた。
「BB終わったぜ。」
ニヤリとした俺は、一切の迷いなんて無い雰囲気をかもし出す。少し遅れて兵士が『着いてきて下さい』と言うと、俺の発言を無視し先導しながらチョイチョイと目だけは後ろをチェックして来た。
「(?ホタテよ。俺、何か付いてる?)」
「んーん。何も付いてないよ。普通だよ。」
BBしてないし、便器すら座って無いけどチョイチョイと振り返る兵士が気になる。もしかしたら、ドラゴンは素足だから足の裏に何か付いて
☆「無いって。というか、新八ちゃんなら付いていても直ぐ分離出来るでしょ。」
そうこうしているウチに、それなりに大きな出入口へとたどり着くと『此度の騒音騒動者連れて来ました!』と発言があった後『あ。ヤベ間違った』とボソッと言い、手を口へ覆う仕草をする兵士を見逃すハズも無い。
"え?マジなの?"という俺の心が叫んだが待ってはくれない。ギギィと開く扉は重く、油を差して無い音が巨大な部屋に充満し響き渡ると、スッと真正面に王の椅子が見えた。
そして
「緊急!緊急ー!!」
俺達が王の間へと入ろうとした時!慌てて後方から走って来る一人の兵士がいた。
先導してくれている兵士が『落ち着け。どうしたんだ?』とゆっくり諭した所
「我が暗殺部隊!及びトマトン騎士長を含む系三千の兵が何者かにヤられてます。」
「なん!?」
向こうの方がから叫び出す王が、ガバッと立ち上がり叫ぶのだった。
「して容体は!?」
「暗殺部隊全員が重症。回復には一ヶ月程掛かる……」
ボヘーと後方から眺めていると、王とされる人が腕を払ったと同時に『お前達、帰って良いぞ』と先導して来た兵士言われる。
コレには内心"ラッキー"と思った。
で
「クエストクリアおめでとうございます。二天王城内の依頼達成は二件承りました。では、ご確認下さい一人大銅貨一枚でクリア対象は二件の計大銅貨四枚となります。一部両替されますか?」
『いや。別に』と断りを言ったうえで、"こんな事になるんだったらウミも入れて参加すれば良かった"と心の中で考えた。
無心で振り返ると、バイちゃん達が昨日いたテーブルに囲って座り待っていたのを見て『オーイ』と手を振って近付いたんだ。
「で。……何か色々としましたよね?」
「まあな。ギルドクエストを二件もクリアしたしなぁ」
『ソレは別に良いので』とサラッと言う嫁のサラサラ感が、俺の危険信号が点滅し始めた。続いて『ちょっとココに座って下さい』のちょっとは、"ちょっと"ぢゃ無い感じがした。
「シバちゃん。捕まえてテーブルの上に乗せなさい」
べっ!別に逃げてないし。
「ハイ。御母様。」
それはそれは、流れ作業のようにカチャッと掴み取るとウィーンと移動されポテッとテーブルの上へと乗せられたのだ。
ありがとうございました




