クラッシャー・ヘル
こんばんわ
スンスン!スンスン!と鼻を嗅ぐが特に特別な匂いはしない。
いや、色んな所を嗅がないと判別しないだろうと思いウロウロしながらあらゆる所を嗅ぐ。
シバの谷間、シバの膝裏やあまり表に出ない所を重点的に!……すると『新八様、コッチから匂いがしますよ』とジュリが手招きをしている。
だから行く!
ジュリを還付泣きに打ちのめすと次の目的地はジュンだ!だって手招きしているんだもの。
びょん!と飛び出してジュンの元へ
「ジュンの匂いはドコかなぁ?」
「私の匂いはココからです。」
ヘイヘーイと遊んでいると後方で、何かが降り立つ音がする。
だか!気にせず『ジュンちゃんやぁ……匂いの元は』と遊ぶのだ。
「御姉様!」
「レオナ!久しぶりね。」
姉妹が対面となったのに、俺はというと『卍の格助衛門!……ここに甘い匂いがするぞ!』と叫んでいる。
因みに、卍格助衛門と言う奴はヘラクロスオオカブトの名前である。
さほど興味が無いかも知れないが、本当はもう一つ候補が、あった。それは、クラッシャー・ヘルである。
クラッシャー・ヘルの由来は、へラクロスオオカブトの元来の必殺技で、二本の角を相手の胴体にハサミ込んでクラッシャーする技の事である。
ヘルの由来は、ヘラクロスが『ヘラ』ではお好み焼きみたいでダサイので悪党らしく『ヘル』にしたんだ。
ま、それでもアイツはメスなんだけどね。
新八の好きな番組、プロレスと時代劇で悩んだ結果だ……仕方がない。
そして、時代劇に軍配が上がった。
卍も言っていた
「正義執行!力の格と技の助に引かれました!」
ってなぁ!……まあ、メスなんだけどね。
『コイ!』と卍を呼ぶと、御丁寧に挨拶をしてソソソッと近寄って来たので、イエーイ・イエーイ!とやっている。
この間、数十秒といったところ。
「アナタ、ちょっとおいでぇ……
私から来ましたよ。無視してはいけません。
ハイ卍さん、樹液美味しいのは知ってますので騒がないでください。」
卍格助衛門の頭をガシッと掴むと、ギギギと音が出そうな感じで強制的にバイの方向へと傾けられた。
バイに言われた通りに、卍格助衛門さんは一言たりとも騒がなく……いや!言葉が出ないようだ。
「アナタ……あと五十秒程で敵の団体さんが来ますよ。
……ほら、あと四十秒です。それは、今ヤる必要ありますかぁ?」
顔が!バイさんの顔が!?
「バイさんや、もっとこうさ……眉間にシワ出来てますよ?」
『ほーら!シワは飛んで行け』と眉間に指を押し付けようとした時!バイは、とんでもない発言をした。
俺は、ソレを聞いて凄く迷った。
「アナタから眉間のシワ伸ばしを受けると、何故か私にものすごい閃きが舞い降りるのです。
まあ、私は受け入れるだけですが……閃いた以上は従って下さいな。」
そして、ぐーりぐりとシワを平らにして行くと、案の定『閃きましたよ!』と言ったので聞いて了承したんだ。
「よし!ジュン!あの鏡を出してくれ!シバ!ホタテ!ウミ!と卍!……お前達に新たな力をあげようではないか!」
バイは俺に言ったのは、敵が来るので戦力増強として俺に繋がるよう強制する。
卍以外は特に抵抗は無かったので、ジュンの阿閃如来の技の阿閃円鏡……鏡の世界へと入ることにした。
鏡の世界で、俺は卍に対してアル秘策が有ったんだ。
……
「やあ、兄さん……はじめまして」
「デブが!……まあ良い。久しいなレオナ。」
ザザザッ!と飛んで来て、なんかカッコ良く乱雑に並んでいらっしゃる敵。
敵は、六人いるようだ。ただ、おかしくも皆フードを被っている。
それは、ただのフードではない。それは、アニメっぽく!そして顔の凸凹さえも判別できない仕組みになっている。
あのフードを被って『ンフフフ』とか言ってみろ!絶対悪党だそ。
「……新八さん?ラージ種はデブじゃ無いので落ち込まないでください。」
「そうですよ。お腹の大きさは魔力の大きさです!自信を持って下さいアナタ。」
人化している俺の腹を摘まんで、ぶよぶよでは無いのを確かめてから現況良く言い放つ。
俺はリーダーなんだ!代表として言うだろう。
「待ちくたびれたぞ!兄者よ。」
堂々と、そして格上の発言をしてやったぜ。
「よく言うわ……今さっきまで『短時間でこの人数大丈夫かな?』って叫んでいたじゃないの!」
あぶぅぅ!……俺のハートに一匹の殿様バッタの蹴りが食らわされた感じがした。
「御姉様!あまり私の主を突つか無いでください。こう見えて、内面は弱いのでいじめ無いで欲しいです。」
良いことを言う。
だがしかし、『いじめ』というキーワードを使っちゃならんのだよ。
そうだな……ドSがヤりたい様に生きている!と言ってくだされば。
「何!ニヤニヤしてる!?
まさか!?私に想像をかけているな!?」
何をそんなに慌てているのか分からないが、相手がビビってんだ!だったら乗るしか無いだろう
俺はニヤリとしようとした時、待った!の声が掛けられた。
「成る程、想像魔法対決ですね?」
(へ?)
「いや分かってますよ。アナタは今彼女に想像魔法をかけようとしたんでしょ?
だから、私は彼女を助けるべく止めたんですよ。
で?……想像魔法が使える同士、勝負してみませんか?」
瞬時にバイの顔を伺うと、タメ息を付くと
「ホラね、私の閃きは当たるんです。多種多様のスキルを貰っていて本当に良かったでしょ?」
「そうじゃないよ。俺は想像魔法なんて一度たりともしようとしてません!
ただ、ドSの姿に変貌したらなぁ……って思っただけだよ。」
思っただけであり、想像はしてない!これは断固大きな声で言える!想像はしてないんだ!!
「成る程。
あんなにも繋がったというのに、まだ足りないのですかアナタは。」
足りるとか足りないとかでは無いだろう。
この時、俺の脳内に稲妻のごとき閃光が舞い降りたんだ。
今にして思えば、コレは白井家の家訓であり白井家八代当主として言っておかなければ成らなかったのだろう。
それが、相手にどう思われようとも我が道を行くと決めたら突き進むのみ!これこそが鳳凰が決死の覚悟で炎を身に纏い突き進む。
その炎はやがて流れとなり、誰も止められない激流と成るに違いない!それが、白井鳳凰流の基礎である!
今!ここで家訓を言わねばならんのだよ。
「エロは限界を越える!」
「……足りないというわけですか。」
「違いますぅ。生命に溢れ生きて行こうと、もがく中にエロがあるんですぅ。
そのエロを強調しているだけですぅ!」
白井家の家訓だけは譲れない!そう思ってバイに言ったら、呆気なく『分かりました』と受け入れてくれた。
だからか、そのあとも耳元で『エロは強いんだぞ』とボソボソと囁いている。
だけど、何かが可笑しい?何がなのだろうか?
「!?……なんだ?」
ボソボソ言ってたら、少しひんやりと冷え込んで来た。地面を見ると影になっている。
『アレ?俺がココラ一帯吹き飛ばしたハズだよね?』そう思い周囲を見渡すと、目の前には男心をくすぐるような超人的なロボットがデン!と立っているではないか!?
バイは圧倒されているのか『アナタ……あれは何です?』と声を小さく言っている。
バイは驚きのあまり、俺の耳元での囁きはもしかしたら、フル無視なんだろうと俺は気付いてしまった。
ソレほどにも、バイさんは驚愕していらっしゃる。乳揉んでも、反応しない嫁がいた。
明日もよろしく。
調べてませんが、マジでクラッシャー・ヘルって名前無いッスよね!?調べて有りましたら、クラッシャー・ヘラにでもしときます。




