とりあえず下級な遊びだった
こんばんは
【妖精の国】
妖精が、外部との関わりを無くす為に出来たと言われている。
では、いつ建国出来たのか?それは誰も知らない。
古株の魔王城のシステムでさえ知らない情報を踏まえると、つい最近建国出来たのかもしれない。
ただ人は噂する。物を与えてくれる妖精の国、エルドラドと。
「未確認の女六人と男一人が、海底入り口より侵入されたし!
イヤ待て!超未確認生物襲来!……なんだアノ化け物は!?」
「だから!そんなマニアックな話し方するなし。普通に軽く話せしぃ。」
「お前こそ!田舎の話し方をするでない!
ホラ、お前も見てみろ。」
注視してみて男はタメ息が出る。それは、疲れたというよりかは見事な女性達という意味が込められている。
しかし、残りの男に移すとソレはいた。
男の隣には、巨大な魚に手が生えている。それだけでは無い!鋭いノコギリ牙に鋭い眼光も目立つが、防御も徹底しているのか背中が甲羅に目が仰天となった。
「な……なんだ?アノ化け物は。
いかん!直ぐにピクン爺に報告だ。お前は、気付かれずに把握しておいてくれ。」
『了解』の返事を聞く気が無いのか、それほどにも急いでいるのか、返事を聞かないでソイツは駆け出して行った。
……
「ナッ?大丈夫だったろ?」
「い、いきなり握られて強制的にキスするの……やめてください。
その……ものには、順序というのが有りますから」
新八の『大丈夫だったろ?』の意味は、海に引きずり込んで口移しで空気を注ぎ入れたから『大丈夫だったろ?』なのだが、レオナは別の観点から言っていた。
それに、このレオナもそうだけどテレているような感じがする。
レオナもと言ったが、その他はダイアである。
「いたたたぁぁ!……やめて下さい!!」
テレていたレオナが、突然叫び出した。
「そんな事で幸せに成ってんじゃねぇぞ!?」
こう言うのはウミさん。
ウミは、レオナの尻を旧扇風機のタイマーをひねるが如くやってみせた。
「たかが口移しで……想像凰竜神様ヴァージョンとチュウしたって何も変わらねぇ……変わらねぇからなぁ!!」
「ハイハイ。わかったわかった。
理解してないと思うから解釈するわね。」
見た目、キャンキャン吠える犬と言うより、レッサーパンダが笹食って何か詰まった感じの吠え方だ。
そんな恐ろしくも無いし、攻撃性も有りもしないウミを見て、同じシステムのバイは説明に入るのだった。
「このウミは、ウブなのよ。
だから、敬愛する新八様との絡みはあるけど、竜化した新八様とのセッションは無いの。
……まあ、因みに私も無いの。」
最後の話し方のみ、二トーン声が低いのを聞いたレオナは思わず『ごめんなさい』と小声で言っていた。
海中では竜化していたが、バランスボールの大きさでは流石に入れ無いと分かりきっていたので、元の人の姿へとなっていた。
あと、当然ながら
「やっぱオデの感は当たるんだどーん。主様に、似たかも知れねぇだどーん。」
「そうかも知れんな。」
さっきから、このカメシャファー……俺の側を離れない。
ぶっちゃけ『もう魔物は居なくなった!……じゃあな』とサヨナラしたいのだが……言えない。
だから当然
「お前は俺が認めた妖精なんだ。だったら、お前の国を案内してくれ!」
「了解だどー。」
という事で、どっこいしょと屈み黒のバランスボールの穴を通って出て来るとソコはホタテの言う通りに森だった。
「さあ!案内を頼もうか!」
「すまねぇ。オラ、家に帰るの初めてだから案内は無理だで。」
もっともらしい断り方。カメシャファーの事を理解しているから、俺の返事は『だろうね』と思ってはいるが言えるはずも無い。
だから、とりあえず
「オイ!この雑草見ろよ。」
「なんです?」
「何だこのプルンとして、瑞々しい雑草は!?」
「ホント!イキイキしてますね。
でも、うーん。見たことの無い草ですね。」
「だろっ!?」
近場を散策することにした。
今は、皆で【誰が一番珍しい雑草を見つけ出して楽しく騒ごう!の会】を開催したところ。
俺は、最初から上級な遊びはしないたちなんだ。
だって、最初から『ここは何処なんだ……進もう』という展開になると、じゃあ次は!?次は!?となってしまう。
そんな事より、先ずは足元を見よう。そして、自分の足を見てから一歩ずつ進もうじゃないか。
「新八っちん!コレ見て……美味しそうな雑草だよ!?」
(フフフ。ホタテなんか俺の組み込んだ意図にズッポシとハマっているなぁ。
笑いが止まらん。止まらんぜよ!)
そう提示してきたのは
「ん?……んん??これは」
「美味しそうな雑草!」
俺の目の前には小人がいる。いや、もっと詳しく言えばホタテの手の内に小人がいる。
「メーデー!メーデー!救援を請う……メーデー!メーデー!救援されたし!」
「……何かな?……ねぇ?これは何かな?」
「僕なら食べれる!」
うん。そうだね……って違ぁぁう!!
「ホタテ、何処で拾って来た!?」
「アノヘン!」
うん。指で差しても全然わからん。
明日もよろしく。




