いつでも春を待つ亀
こんばんわ。どうかよろしくです。
「ビガー・エロス・ファラオス公爵様の婦人!ビガー・ネネス・スキルティ様。お帰りなさいませ。」
今は門兵に本人確認はしないものの、馬車の家紋を目印と付き人の進言により、ルティ様の名前が堂々と発表されたことに近くにいた兵達も歓喜を上げると共にビシッと整列し直す。
多分これは、皆緊張をしているのだろうと俺は思い眺めている。
「……あのキスミ様?ここの騎手を勤めている新という奴とバイ・ホタテというメイドは初めて見ますが?」
門の兵士により、以前から提出してあったリストには前回亡くなってしまった者達で構成してあったのだ。しかし、今の編成……メンバーの違いが生じ『この者達は一体?』と何やら嫌なムードに成りつつあった。
「私はファラオスの妻!スキルティです。情けない話しですが、少し前に近衛兵騎士が二人・騎手が一人が不覚をとり亡くなってしまいました。
その三人分を補充する為に、彼等を雇い入れました。……そして、そこのメイドをしていらっしゃる方の名はバイです。
バイ様はSランクの冒険者様です!!」
頭の中は、はい!せこい冒険者来たな……と思っている。何故なら、バイは俺の母が有名な権力ある王だからって、王推薦でいきなりSランクに上りつめていると知っている。
ルティの紹介のSランクの紹介が終わると、次は俺の紹介へと変わる。
Sランクの紹介は、ピーピーと何か鳴らしたり一時的にお祭り騒ぎとなっていたが、俺のランクEなんだぜ!は『へー……知ってる知ってる』的な感じで誰も求めてはくれなかった。
だけど、そんなことでは俺はめげたりはしない!
「ハッハッハァ!どうだぁ……ランクEだぜぇ」
そう言って、兵士の顔スレスレに提示している。とりあえず『この紋所を見よ!!』という感じでグイッとヤっている。兵士からは『近すぎて見えませんよ』と冷静に対応された。
俺の叫んで笑っている声も行動も、下っぱの悪党にしか見えない。
「ん?それはなんだ??」
一人の兵士が何かに気付いたようだ。
「え?別に何も無いッスよ」
下っぱ悪党から、下っぱ後輩へと変化した瞬間だった。
兵士が注目したのは、俺が騎手なのに馬の手綱を持たない。そして、左手にはギルドカード……では右手は?ポケットの中を維持しているのは何故?
その後、当然の如く『武器を隠しているやもしれん!』とか『不審な行動はたとえ公爵様お付きでも容赦はしない』等々聞かされる。
本当、武器だったら良いのにね。いや!俺のアレが武器という存在になってくれれば良いのにね……という意味である。
「すいませんが、内容は存じています。お願いします新さん。」
内容って、なんじゃぁぁ!?
(まあ、そうだな。隠していても、おおやけになったって大きく育つわけ無いんだからな……
いざ!戦場へ行こうではないか!)
俺はギンギン魂を解除した。
「あ……ああ。女性に囲まれて、良い思い出になって良かったな。」
ギンギンは戦場で負けてしまった。手から解放されると、兵士から見られた時は未だテント状態たったが、ミルミルと土の中で冬眠している亀の様な状態へと変化していた。
多分、説明しなくても分かると思うが、圧迫されていたことで、何やら気持ち良いんだったと思う。解除されて、本当の意味で解放されたんだと思う。
……
「なぁ。バイに聞くけど、俺のそんなに小さいのかなぁ……」
俺はちょっとショックを受けていた。それは、土の中の亀状態となった俺は『では、今度こそお帰りなさいませ』と門兵に言われ門を通った。
その時に、『プッ。小さな野郎だったな』で今の状態に陥った。
バイは、俺の質問に対して真面目に返事をする
「何度も言ってますが、魔族は大きさではなくマナの大きさです!たとえコレくらいの大きさ……」
「ちょっと待て。手でコッからココまでと、提示すんじゃない!そして、その握っているかのような仕草も止めなさい。
そんなの見たら悲しくなっちゃうだろ。」
バイにジーと見つめられる。
「でしたら、今から生活には必需品な生活魔法を発動して陰部を大きくすれば良いじゃ無いですか。」
なんてぇ事を言うんだ!……天才か!?だけどなぁ。
何か、それだけはヤってはいけない様な感じが俺の中にはあったんだ。格好良く言うなら【男の矜持】というべきか。
「俺はな、陰部を人工的に大きくするのは反対だ!……これはイメージだから言うけど、大きく成り過ぎたらカチカチにならないと俺は聞いた事がある!
ある程度カチカチとカッチカチ!だったら俺はカッチカチを選ぶぜ。そう!今の俺はカッチカチの方だぁ!」
オイ!今、人が沢山行き交う中で何をカチカチ言ってんだよ?というか、何を力説でカチカチしてんの?って奴である。
だけどカチカチは終わらない。
「そうですね。私もどちらかと言えばカチカチの方が良いですね。魔族に生まれて、姿形の想像は王魔様の指示ですがコノ体内は私自身で作ったと言っても過言ではありません。
例えフニャンとなっていようとも、私の中でカチカチになって居れば良いんですから。」
その後、バイの肩に寄り添う様にくっついている。バイの包容力には、俺も包まれちゃったぜ!という感じでウフフとイチャラブしている。
そうしていると後ろから声が掛かった。
「はい。カチカチの話しはもう終わって下さい。あと、フニャンとか手で大きさや形を表示したりしないでください。
何度も言いますが私達は公爵につかえる者達です!節度があるでしょうが!」
キスミさんの力説を聞いて『あー、さいでっか』という反応を見たメイド長は厳しく対応しようとした時!痛い所へ付かれてしまう。
「今日で三日目だけど給金が貰って無いよね。……というか、墓を大絶賛した割には。ねぇ?」
アラ奥さん聞きました!?嫌だわねぇ??そんな感じでバイとセッションする。
『さいでっか』というのは、そうですか?もしくは『そうでっか』とも言ったりします。表現的には聞き耳持たずという感じです。では、明日もよろしくです。




