乙女って思うから辛いんだ。赤の他人としている見れば答えは見えて来るんだ
こんばんは。どうぞ、よろしくです。
「じゃあ、俺が前に出て戦って倒しまくる役をすればいいんだな。」
見た目、何も装備をしていない俺を見て不思議に思ったのか装備の心配をしてきたが『バイから貰った結界アーマーがあるから』と言った時点で気付く
「母さん!俺の結界アーマーやるよ。これで敵からの身を守って!」
母は本当の親らしく『息子から命を守る防具を貰うなんて。第一、蒼の防具はどうするの?』と子の命を大事にしている発言が来た!
これには、キュンとなってしまい目の奥が熱くなって
「バイちゃん!蒼と同じ結界アーマー作ってぇ」
一瞬でドライアイになった。
武器については『アレモ!これも!』という感じで、母に何の武器があっているのか分からないので取り敢えず全ての売っている武器は買う。
その場限りでは武器屋の武器が無くなって、他の冒険者達から『武器屋に武器が無いってどういう頭してんだ!?』と怒鳴り声が聞こえていた。
「ちょっと!うるさいじゃ無いのよぉ」
「なんだと?……なんだ、俺と一夜を過ごすつもりなんだったら素直に声を掛けて来いよ。」
一間隔開けて『ナオさん!蒼さん!少々こらしめてやりなさい!』と、いきなり発言するした時は『ハ?』と成ったのだが、ソコは肩持ちナンバーワンのオヤジが後ろから不意討ちクラッシュをしていた。
騒ぎになりそうだったので、バイの亜空間ポッケの中へしまっておく。
店主には『酷い幻術だね』と言って店を出た。そんな俺達のコンビネーションを見て、不用意に笑みを浮かべている蒼を見て心の底から『めんどくぇ』と思ったのは言うまでもない。
肩をポンポンと叩かれ振り返ると
「私、言ってみたいところがあるの。」
なんとも、乙女チックに甘ったるく発言するのは蒼。甘えたいモードなのだろう……いくつになっても甘えたいのだろう。
まあ、この雰囲気とサービスを提供したのはナオではあるが、根元は俺みたいなものなので乙女チックとして見ずに、一人の女性……美人で俺に好意を持っている女と見たら楽に成るかもしれない。そう思い、考えて行くことにした。
蒼の話の内容は、一天王に成ってから他の天王からの忠告等の引き継ぎを聞く限りでは、自分の領地のみに存在する天空を貫く塔が有るらしい。
そして、こうも引き継ぎされる
「二百階より上は登ってはいけないって言うのよ。いけないって言われたら行きたいに決まってんじゃない!」
「まあミドリちゃんは、絶対罠だから行かない方が良いって言うから……」
『言うから……』の続きは納得しましたとかでは無い。そこは、俺と同じく鋭い観察眼で【言う=知っている】とたどり着いたらしい。
問い正したところ、『塔は三百階あって、その上は聖界です。』
「ってよ!?聖界よ??冒険魂が燃えるでしょ?!」
本当は食い付いて行きたい!『うおぉ!俺のロマンが燃えるぜ!』となりたいが、今回は親子で行くのです。無茶も無謀も出来ない感じがする。普通は無茶なんてしないし、無謀なんて持っての他であるのだが……
「二百階より先はロマンが溢れているんだなぁ」
俺は、男のロマンに打ち負けた。負けた後は早速という感じで、『良し!早く行こうぜ』と急かす俺を見て蒼は『もう!そんなに急いでいると危ないぞ』とナウい呼び掛けが来る。
ちょっと、昭和を思い出させるシーンとなった。
因みにオヤジは『ちょっと待ってくれよー』とは言わず、ちゃっちゃと仕事をこなす荷物持ちになっていた。
決して脇役でも無いし、目立とうともしない……蒼の為に、イヤ!これが本来の白井家の構造図なんだろう。
街の外へ出た俺達は蒼の言う、天まで届く塔へ向かう。因みにバイ達……その他大勢は、街の門でお別れすることに。
「オヤジ!情報どうり城を背にして行こうぜ。」
あ!ハイハイ……少々お待ち下さいねという雰囲気で空中移動魔法を掛けてもらい移動することに。途中『ちょっと待ってよぉ』と来ていた母に優しく対応するかを、俺の心中は『早く!早く!ロマンを拝みたい』でいっぱいいっぱいである。
だから『しょうがないな』と甘い声で近付きハグをする!そして、そのままオヤジもハグをして……形的には母を背中から抱いてそのままオヤジをハグ。
要は、母と父が向かい合わせで俺は母の背中におんぶな感じ。
『ちょ!』と戸惑う母を放って置いて
「オヤジ!もっとスピード出そうぜ!早く未知の領域という名のロマンを拝もうじゃないか!」
「よくぞ言った!それこそ白井家の漢ってもんだ!」
流石オヤジ!この時ばかりは、俺にそそのかされてテンションが高揚している。全然、母ちゃんとハグしているとは気付かない。
明日もよろしくです。




