途中、お尻の話
こんばんわ。まいど、毎回ありがとうございます。では、どうぞです。
「ホタテよ。家の帰り方の伝授は、帰り途中でも出来るだろ?なっ。」
そう言ってホタテとシバとで帰る予定だったのだが、王魔と一緒の能力使いの存在で一気にバイやイナリの安否が心配になってしまった。
ホタテとシバを連れて教員室へ向かう。
「あら?王魔様なにか……ああ、そうなんですか。」
「え!?俺なんか言ったっけ?」
その後の話で、バイはシバとテレパシー的な事をしたみたいだ。それで、今日の出来事と王魔の焦り様を知る。
ほどなくして、一緒に帰る事になった。帰り最中でも、ホタテの‘家の帰り方’は続いた。
……
「で、王魔様と同じスキル持ちでこの世界で感知出来ないモノとなると……少々厄介ですね。」
「自我が目覚めてしまい、やたらに地盤を築いた者から奪うのが癖になると……」
そんな話を聞いていると、地盤が今一番安定している王魔は怖くなっていく。そんな怖さを補う為に、近くにいたシバを抱き抱える。
そんな父の様子を見てシバは
「御父様、怖いんですね。」
「……違うわい。」
そんな感じで、一緒に風呂に入ってベッドでもシバをハグしたまま寝た。
朝起きてビックリ!シバは
「御父様、おきて。朝食できたって御母様が言っているよ。」
大人の女性になっていた。しかも、御父様から御父様になっていたのが凄い驚きだ。
「な!なななん、なんで大人に成ったの?」
「これから、いーぱい!思い出作るんじゃないの!?」
「ってか、もうこれから一緒に風呂も入れそうも無いじゃんか!」
「大人に成った理由は、あとで話ますから。御父様は早く御母様の所へ行ってください。」
なんで!?なんで!?……とパニクっている王魔を多少引きずりつつ、バイのもとへ連れて来られる。途中、階段もあったのだが『あだだだだだぁ!……親をいたわってくれよぉ』そのまま引きずろうとする娘に背負って貰う。
「!?……!!」
「あっ。ごめんなさい。」
「お!?ぐう!!……おおおうううぅ」
説明しよう!
上からバイ・シバ・王魔である。
まず、シバの背中に王魔が乗っている姿を見てバイが嫉妬するのを感じ取ると、シバが『御母様ごめんなさい』と言い咄嗟におんぶを解除する。
おんぶ解除すると、当然の如くお尻から地面に落ちて行ったのが王魔である。
「大丈夫ですか?」
「お尻が割れてないか見てくれぇ……」
「わかりました。見ますね。」
「いや!割れてるから!」
「娘の前で、エロは禁止だから!」
「いえ。私は、王魔様の無事を確認したいだけですから。」
そう言って、ニヤニヤしながらバイは王魔の尻を出すように促す。更に
「人間には、お尻のある部分を痛めると不能に成るみたいですよ。ま、この世界の人間ですから王魔様と一緒とは限りませんが……どうします?」
‘不能’になるのは嫌なので、バイに乗せられる感じで王魔からケツをめくる感じになる。
「……どぅだ?大事な所を痛めてないか?」
「私、思ってたんです。王魔様のお尻のホクロ、私は無い方がキュートで素敵です。なので、除去しますね。」
「その、ホクロが不能の原因か!?」
ウンウンと頷くバイ。そこに待ったの声が!
「バイ様!私は、そのホクロがあった方が王魔様らしくて可愛いです。」
そういうのはテッカである。テッカは学校へ行ってないが、屋敷には一緒に住んでいる。
これから王魔のお尻にホクロが必要か不必要かで討論となりそうだったので、ケツを出していたがズボンをもとに戻して食卓へ着いた。
ナニも無かったように王魔は話し出す。
「シバ!なんで大人になったんだ。」
「御父様ごめんなさい……」
シバの『ごめんなさい』で即許した王魔、続く言い訳を聞かず言ってしまう。その後も、シバの理由を聞いている内にあることが判明する。
それは、重大な事であった為に強きなバイとやや負けていたテッカの言い合いは終了になるほどだった。
……
「じゃあ、シバは私達の光輝く物が見えると。」
「でも、御父様みたいに触ったり形状変化出来ないの。ちなみに、あの人が出したのは光輝く刀でしたよ。教室の窓は切れて無かったけど。」
「そうだよ。あれは、物質には無害なんだよ。光輝く物は、光輝く物しか反応しないんだ。」
「でもどうして私には見えたんだろう。やはり御父様の血が!?」
当然!ってな感じでふんぞり反っている王魔。その後に『私も御父様みたいに、だらしなくなるのかな?』の言葉を聞いて上の空だ。
「血か。そうね!今日は学校休みましょう!」
……
綿密なる話し合いの結果により決定する。
ということで、召喚により母とジュリを呼び出す。その後、母に‘元竜’の名を知っているか聞いてみた。
ちなみに、父は全く見えてないし転生しても見えて無いので、父の血では無いのは分かる。
「あー!この中に、蒼の子供がいるのねー!……あと何ヵ月なの?」
「バイさんにはデキてなかったの?」
「バイのは、もう産まれてもう大人になった。」
「なんでも、足手まといになりたく無いんだってさ。」
『へ?』という蒼は、王魔が指差す方へ向いた。見事に大きくそして美人になっていたシバを見て
「母ちゃん!残念だけど、もう一緒にお風呂さえ入れなくなってしまったんだ。」
「なんで大人になってしまったのぉ!!これからじゃない!?これから沢山あるじゃないの!?」
「色々な服やオモチャを与えれないじゃないの!?」
「蒼ちゃん!子供は大きくなるものよ。仕方がないじゃない。魔の者は魔力で成長しちゃうの。」
ジュリが魔の者の説明を淡々と説明する中、母は涙を流し鼻水さえ流していた……王魔と共に。そんな、まとまりが!収集出来ないと悟ったのかフォローとして
「ですが、ある一定以上は育ちません。それに年と成長は別ですから、見た目はアレですが一年後は一歳の誕生日が出来ますよ。」
「テッカちゃんは、普通に産んでね!子供服や女の子ならお雛様とか買うから!」
「そうだぞ!男なら、甲冑と鯉のぼりを想像魔法で出してやるから!」
ジュリのフォローは完全無視である。
「改めてだけど、私が王魔の母の蒼です。昔の名前は白井福子です。」
「よろしくねシバちゃん!」
(ああ、おばあ様の血が濃い事が出来る分かったわ。)
「はい!こちらこそよろしくお願いします。おばあ様。」
「!!」
(やっべ!これやべえ!孫に呼ばれるって気持ちいいわぁ!)
「おばあ様も良いけど、おばあちゃんかバーバって呼んでね。」
「分かった!バーバ。」
(おぶぅ!たっ、たまらん。こんなに孫パワーが強いなんて、こんな大きくなった孫でもこんなに心地良いなんてぇー!)
母は、鼻血を出しながらグッ!!とサインを出している。
読んでいる方は、迷いませんように。王魔の母は、自分の子に本当は「蒼」と名前のハズが新八になってしまった……そういうお話しがありますから、探してください。
決して、蒼一人で演技してませんから。




