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掌編小説集7 (301話~350話)

対応

作者: 蹴沢缶九郎

とある飲食店の列に並んでいた一人の男が、突然騒ぎ出した。


「おい、遅いぞ!! この店は一体いつまで待たせるんだ!! もう二十分は並んでるぞ!! 店員何とかしろ!!」


騒ぎを聞きつけ、店から現れた店員が、凄まじい剣幕で怒る男をたしなめる。


「お客さん、落ち着いてください。他のお客さんもいますので、もうしばらくお並びになってお待ちください」


しかし男はそんな店員の対応に納得が出来ないらしく、並ぶ人々の前で店員を怒鳴りつけた。


「ふざけるな!! これ以上待てるか!! 俺を誰だと思ってるんだ!! お客様だぞ!! 店員の分際でお客にたてつきやがって!! 早く俺を席に案内しろ!!」


「無茶を言わないでください。他のお客さんも…」


「うるさい!! 俺を…」


そこで、店員は「ふう」とため息をつき、仕方ない様子で懐から拳銃を取り出すと、騒ぐ男の額めがけ引き金を引いた。男はその場に崩れ落ち、二度と起き上がる事はなかった。


当たり前に男を殺した店員は、周りに並ぶ客達に、


「お騒がせしてすいませんでした」


と詫びて、店内に戻っていった。


店側からすれば、業務の支障となる客は殺されて当然であり、客を神扱いしていたのは遥か昔の話である。

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