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俺も彼女も結婚不適合者  作者: 高壁護
第0章 中学~高校入学直前
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久しぶりの会話

 制服を取りに行く期間は四月三日~四月五日。

 常清(じょうせい)高校入学式が四月七日。

 現在、四月二日。


 高校から出されていた課題を終わらせ、積んでいた小説(ライトノベル)を読んでいた。


 今、家には誰もいない。朝起きたときにはすでに九時半で、両親は働きに行き、(そら)は部活に行っている。ちなみに、空は俺の妹です。あと、何の部活に入っているかは知らない。


 ベッドでゴロゴロすればするほど、歩く気力がどんどん無くなる。九時半に起きて、朝ごはんも食べず、気が付けば、昼の十二時を回っていた。


 明日は、制服を取りに行くために意地でも歩かないといけない。そのことが面倒くさいと思う俺は異常ではないと信じている。


「よいしょっと」

 今日、最初に喋った言葉は、よいしょっとだ。

 中学校のとき、一日も喋らなかった日がある俺にとって、喋るという行為は果たして必要なのか?

 本当は要らないんじゃないのかと思った中三の俺は、確実に頭がおかしいと思っている。


 リビングに行き、コーヒー牛乳を飲みながらテレビを見ていた。昼はニュース番組か情報系バラエティぐらいしかないので、俺はニュースを見た。


 その時、ニュースでやっていたのは、「結婚不適合者」の話題で、今年が「結婚不適合者」の更新の年で、その特集をやっていた。


「結婚不適合者」とは、結婚に向いていない人を、国が直々に認定していくということで、国で定められた正式な法律である。

 十五才から五十才までが対象で、現在二十万人の人が、この「結婚不適合者」に認定されているらしい。「結婚不適合者」に認定されるということは、かなり恥ずかしいものであるらしい。ただ、認定の解除もあるらしい。

 故に、「結婚不適合者」にならないようにするために、男性も女性も異性に対しては積極的になりつつある。その結果、未婚率が低くなり、昭和ほどではないが、一年で産まれる子どもの数も、増えていることが国の調査で明らかになっている。

 今、何故ニュースで特集されているかというと、この「結婚不適合者」の認定が、三年に一回のペースで実施されていて、今年の春が認定かどうか、あるいは解除かどうかという更新があるので、全国の人が一番興味を持っている話題である。

「結婚不適合者」の通知は、認定されると、市役所から封筒が届くらしい。ある意味、赤紙といってもいい。それが来れば、最低三年は「結婚不適合者」というレッテルを貼られてしまう。


 ネットでたまたま調べたとき、「結婚不適合者」は、借金をしていて自己破産したり、元犯罪者や、引きこもりぐらいしか認定されないとか書いていたので、普通の生活をしていれば認定されることは、ほぼないと思っている。


 コーヒー牛乳を飲み干し、スナック菓子を部屋に持っていこうと思っていたとき、


 ピーンポーン。


 インターホンが鳴った。

 俺は無視した。

 どうせセールスマンか、宗教勧誘だろう。


 ピーンポーン。ピーンポーン。ピーンポーン。

 何度も鳴った。

 俺は嫌々ながら玄関を出た。


「何回も、なんですか?」

 そこにいたのは、

(つばさ)・・・久しぶりだね」

 自分の幼馴染の真由(まゆ)だった。



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