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俺も彼女も結婚不適合者  作者: 高壁護
第1章 1年1学期(4月~5月)
42/112

解決案とか普通は浮かばない

 相談者が部活に行ってから約三十分経った。

 俺も空本(そらもと)さんも悩んでいた。

もちろん、明日のことじゃなくて、相談の方だよ。

 相談者がいなくなってしまい、現状では、解決案を頭からひねり出さないといけなかった。

 そもそも、一目惚れするって今時あるのかな?

空本さんもかなり美人さんなんだけど、違うとか、あり得ないでしょ。というか、空本さんより美人さんがいるなんて、めちゃくちゃ会ってみたい。

「なに考えてるの?」

「いいえ、なんにも」

 こんなこと、言ったら確実に雰囲気が悪くなり、明日に影響が出てしまう。


「とりあえず、今は、解決案考えないといえないからな。どうしようかな?」

「でも、何にも考えが浮かばないんだよね」

「そうですね」

他人の恋愛事なんか、本当にどうでもいい。

「とりあえず、この先どうする?」

「この先?」

「月曜日にもう一回部室に呼ぶとか、告白のしかたを考えておくとか」

「そうだね。月曜日にもう一回呼ぼっか」

「正直なことを言うと、この相談って、こっちは、そんなにすることがないっていうか、出来ないじゃん」

「そうだね」

「俺的には、とっとと見つけてもらって、告白でもなんでも勝手にしてくれって思うんだよ。成功したら、その勢いで、校外活動とか楽しんでもらった方がいい」

「フラれたらどうするの?」

「同じクラスの人に慰めてもらって、部活にいっそう力を入れてもらいたい」

部活に高校三年間捧げる男子なんか、超モテると思うけどな、甲子園か、国立競技場か知らないけど、やっぱり努力する人は女の子が見てくれるって。

 つまり、俺も今、めちゃくちゃ知らない人の恋愛相談に乗って、解決案を出そうと努力してるから、必然的に誰かが見てくれてるんじゃないかな?

 周りを見渡して見れば、空本さんしかいない。

 空本さんのためにも、頑張りましょう。



 俺は、誰と誰が今、付き合ってるとか正直知りたくない。

 芸能人じゃないんだから……誰もお前らに興味なんか持ってねぇから!!

 考え続けて、更に時が経っていく。

 だんだん頭が回らなくなって、悪口が出てくる。

「ねぇ、水本(みずもと)君って告白経験者でしょ?」

「うん……まぁ」

「経験談教えてあげればいいんじゃないのかな?」

 失敗例を教えたって何にも得るものないよ。

 失敗は成功のもとだろうけど、多分俺の告白は、結構、完成形に近いものだと思うんだよ。

純粋に、好きですって言ったから多分告白としては完璧ですよ。パーフェクト、エクセレントですよ。

「告白したときってどんな気持ち?」

「この質問前もされたような気が……」

「そうだっけ?」

「多分したはずだよ」

「でも、もう一回聞いてみたい」

「まぁ、覚えてないみたいだから話すわ。どうせ暇になりかけてたし」

「お願いね」

「告白したときって、今まで溜め込んでた気持ちを吐きだしたから、すごいホッとしたんだよな。言えてよかったって思ったんだよな」

「ふぅーん」

 もしかして、興味ない?

 やっぱり同じ話をしたと思うよ。


 そして、帰る時間になってしまった。

とりあえず、各個人で考えて、月曜日の昼休みにここで、ごはんを食べながら言い合うことになった。


「それじゃあ、水本君、また明日ね」

「うん。また明日」


 明日は、空本さんと買い物というか、買い出しというか、とりあえず遊びに行く。



「はぁ、月曜日にアイデア出すのか……」

 俺は、ベッドで考え込んでいた。

 一目惚れした相手に告白するということ。

 しかし、相手は自分を知らないということ。

 この二つが今回の相談の重要な部分である。

 というか、この二つしか存在しない。

 そういえば、俺はどうして真由(まゆ)のこと好きになったんだろう? 単純に一緒にいたかったからかな?

 真由のことが大好きだった自分は今も存在する。

 何年も想ってた分、そんなに忘れられない。

 ただ、時が経てば忘れることもできるだろう。

 そんなことより、明日の買い物だな。

お金はある程度は、持っていくとして、待ち合わせの時間が昼の一時なので、昼ごはんは一緒に食べるのだろうか? それとも家で食べてから行くのか?

どっちなんだい。聞いてみよう。

「明日、昼ごはんどうする?」

 早速メールで聞いてみることにした。

「一緒に食べてから行きたいです」

 返信は意外と早かった。

「了解です」

 まぁ、明日恋愛相談についても少しは話せるかもしれないから、こちらとしても嬉しい限りです。


 明日晴れてほしいなぁ。

天気予報は、降水確率は(れい)パーセントなのだが、実際、降る可能性は五パーセント未満であるだけで、降るかもしれないんですよ。

 てるてる坊主でも作っとこう。安心したい。

しかし、やる気がないので、すぐに断念しました。


 もう寝よう。寝てリフレッシュしたい。

 それでは、おやすみなさい。

 明日も頑張って、動こう。


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