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俺も彼女も結婚不適合者  作者: 高壁護
第1章 1年1学期(4月~5月)
21/112

部活二日目

 今日は、弁当を作ってもらえていた。

 弁当をカバンに入れ、家を出る。

「おはよっ♪ (つばさ)

「おはよ」

「私以外の女の子と仲良くしちゃダメだよ」

「できるだけ頑張る。真由(まゆ)もだぞ」

「何が?」

「そ、その……俺以外とあんまり仲良くしない」

「うん♪ 分かった♪」

 俺と真由は、別々の方向に向かって自転車で走っていく。


 今日から本格的に授業が始まる。

 一時限は、化学で、原子表を少し覚えないといけない。水素、ヘリウムから始まり、カルシウムの辺りまで。大学入試のためにしか覚えない。


 次の時間は、現代文だ。女の先生だった。

 今回は、テストが返ってくる。

 村上(むらかみ)君とは、数学で僅差だったから、なんとか勝ちたい。

 結果は、俺が「81点」。村上君が「62点」。

 勝ちました。残すは、英語のみ。

 ただ、部分点とか、全然もらえなかったり、漢字の書き取りも、三問も間違えてたりと、勉強してなかったら、とんでもない点数になったいた。


 次の時間は、現代社会であったが、授業の進め方やノートの取り方などを、五十分間フルで喋って終わった。おばちゃん先生に感心するわ。


 次は、英語の時間だ。

 テストが、返ってくる上、これで最後なので、合計点も分かってしまう。ちなみに四十代ぐらいのおじさんの先生でした。

「それじゃあ、テスト返すぞ」

 テストを順番に返される。

 普通に緊張する。俺の順番だ。


「よく出来ていたぞ」


 先生からの一声が、スゲー嬉しい。


 結果は「93点」。合計点は269点になった。

 出来れば、あと一点欲しかった。平均90点になってたからなぁ。ちょっと、悔しい。

 テストを見直して、先生がミスしてないかどうか確認をする。

 全然ミスしてねぇじゃねーか。真面目か!。

 この点数で、学内の順位はどうなるのだろうか?

 三百人中で、十番以内に入りたい。


水本(みずもと)くんどうだった?」

「93点だったけど。村上君は?」

「僕は、76点だったよ」

「そっか、それじゃあ、昼ごはん食べよーぜ」

「そうだね」

 村上君の机を使って、一緒に弁当を食べる。


 五時限は、体育館で、四月の下旬に行われる校外活動の説明会があった。

 校外学習とは、二泊三日で、山の宿舎に泊まり、色々な活動をしていくというものである。

 一応、スケジュールのプリントをもらったが、あとで、しおりは、クラス委員で作るらしい。

 それから、先生から説明を聞くことになった。


 六時限は、クラスで校外活動の班分けをすることになったが、名前の順番で分けることになった。

 俺と村上君と水谷(みずたに)君の男子三人と、藤本(ふじもと)さんと松井(まつい)さんと松村(まつむら)さんの女子三人で、班になった。

 班長は、クラス委員という理由で、俺になった。

 女子からよろしくねと言われた。

 頑張りますぐらいしか言うことがない。

 そして、バスの座席を決めないといけないので、みんなが席に戻っていく。


「委員長と副委員長は、前の席に座ってね」


 先生から、そう言われ、バスの座席表の一番前の席に名前を書かれてしまった。空本(そらもと)さんと隣同士で。

 女子と隣同士は、あまり好きじゃない。

 村上君とならいいんだけどね。

 バスの座席は、大体明るいやつが後ろにいき、暗いやつが前の方になり、そこで本を読む。

 六時限が終わり、ホームルームが始まる。

 明日、朝一番に持ってきます宣言があったが、今日は何かが起こることもなく、終わりそうだ。

 あぁ、部活か……。面倒くさい。


 部室に行く前に、職員室で鍵を取りに行く。

 鍵をもって、あの部室まで早歩きでいく。

 もし、空本さんが待っていたら悪いので。

 部室の前に到着したが、まだ来ていなかった。


 開けると、昨日の状態だったので、一応、相談室のように模様替えをした。

 簡単に言うと、面接する部屋みたいにした。

 俺と空本さんが面接官側で、相談する人が面接を受ける人という感じにした。


「勉強でもするか・・・」


 俺は、椅子に座り、机に勉強道具を置き、音楽プレイヤーでアニソンを聞きながら勉強を始める。

 アニソン聞いていると、集中力とテンションが高まるので、高校入試までの間、今までもほとんどそんな感じで、勉強していた。

 まずは、化学から勉強しよう。



 それから、時間が結構経った気がした。

 イヤホンを外して、少し休憩する。

「ふぅー、勉強ってしんどいな」

「あのー?」

「えっ? あっ、空本さんいたの?」

「水本くんひどいよ。ずっと隣にいたのに……」

「ごめん、集中して気付かなかった」

 入ってきたことは、おろか隣にいても気付かないとか、俺って集中力メチャクチャあるな。

「部屋の模様替えしてくれたの?」

「うん。したけど」

「ありがとう。部活、一緒に頑張ろうね」

「相談者なんて、ほとんど来ないと思うよ」

「えっ? 何で?」

「知らないやつに、自分の恋愛の相談なんかしたくないもん。それに、この部室は目立ちにくい場所だから、なかなか来ないよ」

「じゃあ、どうしたらいいの?」

「この部室で、勉強すればいいと思う」

「それは、ダメだよ」

「そういえば、空本さんテストどうだった?」

「えっ・・・えーと、英語が91点で、国語が90点だったよ」

 えーと、確か数学が92点だったから、合計点は負けてる。悔しい。メチャクチャ悔しい。

「水本くんは?」

「中間試験で、空本さんにリベンジする」

 目標を宣言して、俺は、アニソンを聞く。


「今日の部活終了です」

先生が入ってきたらしいが、俺は気付かなかった。

空本さんに、イヤホンを外され、

「先生来たよ」

「分かった」

「鍵閉めよろしく、お疲れ」

 あの人、本当に顧問なのだろうか?

「水本くん」

「空本さん、どうしたの?」

「明日は、ちゃんとお話しようね」

「うん。そうですね」

 何か、空本さんと俺、は噛み合わないような気がする。仲良くなるには、時間がかかりそう。

「後、『さん』付けやめてね」

「ごめんなさい」

「それじゃあ、帰ろっか」


 職員室で、先生に鍵を渡して帰る。


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