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俺も彼女も結婚不適合者  作者: 高壁護
第1章 1年1学期(4月~5月)
20/112

幼馴染の嫉妬?

 俺は、家に帰り、自分の部屋の電気をつけた。

「ん?」

 ベッドの布団が、膨らんでいた。

 布団から、黒い足が出ている。

「人が寝てる」

 俺は、恐る恐る、布団を開く。

 そこで寝てたのは、真由(まゆ)だった。

 あまりにぐっすり寝ているので、起こさないように、電気を消して、部屋を出た。

 リビングに向かい、母さんと出会った。

「真由が部屋で寝てるんだけど」

「あぁ、今日ね、確か四時頃に、真由ちゃんが来たの。まだ、翼は帰ってないよって言ったら、部屋で待ってるって」

「母さん、今日仕事昼までだったの?」

「そうだよ」

「じゃあ、真由の分の晩ごはん作ってるの?」

「もちろん作ってるわよ」

「じゃあ、真由を呼んでくる」

「空もついでに呼んできて」

「分かったー」


 まず、妹の(そら)を呼ぶ。

「空、晩ごはんだから、リビングに来いよ」

「はーい」

 多分、これで大丈夫。

 俺は、自分の部屋に入り、電気をつける。

 布団を顔までめくる。

「真由、起きてください」

敬語なのは、小学生のとき、起きろって言ったら、超不機嫌になったからである。

「んー、んっ」

今度は、ほっぺをチョンチョンする。

あまり、強く叩かないようにするのがいいらしい。

「うーん?」

 どうやら起きたらしい。

「つ、つ、(つばさ)!」

「おはようございます。真由さん」

「えっ、おはよう? あれ?」

「晩ごはんできたから、リビングに来て」

「う、うん」

 俺は、そう言い残し、部屋を出ようとすると、

「翼~、歩けないー、おんぶしてー」

 真由が手をブラブラさせて、待っている。

 真由のところに向かう。

「分かった。歩けないのか」

「うん♪ え、え? ちょっと、翼ー!」

 俺は、真由を抱っこした。

 真由の体を受け止めている。真由の胸が当たる。

 思ったより軽いな。真由が少し暴れる。

「下ろせー!」

「分かった。下ろす」

 だいぶ調子に乗ってしまった。

 顔を真っ赤にした真由を下ろす。

「ごめん、真由」

「うぅ、翼のばかばかばか」

 泣きそうになっていた。後で、謝ろう。

「歩いて、リビングに行けるか?」

「・・・抱っこ」

「えっ?」

「抱っこが・・・いい」

 二回目は恥ずかしい。一回目は、ドッキリみたいなものだったので、遊び半分でやっていたから、今度は、絶対意識してしまう。

「分かった」

 俺は、真由を再び持ち上げ、抱っこする。

 真由は、さっきよりしがみついている。

 真由と触れ合ってる部分に神経が集中する。

 真由のハァハァという吐息が、エロく感じる。

 俺たちは、一体何をしているんだろう?

 もはや、友達とかいうレベルじゃない。

 彼氏と彼女じゃねーか。



 遡ること三時間前。

学校から帰ってきたので、翼の家に、お邪魔する。

 翼は、帰宅部だから、早くて四時、遅くても五時には、帰ってるはずなので、部屋で待ち伏せする。

 しかし、待っていても帰ってきてくれない。

 五時になっても、帰ってこない。

 翼がどっかで、事故に遭ったんじゃないかと不安になってしまう。一応メールをしておく。

翼の部屋を見渡す。ベッドがある。

 バレないよね。翼のお母さんがいるけど、怒ることは無いだろう。

 気が付くと、布団の中に入っていた。

 翼の匂いを堪能する。前は、一瞬だったけど、今は、帰ってくるまでの間ずっと。

 私変態なのかな? でも、好きな人の匂いを嗅ぐのは、多分いいことだと思う。

 最近、私は、翼への愛情が日に日に増していると思う。早く、翼の彼女になりたい。

 そう願い、私は、布団のなかで寝てしまった。


 起きると、翼が目の前にいた。

 翼の部屋のベッドで、寝てしまった。

「晩ごはんできたから、リビングに来て」

 なんだかそっけない。私が来てるのに、相手にしてくれない。

 少し嫌な気分だ。

だから、私は翼に甘えたくて、ワガママを言った。

「翼~、歩けないー、おんぶしてー」

 おんぶしてもらいたかった。

 翼がやって来た。やった、おんぶしてくれる♪

 そう思っていたら、突然抱っこされた。

 まさかの展開に、思わず、

「下ろせー!」

 と言ってしまった。せっかくのチャンスなのに。

 そして、翼に下ろされた。

「歩いて、リビングに行けるか?」

 チャンスが舞い戻ってきた。

 恥ずかしいけど、言うしかない。そう思い、

「・・・抱っこ」

 言っちゃったー。

「抱っこが・・・いい」

そう言うと、翼が持ち上げてくれた。

 翼の顔が、真横にある。すぐにキスできる距離。

恥ずかしさと嬉しさが混じって、息が荒れちゃう。

「ハァハァ」

私もだけど、翼も顔が真っ赤だった。

 私たち、まだ付き合ってないけど、結婚生活は上手くいきそうだ。



 俺たちは、リビングにやって来て、晩ごはんを一緒に食べた。


 部屋に戻ると、真由も当たり前のように部屋に入ってくる。

「翼が今日帰ってくるの遅かった理由は何?」

尋問が始まった。

「放課後に先生に呼ばれたからです」

「だとしたら、帰ってくる時間が遅すぎるよ」

「そんなことはない」

「嘘ついちゃだめ。本当のこと言って」

 真由が、詰め寄ってくる。顔が近い。

「・・・部活に強制入部させられた」

「どういう部活なの?」

「よく分からないんだよ」

 本当によく分からない。『恋愛相談部』って何?

「他の部員はいるの?」

「俺と同じクラスの女子と、二人きりらしい」

「女子と二人きりで、部活……」

「それが、帰るのが遅くなった理由です」

 空本さんのことは、あまり話さないでおこう。

「つまり、私以外の女の子とイチャイチャしてたんだ」

「イチャイチャなんかしてない」

「どうせ、私なんか思い浮かばなかったんでしょ」

「うん」

「否定してよー」

「あっ、でも、真由の話はしたよ」

「ふーん。どんな話?」

「真由が、俺を振った話、彼氏を作った話、家で喧嘩した話」

「私の悪い話しかしなかったんだー。ひどいよ」

「んで、結局、友達の関係に戻った話をした」

「・・・」

「そしたら、その女子が、真由が俺を騙してるって言ったのは覚えてる」

 すると、真由が無表情になった。

「それ、信じてないよね?」

「何が?」

「私が翼を騙しているってこと。信じてないよね?」

「真由がそんなことするとは信じたくない」

「つまり、少し可能性があるって言ってるよね?」

 やっぱり、少しは疑ってしまう。


「翼のためなら、何でもするから、二度とそんなことは思わないで!」


 真由が本気で、怒っている。

「ごめんなさい。真由を信じます」

「信じてなかった翼にはお仕置きだね」

「えっ」

「ベッドに寝てください」

「いやいや、お互い高校生だし、そういうのは」

「お・し・お・き」

「はい……」

 俺は、仰向けで、ベッドに寝る。

 真由が、馬乗りになって、俺に乗る。

 真由の手が、俺の服の中に入ってくる。

 そして、俺は、くすぐられる。

「こちょこちょこちょ」

「・・・」

「こちょこちょこちょ」

「・・・」

「こちょこちょ・・・何で効かないの?」

「真由のくすぐりはもう効かない。残念だったな」

 勝ち誇ってる俺だが、結構我慢した。

「お仕置きにならないじゃない!」

「諦めなさい」

「こうなったら・・・」

 真由の顔が近づいてくる。そして、

「あぁ、真由、耳舐めないで。くすぐったいよ」

 耳を舐められました。

「翼は、耳弱いんだー。情報ゲット♪」

 そして、真由は、耳に舌を入れたりしてきた。

 さすがに、それはダメだと思い、

「もうやめて」

 と言って、

 俺は、何とか真由をひっくり返そうとした。

 真由を強く抱きしめ、ひっくり返す。

 その時に、偶然、真由のお尻を触ってしまった。

「ヒャンッ! ふふ、もう、エッチだね」

 今度は、俺が真由を馬乗りしていた。

 端から見たら、俺が真由を襲ってるようにしか見えない。

「翼の中の狼さんに、食べられちゃう」

 そう言い、真由は、目をつぶった。

 この流れは、キスの流れだ。

 ここでしなきゃ、男としてどうなのだろうか?

 真由を全身眺める。

 スカートがはだけて、下着が見えてしまってる。

 色はピンクで、いかにも女の子っぽいものだ。

 これは、興奮してしまう。俺でなくても。

 俺は、決心して、真由に

「いたたたたっ」

 ほっぺをつねってあげた。

 俺と真由は、ベッドから起き上がる。

「キスしてほしかったなぁ」

「俺も一瞬しようと思った」

「何でしてくれないの?」

「恋人同士じゃないから」

 やっぱり、恋人になってから、キスしたい。

「明日も学校かぁ」

 俺は、話をはぐらかす。

「部活もあるしな、早く寝よーと。真由も帰った方がいいよ」

「部活の女の子と仲良くしちゃダメだからね」

「実は、その女の子と入学説明会で会ったことあったから、すごい運命感じるなぁ」

「絶対、絶対ダメだからね」

真由が嫉妬してくれてるのかな?

俺は、なんて幸せ者なんだろうか。

「俺、モテ期来ちゃったのかな?」

 バカみたいなことを言ってみる。

「うぅ、やだ」

「冗談だよ。その子、お嬢様だったから、俺なんか眼中にないと思うよ」

「でも、その子に告白されたらどうするの?」

「うーん・・・」

「断ってよ。翼の隣は、私のものなんだから」

「告白されたらOKするかも」

「私が告白したら?」

「もうこんな時間だ。早く帰りなさい」

「質問にはちゃんと答えて!」

「お風呂入ってきまーす」

「もぅ、翼・・・女の子はそんな単純じゃないよ」

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