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俺も彼女も結婚不適合者  作者: 高壁護
第0章 中学~高校入学直前
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入学説明会(前編)

 中学校の卒業式から二週間後。

 俺は高校の入学の説明会に行かないといけなかった。これから通う高校までは、電車で三十分、降りる駅から徒歩十分のところにある。

 家の近くにも高校はあるが、その高校は俺の中学校の卒業生が半分以上行くので、中学校の同級生とあまり会いたくない俺にとっては最初から志望校としては消去していた。

あんなトラウマ中学校のことは思い出したくない。携帯電話のアドレス帳に、もう同級生の名前は、存在しない。


 今日の説明会は、体育館で校長先生から話を聞いた後に教科書や体育館シューズなどの購入や制服の採寸を予定されていた。俺の親は共働きなので、一人で行くことになってしまった。リビングのテーブルに教科書を買うためのお金が置かれていた。


(十万もあるから、余ったら漫画でも買おうかな)


 そんなことを思いながら、俺は中学校の制服を着て家を出た。駅まで自転車では七、八分ぐらいなので、自転車で行くことにした。


 まだ少し寒さが残っている中で、ペダルを強く踏み込み、どんどんスピードが速くなっていく。向かい風なのでよりいっそう寒さが増す。

 駅にはすぐ着いたので、電車が来るまでラノベを読もうかなと思ったが、かばんに入れ忘れてしまった。少しため息をついて、携帯でしばらく暇つぶししながら電車を待つことにした。


 電車に乗ると、何人か制服を着た人を見た。

 時刻は八時三十六分。

 そもそも今は春休みなので、この時間に制服を着ている人は、部活か説明会ぐらいしかないと確信していた。


 電車で三十分ぐらい揺られ目的の駅に着き、ホームに降りると、何人か制服を着ている人達がいた。


(あの人達、同級生になるのか......友達になれるかな)


 中学校で友達がいなかった俺にとっては、友達を作るというのが高いハードルとしか思えない。


 歩くこと十分。


 現在の時刻九時二十分。


 予定より早く着いてしまった。



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