男子とデート?
本日は日曜日であります。
村上君と遊びにいく日であります。
昨日のように、服選びに悩まなくていいのが、すごく楽に感じる。
待ち合わせ時間は十一時半で、俺が、高校に行くときに、降りる駅の改札口の前が、待ち合わせ場所だった。
一応、十五分前には、着いておきたいので、少し早めに出る。
時刻は、十一時十分。
改札口に向かうと、村上君らしき人がいた。
「村上君」
「水本君。おはよう」
「もしかして、待たせた?」
「ううん。今来たところだけど?」
「早めに来といて、良かった」
「僕こそ、早く来てごめんね」
「いや、謝らなくていいよ。それより昼ごはん今からでしょ? どこにいくの?」
「えーと、この近くに、ファミレスがあるから、そこに行こうかなって、思ってる」
「分かった。それじゃあ、ちょっと時間は早いけど、混む前に行こうぜ」
「そうだね」
女子とデートしている気分になるのは、何故だろう?
村上君の喋り方が、少し女子っぽいことが原因かな?
こうして、俺たちは、ファミレスに行った。
早めだったから、待たずにそのまま入れた。
「何、食べよっかなー?」
「水本君は、こういうのすぐ決められないタイプ?」
「あー、そうかもな。即決では無いかな」
「僕はもう、決めたけど」
「待たせてごめん」
「大丈夫だよ。ゆっくり決めていいから」
「ありがとう」
なんか心地がいいな。昨日より気分がいい。
村上君は、人を包み込む才能があるのかな?
俺は、チーズ入りハンバーグとライスを頼んだ。
村上君は、たらこスパゲッティを頼んでいた。
村上君が、乙女に見えてくる。
ファミレスを出た俺たちは、とりあえず歩くことになった。そもそも、特に目的はなかったし、二人で、遊びに行くということなので、入りたい所があったら、そこに行く感じだ。
しばらく歩いていくと、ボウリング場があった。
「ボウリングしない?」
いい案だと思い、村上君に聞いてみた。
「そうだね。賛成です」
俺たちは、ボウリング場に入った。
俺たちは、六ゲーム投げ放題というコースに選んだ。
一ゲーム目の第一フレーム。
投げる順番は俺が先だった。
そして、力強く投げた。
ストライク。
俺は、ガッツポーズ。村上君も、すごーいと言って、俺とハイタッチしてくれた。
スゲー嬉しい。
次は村上君の番だった。
ストライク期待してるよとか言ってみた。
村上君は、力強く投げた。
ガター。
一番前のピンの二メートル手前ぐらいで、溝に落ちていた。
村上君が、へこんでいたので、ドンマイ、大丈夫と声をかけた。
村上君の二投目。
ボールは、一番左端のピンだけ倒した。
俺は、大丈夫だよとしか言えなかった。
第一ゲームの結果は、
俺は、152。村上君は、47。
「もしかして、村上君って、ボウリング苦手?」
「運動とか少し苦手で」
「ごめん。わざわざボウリングにしちゃって」
「いや、楽しいから大丈夫だよ」
村上君が、笑ってくれてる。
救われた気分だった。
「それじゃあ、あと五ゲーム、投げよっか」
「そうだね」
そして、五ゲーム投げきった。
後半は、腕がしんどかったが、とても楽しかった。
特に、第三ゲームの七フレーム目。
村上君が、初めてスペアを出したときは、めちゃくちゃはしゃいでしまった。
そして、第四ゲームの三フレーム目。
村上君が、遂にストライクを出した。
泣きそうになった。
今まででボウリングに来た中で、一番楽しかったかもしれない。
ボウリング場を出て、近くにゲームセンターがあったので、そこに行くことにした。ゲームセンターは、そこまで混んではいなかった。
俺たちは、太鼓ゲームをやった。
俺は、中学校のとき、近くのゲームセンターで、やり混んでいたから、少し自信がある。
村上君が、
「どの曲にする?」
と言ってきたので、どれでもいいよと返した。
すると、オリジナル曲を選んでいた。
しかも、星が多い曲。
「もしかして、村上君って、このゲーム上手いの?」
「結構上手いと思うよ♪」
村上君は、普通に『おに』を選んでいた。
俺も負けじと『おに』を選んだ。
「大丈夫?」
村上君が、心配そうに俺を見る。
「中学校のとき、少しやってたから」
俺は、そう返したが、多分通用しないだろう。
ゲームが始まると、スピードが早い譜面がきた。
村上君は、スゴいバチ裁きで、得点を稼いでいく。
俺も何とかついていっているけど、村上君の足下にも及ばない。
一応ノルマクリアはしたが、村上君は、フルコンボを叩き出していた。
もう一曲は、遊ばなかったが、村上君が、やっているところを、見たくなった。
村上君に、お願いして、やってもらった。
感想は、ただ単純にスゴいとしか思わなかった。
メダルゲームや、UFOキャッチャーで遊び、俺たちは、帰ることになった。
「また遊ぼうぜ」
「うん。それじゃあ、また明日学校で」
「うん。じゃあ、学校で」
そう言って、俺たちは、駅前で別れた。
久しぶりに、男子と二人で遊んだから、結構楽しかった。
俺は、電車に乗り、家に帰った。
明日は、憂鬱だ。
学校はいいにしても、放課後に呼ばれている。
面倒なことだと嫌だな。
明日から、午後まで、授業がある。
とはいっても、授業というより、いろいろ決めたりするので、そんなにしんどくはない。
弁当は、火曜日と木曜日に作ってもらえる。
その他の曜日は、コンビニで買ったり、食堂で食べたりすることになった。
明日は、コンビニでパンを買うつもりだ。
そんなことを考えて、明日の準備をした。




