高校生活二日目
今日は、課題テストがある日だ。
高校生になって、初めてのテストです。
テストあるあるといえば、友達に勉強やってきたかと聞けば、全然やってないとか言う奴が九割。
どんだけ、勉強したくないんだよ。
まぁ、でもテスト結果を見れば、嘘かどうかすぐわかる。本当にやってないやつは、点数がいつもよりちょっと低いぐらい。
勉強ができないやつは、一週間前からやっても、そんなに変わらない。
俺の場合、聞く友達がいないんだよね。
悲しいときー悲しいときーみんなのあるあるが俺だけ適用しないときー。
友達って、大切だよね。
午前八時。
教室に入ると、十人ぐらいしかいなかった。
みんな、静かに勉強していた。
俺は、席に座り、春休みの課題の問題集を見た。
九割ぐらいは、覚えたから、ある程度点数はとれる・・・と思う。
十分ぐらいしてから、村上君も来た。
昨日メールで約束した遊びにいく話を少しした。
具体的には、待ち合わせ場所が駅前で、昼ごはんを一緒に食べてから、遊びにいくという感じだ。
どこにいくかは、その日に決めるとのことだ。
八時二十分。
シャーペンと消しゴムとシャーペンの芯を机に置き、カバンを黒板の方まで置いていく。
時間割通りに進むため、試験時間は五十分。
八時半にスタートする予定である。
八時二十五分。
担任の森野先生が試験問題を配り始める。
それぐらいから、急いで来る生徒が増える。
どういう理由で、遅れてきているのか、一回聞いてみたい。ギリギリまで、寝ていたからなのか、もしくは、時間ちょうどに目的地に着くタイプの人なのか、よく分からない。
八時三十分。チャイムが鳴る。
一時限目は、国語である。
解答用紙に名前を書き、問題用紙を見る
問題集で出てきた長文が丸々出ている。
暗記してきた甲斐があった。
長文なんか読まずに、問題文を見る。
問題もほとんどそのまま出ていた。
少しだけ、追加された問題があったが、俺は長文をある程度読むと、答えを埋めた。
なぜ読むかというと、すぐに解答用紙に答えを埋めたら、すこし怪しまれるので、ちょっと時間をおいてから、解答用紙に記入する。
決して、カンニングではない。
カンニングペーパーを頭の中に入れてるだけだ。
暗記済みの答えをほとんど埋めて、追加されている問題を、何とか埋める。
部分点が貰えれば、儲けものである。
漢字の書き取り十問は、九問は確実に書けたが、あと一つが、微妙である。
先生からあと五分と言われ、全体的な見直しをする。
ちゃんと名前を書いてあるかも確認した。
俺は、シャーペンを置いて、眠りにつく。
キーンコーンカーンコーン。
「筆記用具を置いて、解答用紙を後ろから集めてください」
俺は起き上がり、集めてくる人に解答用紙を渡して、次の数学に備える。
村上君から、どうだったと聞かれ、問題集に出てたやつばっかだから、大体出来たと言った。
そう告げて、トイレに向かった。
数学は、集中力勝負な部分もあるので、トイレに行きたいとか思うと、すぐに、集中力が切れる。
数学は一番自信がある。
小学校から中学校まで、数学だけは、挫折を味わってない。問題集も、ほとんど答えを間違えてなかったので、安心できる。
トイレから戻ると、先生がすでに来ており、問題用紙を配ろうとしていた。
俺は、急いで席に座った。
試験問題と計算用紙が配られ、チャイムが鳴る。
試験問題を見ると、国語と同様、問題集から出てきたものばかりだったが、数字がすこし変わっていた。解き方を覚えているので、当てはめるだけだ。
試験が終わるまで、二十分を残したところで、全部解き終えた。あとは、一問ずつ見直せばいいだけだ。
あと五分となったときには、もう二回見直せた。
あと一回したら寝ようと思ったその時、俺は、驚愕する。
名前を書いていなかった。
あぶねぇと心の中で思い、ホッとする。
これが、よく言われるヒヤリハット現象なのかな。
なんか医療系のドラマで聞いたことあるあれ。
覚えたての言葉って、使いたいけど、使うのにちょっと躊躇うよね。
チャイムが鳴り、解答用紙兼問題用紙が集められる。
最後は、英語である。
正直言うと、苦手科目である。
単語が覚えられないし、長文に知らない単語が出れば、適当な訳になってしまう。
まぁ、今は、試験が問題集から出ろと望むだけだ。
問題集から出れば、ほとんど勝ったも同然。
俺は、少しだけ机に伏せて寝る。
試験問題と解答用紙が配られ、チャイムが鳴るのを待つ。これが終われば、あとは、部活動紹介を残すだけだ。俄然やる気が出る。
チャイムが鳴る。
今度は、最初に、解答用紙に名前を書く。
多分、今年もう一回ぐらい、数学のときと同じミスをすると思う。
英語の試験問題は、問題集から出たものだった。
叫びたくなる。ヨッシャー。勝ったぜぇー。
俺は意気揚々と、解答用紙に答えを埋める。
解答用紙にズレが無いように、慎重に埋めていく。
ちょっとだけ忘れてしまったところもあるが、ほぼ完璧に出来た気がする。
見直しも終わり、俺は、やることが無くなった。
明日のことも考えておかないといけない。
真由とのデー・・・買い物である。
親に金を貰っておかないといけない。真由の欲しいものを買ってあげたいと思っている。
他人のお金だけれど。
チャイムが鳴った。試験が終わった。
全員が一息をついて、口々に終わったという声が聞こえる。
先生から体育館に向かうよう言われ、体育館シューズを持ち、村上君と教室から出ようとした。
そのときに、先生から、
「帰りのホームルームが終わったら職員室に来て」
と言われた。
入学して二日で、職員室に呼び出しとか、超リア充なんじゃないだろうか。
村上君が心配そうな目で、見てきた。
そんな目で見ないで! 多分、何もないから。
体育館に向かうと、一年がほとんど来ていた。
部活動紹介は、基本的に運動部しかでない。他に吹奏楽部が出るぐらいだ。
最初に紹介されるのは、サッカー部だった。
リフティングをする部員。ドリブルをする部員。
マイクで部活動を紹介する部長。
全員、格好良かった。腹立つ。腹立つ。腹立つ。
最後に何かすごい技をやって、帰っていった。
女子からキャーという声が聞こえる。それが歓声なのか、悲鳴なのか、俺にはワカラナイ。
次に来たのは、村上君希望の卓球部だった。
ラケットを使い、ピンポン球をリフティングしながら来た。サッカー部に比べると、ちょっと地味。
部長が一生懸命説明していても、後ろの方で、カンコン、カンコンと音が出ているのが気になってしまう。
そして、説明が終わり、帰っていった。
それから、野球部、テニス部、バスケ部、水泳部、吹奏楽部と部活動紹介が終わり、最後は、空手部という流れで、部活動紹介が終わった。
昼の十二時頃に終わり、ホームルームを待つだけだ。
そして、ホームルームが始まると、プリントや時間割、月曜日までに提出の書類などが配られた。
月曜日からは、午後もあり、少しずつ授業が始まる。
本格的に高校生活が始まる。
もう失敗しないようにしたいと心の底から思う。
ホームルームが終わり、俺は、職員室に行った。
職員室の前に、先生の座席表が張ってあった。
そして、俺は高校で初めて職員室に入った。
しかし、先生の席を見ると、まだ来ていなかったようだ。
仕方なく待っていると、先生が入ってきた。
俺は、先生の元に行き、一緒に、先生の席まで行き、話し出すのを待った。
すると、先生から、
「水本くーん♪ 頼みたいことがあるの。いい?」
「とりあえず、その感じやめてください。見ていてイライラするんで。どうせ、演技でしょ」
「ふーん。先生信用されてないのね」
「年齢秘密とか言ってましたけど、本当はアラサ」
「死にたいの?」
三十路手前に、こんなこと言ったら、殺されるという証明が成り立ちました。
「はぁ、もういっか。こういうキャラ」
「もう少しぐらい粘ってください」
「あんたの前では、このキャラやめとく」
「ご理解頂けて光栄です。それで、用件は?」
「あー、次の月曜日の放課後、特別棟の三階の西側の端の教室に行きなさい」
「はぁ」
「どうせ、放課後暇でしょ? 返事は?」
「分かりましたけど、詳しいことは聞けないんですか?」
「それは、月曜日の放課後のその教室で説明する」
「この棟の三階の西側の端の教室ですね」
「あぁ」
「分かりました」
「話はそれだけよ」
「それじゃあ、失礼します。さようなら、森野先生」
「はい、お疲れー」
俺は、職員室を出て、先生が言った教室に下見をする。その場所に着く。
三階の西側の端教室。
そこは、何の教室かは分からなかった。
開こうとしたが、鍵が掛かっていた。
(面倒なことに、巻き込まれるんだろうな......)
俺は、その場所をあとにして、下駄箱に向かった。




