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俺も彼女も結婚不適合者  作者: 高壁護
第1章 1年1学期(4月~5月)
12/112

高校生活二日目

 今日は、課題テストがある日だ。

 高校生になって、初めてのテストです。

 テストあるあるといえば、友達に勉強やってきたかと聞けば、全然やってないとか言う奴が九割。

 どんだけ、勉強したくないんだよ。

 まぁ、でもテスト結果を見れば、嘘かどうかすぐわかる。本当にやってないやつは、点数がいつもよりちょっと低いぐらい。

 勉強ができないやつは、一週間前からやっても、そんなに変わらない。

 俺の場合、聞く友達がいないんだよね。

 悲しいときー悲しいときーみんなのあるあるが俺だけ適用しないときー。

 友達って、大切だよね。


 午前八時。

 教室に入ると、十人ぐらいしかいなかった。

 みんな、静かに勉強していた。

 俺は、席に座り、春休みの課題の問題集を見た。

 九割ぐらいは、覚えたから、ある程度点数はとれる・・・と思う。

 十分ぐらいしてから、村上(むらかみ)君も来た。

 昨日メールで約束した遊びにいく話を少しした。

 具体的には、待ち合わせ場所が駅前で、昼ごはんを一緒に食べてから、遊びにいくという感じだ。

 どこにいくかは、その日に決めるとのことだ。


 八時二十分。

 シャーペンと消しゴムとシャーペンの芯を机に置き、カバンを黒板の方まで置いていく。

 時間割通りに進むため、試験時間は五十分。

 八時半にスタートする予定である。


 八時二十五分。

 担任の森野(もりの)先生が試験問題を配り始める。

 それぐらいから、急いで来る生徒が増える。

 どういう理由で、遅れてきているのか、一回聞いてみたい。ギリギリまで、寝ていたからなのか、もしくは、時間ちょうどに目的地に着くタイプの人なのか、よく分からない。


 八時三十分。チャイムが鳴る。

 一時限目は、国語である。

 解答用紙に名前を書き、問題用紙を見る

 問題集で出てきた長文が丸々出ている。

 暗記してきた甲斐(かい)があった。

 長文なんか読まずに、問題文を見る。

 問題もほとんどそのまま出ていた。

 少しだけ、追加された問題があったが、俺は長文をある程度読むと、答えを埋めた。

 なぜ読むかというと、すぐに解答用紙に答えを埋めたら、すこし怪しまれるので、ちょっと時間をおいてから、解答用紙に記入する。

 決して、カンニングではない。

 カンニングペーパーを頭の中に入れてるだけだ。

 暗記済みの答えをほとんど埋めて、追加されている問題を、何とか埋める。

 部分点が貰えれば、儲けものである。

 漢字の書き取り十問は、九問は確実に書けたが、あと一つが、微妙である。

 先生からあと五分と言われ、全体的な見直しをする。

 ちゃんと名前を書いてあるかも確認した。

 俺は、シャーペンを置いて、眠りにつく。


 キーンコーンカーンコーン。


「筆記用具を置いて、解答用紙を後ろから集めてください」


 俺は起き上がり、集めてくる人に解答用紙を渡して、次の数学に備える。

 村上君から、どうだったと聞かれ、問題集に出てたやつばっかだから、大体出来たと言った。

 そう告げて、トイレに向かった。

 数学は、集中力勝負な部分もあるので、トイレに行きたいとか思うと、すぐに、集中力が切れる。

 数学は一番自信がある。

 小学校から中学校まで、数学だけは、挫折(ざせつ)を味わってない。問題集も、ほとんど答えを間違えてなかったので、安心できる。


 トイレから戻ると、先生がすでに来ており、問題用紙を配ろうとしていた。

 俺は、急いで席に座った。

 試験問題と計算用紙が配られ、チャイムが鳴る。

 試験問題を見ると、国語と同様、問題集から出てきたものばかりだったが、数字がすこし変わっていた。解き方を覚えているので、当てはめるだけだ。

 試験が終わるまで、二十分を残したところで、全部解き終えた。あとは、一問ずつ見直せばいいだけだ。

 あと五分となったときには、もう二回見直せた。

 あと一回したら寝ようと思ったその時、俺は、驚愕する。

 名前を書いていなかった。

 あぶねぇと心の中で思い、ホッとする。

これが、よく言われるヒヤリハット現象なのかな。

なんか医療系のドラマで聞いたことあるあれ。

覚えたての言葉って、使いたいけど、使うのにちょっと躊躇(ためら)うよね。


 チャイムが鳴り、解答用紙兼問題用紙が集められる。

 最後は、英語である。

 正直言うと、苦手科目である。

 単語が覚えられないし、長文に知らない単語が出れば、適当な訳になってしまう。

まぁ、今は、試験が問題集から出ろと望むだけだ。

 問題集から出れば、ほとんど勝ったも同然。

 俺は、少しだけ机に伏せて寝る。


 試験問題と解答用紙が配られ、チャイムが鳴るのを待つ。これが終われば、あとは、部活動紹介を残すだけだ。俄然(がぜん)やる気が出る。

 チャイムが鳴る。

 今度は、最初に、解答用紙に名前を書く。

 多分、今年もう一回ぐらい、数学のときと同じミスをすると思う。

 英語の試験問題は、問題集から出たものだった。

 叫びたくなる。ヨッシャー。勝ったぜぇー。

 俺は意気揚々と、解答用紙に答えを埋める。

解答用紙にズレが無いように、慎重に埋めていく。

 ちょっとだけ忘れてしまったところもあるが、ほぼ完璧に出来た気がする。

 見直しも終わり、俺は、やることが無くなった。

 明日のことも考えておかないといけない。

 真由(まゆ)とのデー・・・買い物である。

 親に金を貰っておかないといけない。真由の欲しいものを買ってあげたいと思っている。

 他人(ひと)のお金だけれど。


 チャイムが鳴った。試験が終わった。

 全員が一息をついて、口々に終わったという声が聞こえる。

 先生から体育館に向かうよう言われ、体育館シューズを持ち、村上君と教室から出ようとした。

 そのときに、先生から、

「帰りのホームルームが終わったら職員室に来て」

と言われた。

 入学して二日で、職員室に呼び出しとか、超リア充なんじゃないだろうか。

 村上君が心配そうな目で、見てきた。

 そんな目で見ないで! 多分、何もないから。


 体育館に向かうと、一年がほとんど来ていた。

 部活動紹介は、基本的に運動部しかでない。他に吹奏楽部が出るぐらいだ。

 最初に紹介されるのは、サッカー部だった。

 リフティングをする部員。ドリブルをする部員。

 マイクで部活動を紹介する部長。

 全員、格好良かった。腹立つ。腹立つ。腹立つ。

 最後に何かすごい技をやって、帰っていった。

 女子からキャーという声が聞こえる。それが歓声なのか、悲鳴なのか、俺にはワカラナイ。

 次に来たのは、村上君希望の卓球部だった。

 ラケットを使い、ピンポン球をリフティングしながら来た。サッカー部に比べると、ちょっと地味。

 部長が一生懸命説明していても、後ろの方で、カンコン、カンコンと音が出ているのが気になってしまう。

 そして、説明が終わり、帰っていった。


 それから、野球部、テニス部、バスケ部、水泳部、吹奏楽部と部活動紹介が終わり、最後は、空手部という流れで、部活動紹介が終わった。


 昼の十二時頃に終わり、ホームルームを待つだけだ。

 そして、ホームルームが始まると、プリントや時間割、月曜日までに提出の書類などが配られた。

 月曜日からは、午後もあり、少しずつ授業が始まる。

 本格的に高校生活が始まる。

 もう失敗しないようにしたいと心の底から思う。


 ホームルームが終わり、俺は、職員室に行った。

 職員室の前に、先生の座席表が張ってあった。

 そして、俺は高校で初めて職員室に入った。

 しかし、先生の席を見ると、まだ来ていなかったようだ。

 仕方なく待っていると、先生が入ってきた。

 俺は、先生の元に行き、一緒に、先生の席まで行き、話し出すのを待った。

 すると、先生から、

「水本くーん♪ 頼みたいことがあるの。いい?」

「とりあえず、その感じやめてください。見ていてイライラするんで。どうせ、演技でしょ」

「ふーん。先生信用されてないのね」

「年齢秘密とか言ってましたけど、本当はアラサ」

「死にたいの?」

 三十路手前(アラサー)に、こんなこと言ったら、殺されるという証明が成り立ちました。

「はぁ、もういっか。こういうキャラ」

「もう少しぐらい粘ってください」

「あんたの前では、このキャラやめとく」

「ご理解頂けて光栄です。それで、用件は?」

「あー、次の月曜日の放課後、特別棟の三階の西側の端の教室に行きなさい」

「はぁ」

「どうせ、放課後暇でしょ? 返事は?」

「分かりましたけど、詳しいことは聞けないんですか?」

「それは、月曜日の放課後のその教室で説明する」

「この棟の三階の西側の端の教室ですね」

「あぁ」

「分かりました」

「話はそれだけよ」

「それじゃあ、失礼します。さようなら、森野先生」

「はい、お疲れー」

 俺は、職員室を出て、先生が言った教室に下見をする。その場所に着く。

 三階の西側の端教室。

 そこは、何の教室かは分からなかった。

 開こうとしたが、鍵が掛かっていた。

(面倒なことに、巻き込まれるんだろうな......)

俺は、その場所をあとにして、下駄箱に向かった。

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