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俺も彼女も結婚不適合者  作者: 高壁護
第1章 1年1学期(4月~5月)
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試験勉強

(つばさ)に会いたいなぁ」

「友達の前でよく言えるね、それ」

 私は今、親友の荒井(あらい)(しずか)を家に呼んで、勉強を教えてもらっている最中である。

「だって~」

「はいはい、それより早く解け」

 泣きそうになる私を鼓舞しているが、静は携帯をいじっている。現在、試験期間の真っ只中で、明後日までが試験なのだけれど、金曜日の試験が思っている以上に出来なすぎて挽回するために静に教えてもらっている。

「それにしても意外かな」

「何が?」

真由(まゆ)が我慢していること、真由だったら、絶対に会いに行っちゃうタイプだと思ってたから」

「私そんな性格じゃないって」

「いやいや、そんな性格でしょ」

 小バカにしたような言い方だったのが気に食わない。一応、一ヶ月会わないという約束をしたことは静にも伝えている。

「メールもしてないの?」

「メールもしてないよ」

 多分、してないはず。ただ、一度だけ夜にコンビニで二人でお買い物に行っちゃったけどね。

「結婚したいなぁ」

「真由は水本君との結婚は向いてないと思うよ」

「どうしてそんなこと言うの?」

 そんなこと言われるなんて思ってもなくて、すぐに反論したくなった。

「じゃあ、仮に真由と水本君が結婚するとします。新婚なら毎日毎日そういうことをします。特に真由は愛されたいという願望が強いからどんどん激しくなります。しかし、水本君も仕事でお疲れになり、何年か経ったら○ックスレスになり、冷えた関係になります。その時に真由は浮気をします。そして、離婚します。結局、離婚するまでのストーリーがもう目に見えてるのよ」

「わ、私は浮気なんかしないし」

「いや、真由は絶対する」

「何で断言するの?」

「だって、真由だから」

 静には謎の自信があるように見えた。要約すると私は絶対に浮気をするそうだ。ひどいイメージだ。


 そこから軽く討論会が開かれ、試験勉強が再び始まることは無かった。

「私は翼が好きで、浮気しません!!」

 そう言い切り、この討論会を強制終了させ、布団に潜りこんだ。もうこんな話はしたくない。

「まぁ、適当に頑張れば」

 静はお泊まりのため、布団に入るや否や私の隣に寄り添い、すぅと寝息を立てていた。

「真由、おやすみ」

「うん・・・ケホケホ」

「咳大丈夫?」

「うん。大丈夫」



「あぁ、これはヤバイな」

 自室の机で頭を抱えているのは俺です。水本家の長男です。現在、試験勉強をしているのだが、ここまでほとんど復習をしていなかったため、全ての教科を一からノートと教科書を見直しているのだが、量がまあまあ多い。はっきり言うと追い詰められている。今まで遊んでいたツケがここで到来した。

「とりあえず、初日のはやっとこ」

 試験初日の教科を重点的にやっているが、夜も更けて眠気が襲いかかってくる。ここで寝るか寝ずに頑張れるかできっと何か変わってくるのだろう。

 俺は教科書を閉じ、ノートをもう一度最初から見直しながら布団に入り、見直しが終われば寝ようと心に決めた。ベッドに寝転びながらノートをだらだら見続け、最後のページを見終わり、俺はそのままノートを枕元に置いて、そっと目を閉じた。


「あっ」

「おはよー、真由」

 玄関を出て、出会い頭で会ってしまった幼馴染。

「お、おはよー。翼」

「じゃっ」

「私は絶対に浮気しません」

「えっ、何? 何?」

 急にそんな宣言されても恐怖しか感じませんよ。

「はい、分かりました」

「よかった」

 この受け答えでいいのだろうか、不安が残る中、俺と真由は別々の方角に歩く。

 毎日同じ時間に来る電車に乗り、立ちながら教科書を開いて、寝る前に覚えたものを復習する。

 流石に寝てから半日も経ってないため、ほとんど記憶しており、また新たなページを見直す。何とか三日後の試験初日を上手く切り抜けられたら、その後は大体上手く運ぶことが出来る自信がある。

 辺りを見渡せば、イヤホンで音楽を聴きながら単語の勉強をしている人もいれば、友達とベラベラ喋ってたりする人もいる。みんな違ってみんないい。



水本(みずもと)君、おはよー」

村上(むらかみ)君、今日は早いね」

 いつもは俺よりも遅く来る村上君がそこにいたため、俺は反射的にそう言ってしまった。

「もうすぐ試験だから学校で勉強しようと思って」

「そっか、順調?」

「まあまあってとこかな」

「じゃあ、俺も勉強しよっと」

 村上君を見習って俺も椅子に座り、机の上に電車で開いた教科書をまた開いて、朝の時間を過ごす。


「水本君、おはよ」

「あー、空本(そらもと)さんおはよー」

 声で空本さんである判別して、教科書を見ながら挨拶をする。なるべく挨拶は人の目を見てしようと心がけているのだが、今は勉強が大事なため無駄な所作をしない。


「今日は放課後に集まりたいんだけど・・・」

 部活の話か、正直行きたくないし、帰りたい。俺は空本さんが何故そんなことを言うのか理解はできなかった。

「うん。分かった」

 でも、下手に断ったらネチネチ言われそうだと思ったから、とりあえず了承だけをした。一応、羽柴(はしば)さんの恋愛相談について話すのかなと思う。

 つまり、羽柴さんも放課後に呼ぶのか。色々と迷惑をかけたからもう一度改めて謝罪をしないとな。



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