17話
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お風呂から上がった僕はなぜか女の姿に戻っていた。
「なんで……。魔力はまだあるのに!?」
僕の頭にはたった一つの原因が思い浮かぶ。――急いで窓から空を見た。
「忘れてた。今日は"新月"だった」新月になると魔力が半分になるのだ。――その魔力は地球の修復などに使われている。
「亜耶。はい、着替え」静香が僕に着替えを持ってきてくれた。
「ありがとう」
着てから気付いたのだが"女物の服"だった。
「そっちの方が似合うでしょ」
「僕は男だよっ!」
「今は"女の子"でしょ」
たしかに女だけど、こっちにだってプライドというものがある。この戦は負けられない!
自分の持ってきたバックから男物の服を取り着る準備をするが、
「ダメ、よ」
静香に服を奪われた。
女の姿になるとそれ相応の筋力になってしまうのでいつもは強化魔法を掛けているのだが、今日は魔法が使えなくなる日だ。
「放して」
「嫌よ。だって可愛いのに台無しじゃない」静香は呆れた表情を浮かべながら僕を見ている。
「第一に僕は男だから! 男に可愛いは必要ないからっ!」
「さっき言ったじゃない……。亜耶は女の子なのっ!」
その直後、僕の首に衝撃が走り意識を失った。