1話
セミが鳴きだした。窓から日差しが射し込んできて、眩しい。
眩しくてしょうがないので、起きた。――起きる前にあれが夢でありますように、と願ったがその願いは儚く散った。
はぁ、と自然にため息が出た。
「やっぱり、夢じゃないのか……」
昨日、自分の姿を確認しなかったので、鏡の前に立って見る。
これが自分じゃなかったら――なんて想えるほどの美少女になっていた。
思わず、注視していろんなポーズをしてみる。
「亜耶、入るぞ」
……兄さんだ! 急がないと。鏡の前じゃ、まずい!
とポーズをやめてベッドに潜り込もうとするけれど。――遅かった。
僕はえっ、と間抜けの声を出してしまう。
「亜耶だよな。……今日、母さん戻ってくるから」と兄さんは言い終わると僕の部屋から出ていった。
僕の身体の力が抜けて、床にぴたりと座り込んでしまう。
神様。これから僕はどうすればいいのでしょうか、と神様に問いを求めるが、答えは返ってこなかった。
とりあえず、母さんが帰ってくるまで僕が出来ることは二つだけ。
一つは、逃げる。もうひとつは……隠れる。
どちらも、うまくいきそうにないが後者を選んだ。
そうこう考えているうちにタイムリミットが来てしまった。
「俊、亜耶ただいま!」母さんが帰ってきたのだ。
僕は急いでベッドに潜り込んだ。
「亜耶ちゃん。開けるわよ」
が、すぐに見つかってしまった。
「――あらあら。亜耶ちゃんったら可愛くなっちゃって」
「違うんだ。誰かに掛けられたんだよ」
母さんは僕の肩に手を置いて数秒だけど目をつぶってうんうん、と一人で頷いてうふふと笑い出す。
僕の心、読まれた。
「勝手に読まないでっ!」
家に居たくなくなって、財布と携帯電話を転移魔法を使って手に持って家から飛び出した。
近所にある公園に来ていた。――誰が掛けたか分からないけれど、人払いの術が公園に刻まれてあった。
それでも今の僕には、好都合だっった。
ブランコに座って足で動かす。
「はぁ……。飛び出してきちゃったよ。これからどうしよう……」
少しの間、考えていたが一人の人物が頭に浮かんだ。
浮かんだ瞬間に、行動していた。――友人に家に向かって歩き出した。
雪雅です。
今回は1話の執筆に時間をかけすぎました。すみません。
ここから、言い訳です。
中学3年になり、修学旅行関係、勉強、中総体の練習。で忙しいんです。
修学旅行関係はひと段落しましたが、勉強と中総体にむけての練習がやっかいなのです。(特に中総体)
まぁ、言い訳はここまでにしておきます。
次話ですが、投稿遅れそうです。すみません。。。
加筆修正しました。