10話
私は組織に戻って、総帥の前にいた。
「禍よ、何をしているのだ! 命令とは違うぞっ!」怒声の後に、パンッ! という乾いた音が部屋中に響いた。
右頬を叩かれたのだ。
私は頬を押さえて理由を言った。
「今回は、"見極め"です。何事も情報収集ですよね?」
私の言葉を聞いた総帥に、反対の頬―――左頬を叩かれた。
「……今度は『KOKU-G-P』も連れて行け」
「わかりました」
人形を連れて行くのか…嫌だな。
命令に従う為に、瞬間移動した。
しっかりしろ、桐原 亜耶。ボーとしちゃいけないんだ。周囲を探査して"敵"に備えるんだ。
そう思っていても「ふぁぁあ」と欠伸が出てしまう。
その時だった。魔力反応があったのだ。――二つ。内一つは魔法人だ。
「お久しぶりです。亜耶様」この声と顔には覚えがあった。
――この前、不良に絡まれていた女性…その人だった。
僕は思考を入れ替える。
「対魔法組織の者か?」
「そうですわ。『KOKU-G-P』コード1開始」
「開始します」と無感情な声を出しながら僕に近づいてくる。
「『KOKU-G-P』やめなさい。感情抑制を解除」
「…俺の意思だ。解除はしている」自分の意思か。まずはその縛りを破壊しないと駄目みたいだね。
「それは洗脳されているからでしょ」複数の思考で、洗脳を解く魔法を構成し始める。
「何をやっているの? 『KOKU-G-P』!」おとなしくは、やらせて貰えないか……。
―――戦いの幕が今、あがった。
今回は中途半端なところで区切らせてもらいました!
次回のためにっ!