9話
僕は、自分の仕事部屋に帰って早速、晃平に伝える。
「そうなのか。…今日から魔法組織で働くのか」
「うん」と肯定して僕の助手としてね、と付け足す。
早弥はそうか、と言っていたのでOKという事でいいだろう。
「早弥。これからよろしくね!」と僕は笑顔で言った。
「あぁ…」と早弥が言ってから僕は握手を求めるべく手を差し出して固い握手をした。
その後、早弥に山になっている資料の整理を頼んで任務…という名のサボリにはしった。
まあ、きっと早弥の事だろうから分かってるんだよなあ…と思ってしまい胸がズキリと痛んでしまうけど、僕は市内を巡回しに行くのだった。
僕は住宅街を歩いている。…ここは平和だなあ。
異状ないや……、次の所に行こうかな。と考えてショッピングセンターに向かおうとした時に、悲鳴が聞こえた。
なんで、僕っていつもこう巻き込まれるのかな… と思いながらも悲鳴が発せられた方角に走り出した。
走っている途中で気付いたことだが、瞬間移動すれば早く着いたのではと思う。
「大丈夫ですかっ?」僕は息を荒げながら男達に囲まれている女性に言う。
瞬間移動をして、女性を男達から見えないところに移動させて逃がそうとしたがコソコソと見てくる。
ここなら、安全だろう。
「なんだ、この野郎!」そう、今の僕は明日…男に戻れる時間を強制的に使って男に戻っている。
「集団で襲うとは…」かわいそうに。今ので心に傷をつけてしまったらどうするんだよ!
「心に傷をつけるのがどれ程、苦しいのか分からせてあげよう」と男達に宣言をする。
魔法を使ってそれぞれの恐怖心を煽るため、幻術を使って幻想を見せる。
「まぁ、こんなもんでいいでしょ」と小さく呟いて、女性のもとへと歩いて行く。
「もう大丈夫ですよ。…あっ、この事は内密にしてくれるとありがたいです」
「ひゃい! …わかりました」
途中、噛んだみたいだけど大丈夫かな? 家まで送った方がいいのかな。
「…自分だけで帰れる?」
「はい」
「じゃあ、気を付けてね」と僕は言い残して家に戻った。
この時、僕は知らなかった。この女性の事を…
―あの人物が……亜耶。人形のオリジナル。
―それだけの実力を持つ人間。こっちに引き込みたい……だから、私は接触したのだ。
やってしまった…明日は、男に戻れないなあ。がっくりとうな垂れる。
家のドアを音を立てない様に開け気配を消して、お風呂に向かった。
★★★
お風呂から上がった僕は、晃平の部屋で右手の人差し指を下唇に添えながら、さっきの出来事を考えていた。
男達に襲われていた女性から魔力反応が在ったのだ。それも魔力を隠して。
どう考えてもおかしい…うちと敵対している組織かな?
じゃぁ、なぜ僕と接触した? 僕狙い?
とりあえず、様子を見ないとな。兄さんにはまだ言わなくていいよね。
この時、運命の歯車が廻り出した事に,僕は気付いていなかった。
久しぶりの本編ですね。…遅くてすみません。