プロローグ~全ての始まり~
僕の両親はどちらも共働きで、僕たちをおいて現在は海外で仕事をしている。
そのため、お金には困っていない。――両親が仕送りとしてお金を―国内のお金に換金して―送ってくるからだ。
家族構成は、父、母、俊、亜耶の4人家族だ。
ちなみに、名字は『桐原』だ。
「はう、暑い」
つい先日にエアコンが壊れてしまって、仕方なく窓を全開に開けて扇風機を使って暑い空気を逃がしているのだが、
逃がしきれずに部屋の中に暑さがこもってしまって僕はバテていた。
冷たい麦茶を飲んで身体の熱を冷まそうと思い「俊兄。麦茶ちょうだい」と僕は兄さんに麦茶を入れるようにお願いをする。
「ほら、亜耶」兄さんに頼み事をするとすぐやってくれる。
「ごくっ…。ごくっ…。やっぱり夏の日の麦茶は美味しいね!」
――その時だった。
身体が冷えたと思ったら、身体が熱くなってきたのだ。
「うっ、身体が…。あつい……」僕は"魔法"かな、と思いながら気を失った。
気が付くと、外は真っ暗だった。――時計を見ると7時10分を示していた。12時間気を失ってたんだ。
僕は起きあがろうとすると、ある異変に気付いた。
胸が膨らんでいるのだ。ゆっくりと手を近づけてそれを触ってみる。
「んっ……」くぐもった声が発せられる。――待て。なぜ感じるんだ?
僕は急いで股間を触ってみる。
「――無い。ないっ?」複数思考を使い、焦りと分析を同時にする。
なぜ、僕は"こうなった"? 何かの魔法か。それとも呪い? 何の目的で?
突然、足音が聞こえた。――今まで、防音結界でも張っていたのかな?
「兄さん。僕に何をしたわけ? この術式。複雑でプロテクトが掛かってるんだけど。僕に対するいじめ?」
これは本当のことだ。でも、兄さんがしたわけではない。
目の前の兄さんは何者なんだ? 今は……。"何者か"の手のひらで踊りますか。
「単なる、遊びみたいなものだよ」
「ふーん。僕に"これ"を解けと? 前にもあったよね? こんなこと」
「――ああ。そうだな」と言って立ち去った。
自分の部屋に戻って、ベッドに入って今日のことを考える。
僕のこと。兄さんになりすました"何か"のことを。
気付かなかったなあ。……いつ入れ替わったんだか。
さてと、この術式を弄ってみますか。
――プロテクトが固いなあ。80%ぐらいしか解除できないや。
プロテクトの解除作業を中断して、時計を見る。
今日は遅いし、また明日やればいいか。
僕は睡魔に身をゆだねた。
加筆修正しました。
表現を向上させました