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第41話 銀髪弓使いは盟約から

「攻撃アイテムも用意するのもありかもしれないわ」


 熱が込められた声色で語るアルーセ。


「それは……そうですね」


 他のゲームにてMPを吸収するモンスターと戦って苦戦した経験があった為にMPを使用しない戦闘手段が必要なことを領得するセリニ。


 ――どんな攻撃アイテム……あるのかな?

 しかしツインファンタジーワールドを始めたばかりであったセリニに到来するのは疑問であった。その事を口にしていないがアルーセは自ずと語り始める。


「今人気なのは投擲専用の短剣『投擲短剣』よ」


「投擲短剣……ですか」


 その名を聞いたセリニはサブ武器に短剣がある為に他人事と思えない心境となるとアルーセに詳細を尋ねた。


「その……武器の短剣との違いはなんですか?」


「名前が示す通り、投擲でしか使えない、一番の違いは誰でも使えるアイテム扱いで一度使えば無くなる事よ」


 異なる点を知ったセリニだがそれだけだと魅力的なアイテムに感じない為にもう少し聞くことにした。


「投げたらどんな効果が……」


「普通に投げるのも便利だけど、強力なのは爆発させる事よ」


「爆発ですか?」


「ええ、その効果を付与する事で直接当てなくても効果が発揮する」


 手に入れた武器に特殊効果を与える。

 それを他のゲームでした事がある故にセリニは矢庭に理解した。


「その効果は何ですか」


「人気は眠りや毒みたいな状態異常を引き起こすものよ、他には衝戟力しょうげきりょくを増やす効果も人気」


 それらの情報を聞いたセリニはある使い方を思いついた。


「爆発で複数のモンスターを同時に状態異常に出来るんですね」


「ええ、上手くいけば可能よ」


「一つのアイテムでそこまで……すごいですね」


 素直な感想を口にするセリニ。


「汎用性が高いわ、おまけにアイテムだから、創作機関にいるわたしでも()()()()()()()()


 言葉の中に自身が認識していない事が含まれている事に気づいたセリニはアルーセに聞いた。


「アイテムの威力は……下がらないのですね」


 創作機関に入ると遠隔攻撃以外の攻撃手段の数値が極端に下がる事をアルーセから言われていた為に抱いていたセリニの疑問であった。


「そうよ、アイテムの効果は据え置き、だから攻撃アイテムを持ち込むのが基本よ」


 そこまで聞いたセリニは創作機関に所属しているプレイヤーに対しての認識を改めなければと思えた。


「攻撃アイテムと遠隔攻撃があれば戦いは何とかなりそうですね」


 セリニの言葉にアルーセは頷いて応じる。


「専用のステータスにする必要はあるけど適正レベルのモンスターが相手なら十全に戦えるわ、けど弱点もある」


「弱点」


「アイテムは有限で使い続けるといずれ尽きる、それに威力を上げる手段が少ないのよ」


 そう言われたセリニはすぐさまに納得できた。


 ――アイテムでのダメージは……大体固定ですよね。

 アルーセが口にしたそれはセリニもゲームを遊んでいた時に感じていたからであった。


「属性付きのアイテムなら弱点を突けばダメージ量を上げれるけど、それ以外にデバフやバフを与える手段が少ししかないのよ、だからクエストモンスターみたいな強敵が突発的に現れたら対処できないわ、」


 ――クエストモンスター?

 特別なモンスターを示すものが会話の中に入り込んでいると感じたセリニ。

 しかしそれが声として出るよりも先にアルーセの言が飛び出した。


「だから安全に採取したい時はパーティーを組んだり、傭兵、ミストフォロスを護衛として雇うのが基本よ」


「そう……なるんですね」


 オンラインゲームはツインファンタジーワールドが初めてであったセリニだが各々の欠点を補う形でパーティーを組んでゲームを攻略した事がある為にアルーセの話を理解した。


「だからか機関クエストは協力前提の難易度が多いのよね」


「機関……クエストですか?」


 創作機関と関わってそうな用語であった為にセリニは尋ねた。


「名前通り、創作機関専用のクエストよ、因みにだけど、ギルドに入るとギルドクエスト、ミストフォロスに入るとミストクエストを受けることが出来るわ」


「そうなんですか、専用のクエスト……楽しみです!」


 ミストフォロスに所属した先の事に思いを馳せると、少しばかり浮かれた気持ちとなったセリニは声として発散する。


「きっと面白いわ」


 それに対してアルーセは即時に反応すると矢継ぎ早に言葉を連ねる。


「ミストフォロスに所属していると他の組織の専用クエストを受諾出来るようになるんだけど、興味あるかしら?」


 と言われたセリニは少し考える。


 ――他のクエスト。

 知らない事に対して恐怖感を抱いてしまうセリニは心の中で迷いを抱く。

 だが迷いは直ぐに晴れる。


 ――ミストフォロスも同じ……他のことも解らない事だらけ。

 そもそもオンラインゲームは初めて遊ぶ――故にこれから先、どうなるのかさえ未知数だ。

 その事が頭に過ぎると落ち着けたセリニはアルーセに返答する。


「興味……あります」


「興味あるのね」


 セリニの言葉を聞いたアルーセは数秒の沈黙の後に意を決した様子で話し始めた。


「それならあなたから見てもメリットになるものがあるんだけど、どうかしら?」


 そんなことを突如向けられたセリニ。


「――いったい……何のことですか?」


 しかし表したいものが一切も解らない曖昧な言葉であったためにセリニは疑問を返した途端にアルーセは一弾指いちだんしにその意味を紡いだ。


「ミストフォロスに入った後――わたしと盟約を結ばないかしら」


 されどもアルーセから紡がれたその答えはセリニからすると――先から変化がない殆ど理解できない言葉の羅列であった。

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