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第40話 銀髪弓使いはMPから

「遠隔攻撃よ」


「遠隔……攻撃?」


 いきなり知らない要素を言われたセリニは困惑を表に出した。


「一度出せば、フラグメントが自動で攻撃してくれるスキルの総称よ」


 そう言われると出現させたものが狙った敵に自動で攻撃を仕掛ける映像が脳裏を過ぎ去ったセリニだが気になった点があった。


「フラグメント?」


 ゲーム要素と予想できているが何を表しているのか分からないセリニは疑問の色を吹き出すとアルーセは答える。


「わたし達が手足以外で操るものの総称よ……操らなくても自動で動くものもある」


「手足以外……ですか」


 ――いつわ之羽のはねで出す……羽のことかな?

 自身が使用したスキルを思い返すと同時にアルーセ側のフラグメントに関してぴんと来たセリニはその事を尋ねた。


「壺から出した小鳥がそうですか」


 アルーセが出現させた愛らしい姿を思い浮かべながらセリニは問う。


「そうよ」


 セリニに応えたアルーセはそのまま言葉を続ける。


「それに創作機関に入ると遠隔攻撃に該当するスキルが強化されるのよ」


「強くなる戦闘スキルもあるんですね」


「ええ、とても使い勝手も良くなる。今もわたし達の周囲を飛び回っていて、ゴブリン達を倒しているわ」


「そう……なんですか」


 言葉が伝わると同時に周囲を見たセリニだが双眸に映るのは森林だけであった。


 ――本当にいるのかな。

 事前に示唆されていた。現にアルーセとの二度目の出会い以降、この場にモンスターが現れていない。

 だが直接見ていない為にセリニはその存在を疑ってしまう。


「周囲にはいないわ」


 そんなセリニの心境に応じる様にアルーセは言葉を繋げる。


()()()の使い魔だったら、基本的に目に届くのは範囲にしか飛ばせないわ、けど強化されるとその範囲を超える事が可能になるのよ」


 変わった点を力説するアルーセ、その話を聞いたセリニは言葉の圧に押される感覚と同時に説得力も感じ取れた為に納得しながら思った事を口にした。


「便利そうですね」


「ええ、便利。勝手に一掃するからモンスターに邪魔されないで素材を採取できるわ」


 HPが低い為にモンスターがいる状況では落ち着いて周囲を捜索ができないセリニはアルーセが言った事を理解できた。


「だけど、欠点もあるわよ」


「欠点……ですか?」


「距離を離しすぎた状態でモンスターを倒す事はできるんだけど、本来得られるものを得られないのよ」


「得られない……」


 アルーセが話した内容から欠点が何か思案したセリニは即座に思い浮かんだ。


「経験値……後アイテムやお金ですか?」


「ええ、距離が離れれば離れるほど数値が減って最終的には0になる。目に見えない敵を無差別に倒せる代償みたいなものよ」


 ――代償。

 ――そういえば。

 何気なくアルーセが口にした言葉からある事が気になったセリニは思い切って尋ねてみた。


「あの…先程からずーっと……スキルを使ってますけど」


 一見すると立っているだけにしか見えないアルーセであったがその実はスキルを使用中であった。

 だが無償で発動できるスキルをまれにしか見た事が無いセリニはその姿に疑問を感じていた。

 それ故に可能性を思案して尋ねた。


「その……創作機関に入ると遠隔攻撃のスキルは無制限に使えるんですか?」


「違うわ、さすがに無消費で使えないわ、こう見えて今のわたしはMPを使い続けている」


「そう……ですよね」


「けど、長時間の発動は可能よ」


 ――どんな方法かな?

 自身が使うスキルの特徴から今後の戦いでMPを大量に使う戦い方になる予定であったセリニはその手段に興味を持った。


 ――けど……聞くのは………。

 しかしそこまで詳細を深掘りしていいのかと思ったセリニは身体の中に言葉が封じ込められる。


「方法は……」


 だがアルーセが並べ始めた言葉は自ら種明かしするものであった。


 ――いい……のかな……。

 自身にとって嬉しい展開であったが申し訳なさを感じたセリニであったが言葉の流れを止める術が思いつかなかった為にそのまま聞くことにした。


「【MP回復・自動】と【MP回復・増強】のスキルを習得して、装備にも同じスキルを付加しているからよ」


 しかしその答えは単純なものであった。


「MPを自動で回復するスキルもあるんですね」


 ツインファンタジーワールドの攻略情報を一切見ていないセリニはアルーセが口にしたスキルがある事が初耳であり、驚きの感情に包まれた。


「このゲームの特徴ね」


「特徴……ですか?


「ツインファンタジーワールドにはMP回復手段が豊富って事よ……目の前に敵がいるときにMPが沢山あればどんな事ができると思う?」


「できる……事」


 唐突に言われたセリニであったが自身がゲームでMPを沢山確保した状況を想像してみた。

 すると答えは刹那に現れる。


「強力な攻撃を沢山使う……です」


 MPがあるなら消費に躊躇する事なく戦えると気持ちを少し高揚させながらセリニは答える。 

 その言葉を聞いたアルーセは「そうね」と色よい様子を見せるとそのまま言葉を紡ぐ。


「MP消費を気にせずに派手にやる、それがこのゲームで推奨される戦い方よ」


 アルーセが語った内容はセリニにとって好みな趣旨であった。


「それは……いいですね」


「だけど、考え無しに使いすぎるとちょっと前のわたしみたいにMPが尽きる可能性もあるから気をつけた方が良いわよ」


 経験を元としたアルーセの忠告を聞いたセリニは肝に銘じる事とした。


「はい……」


「MPを消費するだけが戦いじゃないけどね」


 話を急転回させたアルーセ。

 それを聞いていたセリニは戦闘手段は多数揃えるのも面白いと思えた為に何も言わずにその続きに耳を傾けた。

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