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フォニックス 光と闇  作者: ことこん
第十五部 最後に立っていたのは
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第五部 結局頑張るコウ

 翌日、ようやく解放されたフォニックスたちは…ダラダラしていた。ちなみにソウマさんとフウワはいない。フウワがライブというものにソウマさんを連れて行ってしまったからだ。まあ、ツーハ嬢はシンと話をしに行ったが。他の4人は対戦ゲームをしていた。あの姉妹がゲームをしている事に驚きだが。俺も実は忙しく無い。なぜなら、特殊能力を使いまくった結果数は20に増え、勝手に家事をやってくれる様になった。だから俺は敬語を使いこなせる様になったって訳だ!でも、やっぱり疲れる。結局は分身だからな。俺はもう半分まで差し掛かった本を開く。もう一年経つのに、まだ半分なのか…。眠れないとは言えど一晩で五冊ぐらい分厚い本を読破しているソウマさんには到底及ばない。図鑑とかちゃんと見てるのかな?と思うくらい速いけれど、ほとんど知っているから知らない所だけ見ているらしい。…やっぱりすごいな。俺は大事な事を思い出した。シンとツーハ嬢の様子を見に行こうと思っていたんだ。結局、家事はしなくて良くてもする事はある。退屈なのも嫌だけどな。部屋のドアを開けると、ツーハ嬢が口元をハンカチで覆ってシンと話していた。そんなに風邪ひきたく無いのか?シンもシンで明らかに強がっていた。熱あるから大人しくしていて欲しいのに、部屋を脱出して特訓しようとする。体が鈍るのが嫌だかららしいんだけど、お願いだから拗らせない様にして欲しい。そこでツーハ嬢を側に置いておいた。本人も心配そうだったし。シンは特訓は出来ないしツーハ嬢にじっと見られてるしでイライラしていた。これは全快した時に怒られそうだ。まあ、シンの事だから一週間もすれば治るだろうけど。俺は部屋を出ると、丁度来た宅配便の受け取りをし、サインをさせる為エントを呼ぼうとしたらトイレだった。全く、こんな時に限って…。仕方なく俺がエントの代理ということにしてもらった。エントがトイレから出て来ると、箱を開け始めた。しかし、出てきたのはマンガ本だった。…そんな事に宅配便使うなよ…。他の3人もエントをそんな顔で見ていた。エントはそんな事も気にせずマンガを読み始めた。ライトたちもそれに乗じてそれぞれ好きな事をし始めた。俺も本を読もうと思っていると、丁度2人が帰って来た。出迎えに行くと、フウワはまだ興奮覚めやらぬと言った雰囲気だが、ソウマさんの頭からは煙が出ていた。さすがのソウマさんでも理解が追いつかなかったらしい。

「フウワさんがすっごい早口で曲名と解説をして来るから理解が追いつかなくて…ごめんね、フウワさん。次はもっと予習してから行く事にするよ。好きな事となるとこうなるのはお互い様だし」

「すまん、ちょっと飛ばし過ぎた。次からはちゃんと分かりやすい様に話すから…また、付いてきてくれるか?」

「もちろん。フウワさんの事もっと知りたいし、それにアイナさんとルミさんにはお世話になってるから。恩返しって言うと言い方変かもだけど」

うん、やっぱソウマさんすげえな。普通訳分からないものを何か得する訳でも無いから分かろうとしない。エントの笑い声が聞こえる。ああもう、ムードが台無しだ。俺は何かが割れる音がして駆け付けると、スインさんが窓ガラスを割ったらしい。気まずそうにしていた。

「言い訳にはなるんやけど、発射直前にくしゃみが出てしもて…」

確かに中庭で特訓するのにも限界がある。なんかいい場所無いかなと手袋をし破片を拾いながら考える。ここには使っていない部屋が多数ある。特に別棟は全く使っていない。あれ無くして中庭と繋げたら結構な広さになりそうなのに。まあ、壊すのにも金はかかる上に、そこに施設でも作ろうものなら年収を超えてしまうだろう。いっそのことギルド様に頼んでちゃんと特訓する事を条件に費用を出してもらっても良いのだが。それはそれでフォニックスたちが地獄を見るか。…難しいな、こればっかりは。ちなみに、出て来ていないイネイさんはお仕事だ。どうやら今日はどうしても外せなかったらしく。最初のうちはそんな仕事ちゃんと働けるのかと思ったが、風潮が変わり今まで見向きもされなかった遺跡が一気に調査され始めむしろ忙しいらしい。イネイさんはまさかの現場の人で、一日中がっつり掘りまくっているらしい。イネイさん、根気と体力は割とあるからな。そういう意味では合っているのかもしれない。ライトは毎回心配しているが。俺は破片を拾い終えると掃除機で細かい破片を吸った。スインさんも負い目を感じているのか手伝ってくれた。俺たちはガラスの穴が空いた部分を直すために業者を呼び、元通りになる頃には夕方だった。そしてまた出費が…これはギルド様コースだな。アインがエントを叱っていた。また何かやらかしたのか?あの2人も相変わらずだな。それにしても、いくら分身を増やしたとて俺にゆっくりとした日が無いことが不思議でたまらないのは俺だけだろうか。

 ここで『光と闇』編は終了です。次は続きでは無く、『フォニックス』シリーズ改訂版を投稿していく予定です。もしもこの拙い作品の続きを気になって下さっていた方がいらっしゃりましたら、心よりお詫び申し上げます。

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