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フォニックス 光と闇  作者: ことこん
第十三章 ヒスラとレクフォン
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第三部 少しずつ繋いで行くダメージ

 私たちは一斉に大技を放った…が、レクフォンは当たる寸前に察知し、瞬間移動で避けられてしまった。疲れてしまったカリとハスは安全地帯でツーハちゃんと一緒に休憩していた。しかし、幸運にもツーハちゃんは再び立ち上がって飛んで行ってくれたので、そんなに戦力が減少しなかった。レクフォンはスピードが落ちる所か速くなってしまったので、私のした事はあまり意味が無かった。ちょっと悔しい。ライトさんがレクフォンに向かって走り出した。その行動が意外で、一瞬反応が遅れてしまったけれど、直ぐに遠くからの援護を始めた。ライトさんは持ち前の足の速さを活かしてレクフォンと距離を詰めていく。レクフォンは遂に遠距離攻撃を止め、ライトさんに向かって近接攻撃を放った。ライトさんはきちんと予測していた様で、冷静にそれをかわすと反撃した。丁度隣にいたヒスラが、

「あいつ、すげえな…あのレクフォンと一対一でやり合ってやがる…」

と呟いていた。やっぱり凄い事らしい。シン君は遠距離攻撃が来なくなった事をチャンスと捉えた様で、ライトさんの邪魔にならない様に気を付けながら百鬼夜行を放っていた。姉さんも同じようにしていた。近接攻撃組はライトさんの様に突っ込んで行った。私も行こうとすると、何故かヒスラに止められた。私が不満そうに睨むと、ヒスラはいつに無く真面目な顔で、

「やめておいた方が身のためだ。レクフォンの本気はこんなもんじゃ無い。近接攻撃に優れているあいつらならまだしも、お前が行ったら危険なだけだ。反撃されて終わるだけだろう」

と言った。それが言い終わったと思うと、レクフォンを中心に大爆発が起きてみんなは後ろに下がった。しかし、それでも動かなかった人物が1人。予想はしていたが、ソウマさんだった。一体どうやってその場に留まったのだろう。コツを教えてもらいたいくらいだが、これは彼の持久力がなせる業であって私に出来る事では無いのだろう。ソウマさんは真っ直ぐにレクフォンを見据えると、巨大なハエトリソウを出してレクフォンを襲わせた。レクフォンも凄いもので、それをたったの一撃で薙ぎ払ってしまった。しかし、その背後にはソウマさんはいない。レクフォンが辺りを見回している隙に、ソウマさんは全く反省していなかったのだろう、レクフォンの近くで自爆しレクフォンに隙を作った。シン君と姉さんは全く変わらず遠距離攻撃していて、少し妖力が心配になった。レクフォンは土埃で隠れて見えなくなってしまった。しかし、それがいけなかった。背後から不穏な妖気を感じた時には時既に遅し。私はレクフォンの攻撃を受けてその場に倒れてしまった。倒れたと言っても、気絶した訳では無い。足が痛くて立ち上がれない。折れていないといいのだけれど。レクフォンの妖気は消えた。これはまずい。この調子で行って仕舞えば、全滅が現実のものとなってしまう。しかし、急にレクフォンが誰かに弾き飛ばされるようにして物陰から出て来た。誰かがやってくれたのかと思って懸命に首を曲げて見ると、元ブラックスNo.3、部下を全滅される程の力を持つ少女へルンだ。ブレックジンが取れた彼女は良い意味で普通になっていた。レクフォンはそんな彼女を睨む。私がハラハラしながらそれを見守っていると、急に足の痛みが無くなった。立ち上がると、ほっと胸を撫で下ろしているソウマさんを見つけた。グラスヒールを使ってくれたようだ。私は少し離れた。味方とはいえへルンの毒に巻き込まれるのはごめんだったからだ。へルンは手の爪を猫のように伸ばすと、レクフォンに向かって行った。レクフォンは先程の攻撃で毒を受けている筈なのに、全く効いている様子が無かった。レクフォンの技とへルンの爪が重なり合ってまるで剣で戦っているかのような音を立てていた。今度は誰1人として突っ込んで行かなかった。2人の戦いに入って行ける気がしなかったからだ。遠距離攻撃も出来なかった。邪魔になりそうな気がして。でも、やっぱり限界があり、今度はへルンの方が弾き飛ばされてしまった。エヴェルより強いという事はそうなるだろうとは思っていたが、なまじ入りが良かっただけに落胆を隠し切れない。みんなで力を合わせても中々倒せない。これは本格的にピンチかもしれない。エヴェルとトルキは勿論ムルル君の側にいて来れないし、オスコさんは力を使って疲れ切っていた。おそらく来れないだろう。消去法で考えていくと、一緒に戦える仲間は思ったより少ないのかもしれない。しかし、私は完全に忘れてしまっていた。最近会ったばかりで、駆けつけてくれそうで、尚且つ(なおかつ)強い人物を。彼らは洞窟の入り口方面からやって来た。1人は武器を持ち、もう1人は動物を連れ、最後の1人は堂々と歩いている。私は、彼らの姿を見て何故か少し救われたような気分になった。薙刀を壊してしまった時は鬼のように感じていたが。もう誰か分かっただろう。

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